『知っておきたい「味」の世界史』『妖怪大談義 対談集』『四方田犬彦の引っ越し人生』

本日の読みたい本・おすすめ版(2008年6月あたり)。

知っておきたい「味」の世界史 (角川ソフィア文庫)

知っておきたい「味」の世界史 (角川ソフィア文庫)

★『知っておきたい「味」の世界史』(宮崎正勝/[著]/角川学芸出版/580円)【→amazon
食べものの味を左右する、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味。この味覚に焦点を絞り、人類の「味」への飽くなき希求がいかに世界史を動かしてきたかを描く。たとえば大航海時代は黄金に匹敵する高値で取引されたコショウなどのスパイス人気が動因だったし、砂糖の甘味の魅力がコーヒー・紅茶などの嗜好品を世界商品に押し上げて、地球規模の大商圏を形づくった。「味」に秘められたグローバルな歴史がわかる、おもしろ世界史。★『妖怪大談義 対談集』(京極夏彦/[著]/角川書店/700円)【→amazon
水木しげるとは妖怪を通じて結ばれた師弟の絆を深め、大塚英志とは民俗学の巨人にして現代妖怪の産みの親・柳田國男の功罪について語り合い、宮部みゆきとは妖怪を通して日本文化の来し方を振り返り、唐沢なをきとは「妖怪図鑑」の楽しみ方をディープかつ無責任に提示。怪しいことのあれこれを色んな視点で語りたおした、間口は広く、敷居は低く、奥が深い、妖怪の世界に対する溢れんばかりの思いが込められた、充実の一冊。
四方田犬彦の引っ越し人生

四方田犬彦の引っ越し人生

★『四方田犬彦の引っ越し人生』(四方田犬彦/著/交通新聞社/1,575円)【→amazon
地上には2種類の人間が存在している。土地の精霊に忠実に生きようとする者と、死ぬまで懲りずに引っ越しをくりかえす者である。引っ越し回数17回、著者ならではの引っ越し論。

読みたい本・次点。
『いくさ物語の世界 中世軍記文学を読む』(日下力/著/岩波書店/777円)
『いとしこいし想い出がたり』(喜味こいし/著 戸田学/聞き手/岩波書店/1,890円)
『新発見より道街あるき』(大竹誠/著/パロル舎/1,680円)
『詩人の面影 近代日本の抒情詩』(由井竜三/著/春秋社/1,785円)
『写真な建築』(増田彰久/著/白揚社/2,310円)
『黒い森のグリム ドイツ的なフォークロア』(大野寿子/著/郁文堂/3,570円)
『五千年の歴史を変えた男たち 漢方の近代化がもたらせた奇跡の成功物語』(中田祥之/著/天士力日本/1,470円)
『ウィトゲンシュタインの建築』(バーナード・レイトナー/編 磯崎新/訳/青土社/2,310円)
『ロシア史の中の日本学』(加藤百合/[著]/東洋書店/630円)
『東京下町風が見える街 長尾宏写真集』(長尾宏/著/東京堂出版/3,675円)
『「特攻」と遺族の戦後』(宮本雅史/[著]/角川学芸出版/740円)
『「日本」を探す』(産経新聞文化部/編著/産経新聞出版/1,575円)
『アフリカ革命に向けて』(フランツ・ファノン/[著] 北山晴一/訳/みすず書房/4,620円)
『鉄道楽 還暦鉄っちゃんJR全線旅日記』(大沢典夫/著/西田書店/1,365円)
『三島由紀夫とアンドレ・マルロー 「神なき時代」をいかに生きるか』(宮下隆二/著/PHP研究所/1,680円)
『フロベール伝』(アンリ・トロワイヤ/著 市川裕見子/訳 土屋良二/訳/水声社/4,200円)