『昭和の東京―路上観察者の記録』『人間には使えない蟹語辞典』『凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語』
本日の読みたい本・おすすめ版(2009年1月あたり)。
★『昭和の東京―路上観察者の記録』(路上観察学会/ビジネス社/2,300円)【→amazon】銭湯、理髪店、たばこ屋、看板建築、動物装飾、戸袋、欄干、郵便受け、雨どい、井戸ポンプ、看板・貼り紙、路上動物園、トマソンetc路上観察学会五人衆が記録した、バブル開発前の失われし東京の風景。初公開写真を含む150点余の作品をオールカラーで紹介!巻末に五人衆による書き下ろしエッセイを収録。
- 作者: 金田一秀穂
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2009/01/01
- メディア: 単行本
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
動物目線で考えた、おかしくも、ためになる辞典。「生き物ならどうするか」、「どう考えるか」、「どう振る舞うか」について、伝聞、推測、憶測している。
凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語 (新潮選書)
- 作者: 田近英一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
かつて全地球は、数百万年にわたり凍りついていた可能性が強い。赤道付近にも、南極のような氷床があった証拠が見つかっている。生物はどう生き延びたのか?零下50度以下の厳寒はいかにして温められたのか?大気の変化、温暖化プロセス、プレートテクトニクス、太陽の影響、生物進化。さまざまなファクターから、ガリレオ以来の衝撃的仮説が証明されていく。
読みたい本・次点。
・『在日音楽の100年』(宋安鍾/青土社/2,600円)
戦前興行界を湧かせた幻の女性歌手・演芸人、〓(ぺ)龜子。戦後ジャズブームに頭角を現し、日韓をまたいで活躍した吉屋潤の栄光と挫折。そして今日までの歌謡曲・フォーク等の歴史を彩る二世、三世、四世たち。彼らの背負ったものと勝ち得たもの、そして未来とは―。「失郷民」のうたの知られざる消息を掘り下げ、あらたな「在日」文化の可能性を展望する。
・『ビロウな話で恐縮です日記』(三浦しをん/太田出版/1,300円)
天下無敵の妄想体質作家・三浦しをんが贈るミラクル・ダイアリー・エッセイ。
・『占領下の映画―解放と検閲』(岩本憲児/森話社/3,200円)
敗戦によって、それまでの制約から解放された日本映画は、どこに向かい、何を表現しようとしたのか。GHQの占領政策のもと、映画人たちが直面した課題と達成を考える。
・『トーキョー博物誌―東京動物観察帳〈2〉』(日高トモキチ/産経新聞出版/900円)
東京の生き物を追っかけて十数年。私的フィールドノートをここにまとめた。日高トモキチが贈る都会の自然観察ナビ。待望の第2弾。
・『致命的な思いあがり』(ハイエク/春秋社/3,800円)
序論 社会主義は間違いだったのか?;第1章 本能と理性のあいだ;第2章 自由、所有、そして正義の起源;第3章 市場の進化―交易と文明;第4章 本能と理性の反逆;第5章 致命的な思いあがり;第6章 交易と貨幣の神秘的な世界;第7章 われわれの毒された言語;第8章 拡張した秩序と人口増加;第9章 宗教、伝統の守護者
・『クリムトとピカソ,一九〇七年―裸体と規範』(クレール,ジャン/水声社/2,000円)
規範と逸脱、秩序と冒険…。その人生においても、美術史の言説においても、決して相まみえることのなかった2人の画家の作品を大胆に横断することで、20世紀の芸術が孕まざるをえない矛盾と葛藤を精緻に炙り出す。
・『箱館戦争全史』(好川之範/新人物往来社/3,000円)
明治元年10月、吹雪の蝦夷・鷲の木浜に榎本武揚、土方歳三軍は上陸した。
・『キーワード日露戦争と明治日本―歴史を知れば現在(いま)がわかる』(太平洋戦争研究会/新人物往来社/1,300円)
無血革命を見事に成就させ、明治新政府を樹立して近代日本をスタートさせた幕末の青年たちが、いかにして“眠れる獅子"と言われた清国や軍事大国ロシアに挑戦していったかを、百二十のキーポイントでわかりやすく解説。詳細。だけど、わかりやすい。キーワードシリーズ第二弾。
・『海軍大将米内光政正伝―肝脳を国の未来に捧げ尽くした一軍人政治家の生涯』(実松譲/光人社/2,300円)
日本敗戦時、自らの血圧260を超ゆるも国と天皇の要請に応え、日本陸軍の徹底抗戦に身命を賭して抗しつづけ、日本本土決戦を回避し、本土決戦時に想定された日米両軍の将兵、及び日本国民数百万人の生命と産とを守った希有な一軍人政治家の生涯。往時の秘書官が慈愛をこめて綴った一軍人の生涯。
・『中島敦―生誕100年、永遠に越境する文学』(/河出書房新社/1,500円)
中島敦入門 帝国に抗する力を表現した作家;新しい中島敦(外部;狼疾 ほか);中島敦の愉しみ(中島敦氏のこと;格調高い古典的な文体で奏でられる近代人の内面の音楽 ほか);中島敦論集成(作家の狼疾―中島敦『わが西遊記』を読む;中島敦、その世界の見取図 ほか);中島敦アンソロジー(小説;翻訳 ほか)
・『大島渚著作集〈第3巻〉わが映画を解体する』(大島渚著;四方田犬彦編・解説/現代思潮新社/3,000円)
『愛と希望の街』から『御法度』まで、大島映画の24作品を監督みずからが、非情なまでに存分に論評し批判する。さらに、幻のヤクザ映画『日本の黒幕』の脚本を初公開。
・『蒸気機関車の技術史』(齋藤晃/交通研究協会;成山堂書店〔発売〕/1,600円)
誕生から200年でその使命を終えた蒸気機関車。しかし、第一次機械文明の星として近代社会の発展に貢献した役割は計り知れない。表舞台から去った今も人々に愛され続ける。力強く、より速く走ることをめざした開発の努力―そこには人類の英知が結集された。本書は、その技術の側面にスポットを当て生涯をたどった。
・『男役の行方―正塚晴彦の全作品』(天野道映/青弓社/1,600円)
宝塚の華・男役は百年をかけて作り上げられてきた歴史的産物であり、同時に時代とともに変化していく生きた姿である。それは観客がいだく理想像であり、時代ごとの思想を反映している。正塚晴彦の全作品に織り込まれた現代に対する鋭い感覚を解読して、男役の行方を見定める。
・『映像論序説―“デジタル/アナログ"を越えて』(北野圭介/(京都)人文書院/2,600円)
現在、「映像」はあらゆる場所に溢れ、私たちの生活において不可欠のものとなっている。アナログからデジタル映像への変化、インターネットなど画面を通した双方向コミュニケーション技術の進歩とその爆発的拡大などにより、もはや「映像」はただ眺めるだけのものではなくった。変貌した「映像」が持つ意味と、それが与える衝撃とは何か。北米のニューメディア研究、欧州のイメージの科学をはじめ、情報理論、認知科学、脳科学、分析哲学、映画、ゲーム、メディアアート、フィクション論など、多岐にわたる分野を大胆に横断し、来るべき「映像の理論」を構築する、挑発的な一書。
・『萌え萌え三国志事典』(三国志事典制作委員会編/イーグルパブリシング/1,500円)
魏の武将(曹操;曹丕 ほか);呉の武将(孫堅;孫策 ほか);屬の武将(劉備;関羽 ほか);その他勢力の武将(張角;董卓 ほか);『演義』以降の武将(関索;周倉 ほか)
・『詩的モダニティの舞台(増補新版)』(〓秀実/論創社/2,500円)
日本近代詩から萩原朔太郎へ、戦後詩の鮎川信夫や田村隆一、68年の天澤退二郎や吉増剛造、寺山修司、そして現在へと至る詩人たちが、詩史論に収まりきらない「文学」や「批評」の問題として描かれる。
・『美人作家は二度死ぬ』(小谷野敦/論創社/1,400円)
美人作家は二度死ぬ;純文学の祭り
・『闘うドキュメンタリー―テレビが再び輝くために』(川良浩和/日本放送出版協会/2,500円)
150本を超えるNHKスペシャルを制作した著者が著す「ドキュメンタリー制作」のドキュメント。昭和後半から平成の現在に至るまで、NHK報道ドキュメンタリーが追い求めてきたものが明らかになる。
・『ノースロップ・フライのシェイクスピア講義』(フライ,ノースロップ/三修社/2,500円)
第1章 序論;第2章 『ロミオとジュリエット』;第3章 『夏の夜の夢』;第4章 ボリンブルック劇―『リチャード二世』、『ヘンリー四世』;第5章 『ハムレット』;第6章 『リア王』;第7章 『アントニーとクレオパトラ』;第8章 『尺には尺を』;第9章 シェイクスピアのロマンス―『冬物語』;第10章 『あらし』