walle:[映画]『WALL-E(ウォーリー)』----この夏一番面白かったアニメ

 ということで、暑い中六本木のディズニーの試写室まで見に行ってきました。場所は昔はブエナ・ビスタの試写室だったところで、『アルマゲドン』を見て開いた口が塞がらなかった嫌な記憶が。まだ六本木ヒルもなかった時代のことです。と業界的な話はともかく(だいたい映画の試写になんかそんなに行ってたりしない)。
 いや、これは面白いです。『崖の上のポニョ』に唖然として、『スカイ・クロラ』に絶望したぼくとしては、こういうアニメのスタイルがあるのか、と素直に感心しました。
 話の内容は、700年の間地球に残ってゴミ掃除をしていたボロボロのロボットと、地球を離れて宇宙の箱舟的宇宙船で暮らす人類から派遣された地球探査ロボット(最新型で、なんかクリオネみたいなカタチしている)とのハッピーエンドな話です。探査ロボットは「イヴ」って名前なんだから女性なんだろうけど、別に普通に、いつものピクサーみたいに「友情ネタ」にすればいいじゃんよ、と思った。
 で、すごい技術で単純な話を映像にしているのが、とにかくすごい。たとえば、ゴミ拾いのウォーリーは、自分でちょっと興味を持ったガジェットを、自分の家みたいなところでコレクションして置いておくのが趣味なんですが、そのガジェット(ガラクタ)がどんなものか、ってのはほんの少ししか見せない。えー、もっと見たいのに、と思わせてしまう。あと、箱舟宇宙船の中にいる、いろいろ形状も機能も違うロボット。これもほんの少ししか見せてくれないのよね。裏設定はスター・ウォーズ並みにありそうなのに。話はどんどん進んで、1時間半ぐらいでちゃんと終わって、長さを感じさせないわりには物語が充実している印象。ていうか、1時間半でどのくらいまで話を入れたらいいのか、ちゃんと考えている印象、というのでしょうか。
 監督のアンドリュー・スタントンって、宮崎駿押井守とかと比べると知名度全然ないと思うんだけれど、アニメオタクじゃない映画好きは、きっと名前を知ってると思う。で、日本で楽勝に数十億円の興行成績を、非アニメオタクを対象に稼いでしまったりする人。なんでこの映画をポニョの夏に上映してくれなかったんだろう、と残念に思ったのだった。