『大名屋敷の謎』『足利義持』『グレン・マーカットの建築』

本日の読みたい本・おすすめ版(2008年6月あたり)。

大名屋敷の謎 (集英社新書)

大名屋敷の謎 (集英社新書)

★『大名屋敷の謎』(安藤優一郎/著/集英社/735円)【→amazon
小説・落語・映画・テレビ・芝居等でも舞台になることが多い大名屋敷。しかし、よく知られているようで、その実態を理解している人は少ない。本書は、その住民(勤番武士)の体験談・見聞記、出入りする商人の残した史料などをもとに、大名屋敷の幕末から明治期に至るまでの実像をわかりやすく紹介する。また、リサイクルの観点から話題になる「肥」の活用などについては、今に残る豪農・中村家文書を丁寧に分析し、江戸を支えた「肥」経済の実態を実証的に解明する。同時に、中村家や出入りした商人たちの幕末・明治興亡史としても楽しめる。
足利義持 (人物叢書)

足利義持 (人物叢書)

★『足利義持』(伊藤喜良/著/吉川弘文館/2,100円)【→amazon
室町幕府の第四代将軍。父義満の絶大な威光の下で将軍となるが、その政治的遺産はあまりに大きかった。日明交易の廃止など、守旧的な施策は前代への反動と評価されてきたが、諸大名や天皇家と協調し、神仏を篤く信奉した義持の執政は室町幕府の典型であり、もっとも平穏な時代を築きあげた。禅に帰依し、文化を大きく育んだその生涯を描く初の伝記。
グレン・マーカットの建築―GLENN MURCUTT

グレン・マーカットの建築―GLENN MURCUTT

★『グレン・マーカットの建築』(グレン・マーカット/[作]監修協力 マリアム・グーシェ/[ほか]著/TOTO出版/4,200円)【→amazon
オーストラリアを代表する建築家グレン・マーカット(1936‐)の日本初の作品集。建築界のノーベル賞とも呼ばれるプリツカー賞を2002年に受賞し、世界的にも高い評価を得ているマーカットは、40年にわたる設計活動で500以上の建築をオーストラリアにつくってきた。マーカットの建築は、精微なディテールに裏打ちされた美しさがあるばかりでなく、自然環境に呼応して豊かな生活空間を生みだす「空間装置」として熟慮されてつくられている。本書では、自然と建築の調和というマーカット建築の本質を美しく捉えたアンソニー・ブローウェルの写真によって、代表作13作品を紹介。自然環境から導かれた美しい解答=グレン・マーカットの建築は、サスティナビリティをデザインの核とした稀有な実例として、現代建築を牽引し続けている。

読みたい本・次点。
『ナイチンゲールは統計学者だった! 統計の人物と歴史の物語』(丸山健夫/著/日科技連出版社/1,890円)
『B級裁判傍聴記』(阿曽山大噴火/著 辛酸なめ子/著/創出版/1,260円)
『戦国武将・人気のウラ事情』(鈴木真哉/著/PHP研究所/756円)
『あなたも作家になれる』(高橋一清/著/ベストセラーズ/1,500円)
『アマゾン源流「食」の冒険』(高野潤/著/平凡社/903円)
『ネパール 村人の暮らしと国際協力』(清沢洋/著/社会評論社/2,310円)
『闘う書評』(福田和也/著/新潮社/1,365円)
『哲学史を読む 1』(松永澄夫/著/東信堂/3,990円)
『哲学史を読む 2』(松永澄夫/著/東信堂/3,990円)
『新体操の光と影 通訳が語る25年間』(松浦たか子/著/日本エディタースクール出版部/1,575円)
『図説都市と建築の近代 プレ・モダニズムの都市改造』(永松栄/著/学芸出版社/2,625円)
『スポーツ中継 知られざるテレビマンたちの矜恃』(梅田明宏/著/現代書館/2,100円)
『世界食料戦争』(天笠啓祐/著/緑風出版/1,995円)
『シミュラークルとシミュレーション』(ジャン・ボードリヤール/著 竹原あき子/訳/法政大学出版局/2,940円)
『映画でわかるイギリス文化入門』(板倉厳一郎/著 スーザン・K.バートン/著 小野原教子/著/松柏社/2,625円)
『恐るべき中国の旅 タイから陸路で、成都、チベット、北京、桂林へ』(高橋由紀雄/著/ゑゐ文社/1,365円)
『絵画の近代の始まり カラヴァッジオ、フェルメール、ゴヤ』(千葉成夫/著/五柳書院/2,310円)
『〈異〉の解釈学 熊野純彦批判』(黒田寛一/著/こぶし書房/2,310円)
『五輪ボイコット 幻のモスクワ、28年目の証言』(松瀬学/著/新潮社/1,575円)
『ムガル都市 イスラーム都市の空間変容』(布野修司/著 山根周/著/京都大学学術出版会/5,250円)
『物の体系 記号の消費』(ジャン・ボードリヤール/著 宇波彰/訳/法政大学出版局/3,360円)