『アニメックの頃―編集長マルま奮闘記』『アキバを創った12人の侍―秋葉原変貌の正体に迫る』『ヒトラーの特攻隊―歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち』

本日の読みたい本・おすすめ版(2009年1月あたり)。

アニメックの頃…―編集長(ま)奮闘記

アニメックの頃…―編集長(ま)奮闘記

★『アニメックの頃―編集長マルま奮闘記』(小牧雅伸/NTT出版/1,800円)【→amazon
70年代末。あの頃、『ヤマト』が、『ガンダム』が青春だった。多くの著名作家を輩出した伝説のアニメ誌『アニメック』はいかにしてできあがったのか。アニメブームの最中を駆け抜けた編集長が綴る、熱い時代の記録。
アキバを創った12人の侍

アキバを創った12人の侍

★『アキバを創った12人の侍―秋葉原変貌の正体に迫る』(柳下要司郎/グラフ社/1,300円)【→amazon
アキバに日本の明日を見た!電気部品から萌え系まで、マニア心をくすぐるアキバ商法から学ぶ。
ヒトラーの特攻隊――歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち

ヒトラーの特攻隊――歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち

★『ヒトラーの特攻隊―歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち』(三浦耕喜/作品社/1,800円)【→amazon
第二次大戦末期のドイツにもカミカゼ=『特攻隊』があった。その名は「エルベ特別攻撃隊」。歴史の空白を埋めるスクープ!生き証人たちの証言で綴る衝撃のノンフィクション。

読みたい本・次点。
『見る―眼の誕生はわたしたちをどう変えたか』(イングス,サイモン/早川書房/2,600円)
  わたしたちはどうやってものを見ているのだろう。多くの哲学者や科学者がその謎に取り組んできた。眼の進化と意識、色覚や錯覚に隠された秘密、視覚の未来まで、眼と「見ること」のすべてを探る、眼とその進化の物語。
『野武士のグルメ』(久住昌之/晋遊舎/1,000円)
  ロング&ベストセラー漫画の原作者が描くひとりメシの美学…。
『巨匠の技と心 江戸前の流儀』(小野二郎;金本兼次郎;早乙女哲哉著;小松正之監修/中経出版/1,400円)
  あたり前を極める。それが、江戸前の仕事。
『第三帝国の嘘』(コスロン,セルジュ/原書房/2,300円)
  ナチスの嘘は、たんに人を欺く戦術に付随する現象というだけではなく、犯罪的エネルギーの核をなすものである。過激化や、新たな歴史への順応の時期をへたあと、このイデオロギーは1928年から1933年までのわずか5年間で、ドイツの大多数の人々の心をとらえ、政治的にも社会的にも大勝利を収めたものである。嘘で塗り固められたヒトラー帝国の恐るべき全貌を初めて明らかにする。
『寄生虫のふしぎ―脳にも?意外に身近なパラサイト』(目黒寄生虫館;研究有志一同/技術評論社/1,580円)
  1 「寄生」ってなに?;2 「宿主」のふしぎ;3 寄生虫のからだのふしぎ;4 今危ない寄生虫(原虫編);5 今危ない寄生虫(ぜん虫編);6 寄生適応のふしぎ 宿主の攻撃から逃れろ!;7 ヒトだけじゃない寄生虫
『文字講座』(文字講座編集委員会編/誠文堂新光社/2,200円)
  「デザインとしての文字」、「知識としての文字」。文字のことを知らずして、文字を使いこなすことはできない。13人それぞれの文字への想い―文字の旅がはじまります。
『スペイン・ラテンアメリカ図書ファイル』(片倉充造/沖積舎/2,000円)
  ここ10年程に刊行されたスペイン・ラテンアメリカ文学書を散策する。研究者でもある著者による選書そしてオリジナルな分析・批評が読者を大いに楽しませてくれる労作。
『フランス現代作家と絵画』(吉川一義;岑村傑編/水声社/4,000円)
  プルーストからデュラスまで―20世紀フランスの作家たちは、美術作品との出会いと対話をいかに創作の契機としたのだろうか。文学と美術との創造的な関係を、自由闊達に読み解くユニークな12篇の論考。
『日本の城郭―築城者の野望 ヴィジュアル新発見』(西野博道/柏書房/2,400円)
  加藤清正藤堂高虎堀尾吉晴加藤嘉明戦国大名たちは、どのような目的で城を築いたのか…。近世城郭の築城者との関係を軸に、考察。
『東郷青児―蒼の詩 永遠の乙女たち』(野崎泉編/河出書房新社/1,500円)
  甘くもの哀しい乙女像で昭和を駆け抜けた画家・東郷青児。代表的作品のほか、洋菓子店の包み紙から本の装釘まで“あの頃"の記憶が甦る、ロマンティックな意匠を集めました。
『武士としては』(小澤富夫編/雄山閣/3,800円)
  武士としての面目や意地を保ちつつ、日常・非日常の場面にどう対処していけばよいのか。泰平無事の世を生きる武士の在り方。
『ザ・東京銭湯』(町田忍/戎光祥出版/1,429円)
  東京の銭湯の興味深い点は、なんといっても視覚的遊びの豊富なこと。その意味するところは、本来の目的である“入浴する"ことにとどまらず、“入浴するのに必要のない部分にお金をかけた"という点にある。それは富士山の巨大なペンキ絵、豪華なタイル絵、宮造りの外観、庭などを見ても理解できる。のれんをくぐるとその先は、極楽浄土の空間だ。
『朱子―“はたらき"と“つとめ"の哲学』(木下鉄矢/岩波書店/2,100円)
  朱子学は封建的な大義名分論としてイメージされるが、「朱熹」その人は実は朱子学者ではない。本書は、南宋という時代を生きた朱熹という一人の人物の生涯をたどり、そこに交錯する歴史の現場に立ち会いつつその思考の核心を捉える、新たな「読み」の実践である。職・理・事・命・性などの重要語をめぐる朱熹の注解に肉薄するとき、彼が鋭敏な眼で現実を見据え、時代の課題に向き合い、生涯を賭けて彫琢した哲学的ヴィジョンが姿を現す。
『和泉式部幻想』(沓掛良彦/岩波書店/2,800円)
  小野小町紫式部赤染衛門とならんで王朝女流文学を代表する歌人和泉式部。「永遠の恋の彷徨者」といわれる和泉式部の和歌を、プラトンに称えられた古代ギリシアのサッフォー、「ローヌのサッフォー」とよばれたフランスのルイーズ・ラベ、「夢をはらむ孤独者」といわれるアメリカの詩人エミリ・ディキンソンなど、古今東西の女性詩人の作品と比較しながら論じる古典エッセイ。詩的想像力、ことばの美しさ、内面把握の深さから、和泉式部を世界文学の中の最高の女性詩人と位置づける。
『不都合な生命―地球二億二千五百万年銀河の旅』(コケル,チャールズ・S./(柏)麗澤大学出版会;(柏)廣池学園事業部〔発売〕/2,200円)
  地球は二億二千五百万年ごとに、すべての生命を搭載したまま、銀河系を一回転する。宇宙・銀河・地球、そして微生物…その生存と死滅を壮大なスケールで描く。
『化粧と人間―規格化された身体からの脱出』(石田かおり/法政大学出版局/2,400円)
  第1章 化粧は日本の社会でどんな意味を担ってきたか(日本社会での化粧の意味;日本の伝統における子供の化粧);第2章 化粧に見られる美的価値基準の現在(児童・生徒の化粧と美意識;現在の化粧の美的価値基準とその来歴);第3章 美的価値基準はどうあるべきか(近現代型の美的価値基準「ファストビューティー」;「加齢が問題であること」の問題性;次世代の美的価値基準「スロービューティー」;「スロービューティー」は男性にとっても緊急課題;いまこそ児童・生徒に対する化粧教育の好機);第4章 問題解決策としての化粧教育(化粧教育の内容;化粧教育の効果;社会全体に向けた化粧教育)
『イギリスとヨーロッパ―孤立と統合の二百年』(細谷雄一編/勁草書房/2,800円)
  かつて世界の海を支配しつつも衰亡の道をたどった老大国は、ヨーロッパにいかに向きあってきたのか。そこには、外交と国際関係への深い示唆が満ちている。揺れるアイデンティティ、二百年の軌跡。
『ゼノンのパラドックス―時間と空間をめぐる2500年の謎』(メイザー,ジョセフ/白揚社/2,400円)
  アキレスは亀に追いつけない、飛ぶ矢は止まっている…ギリシャの哲人ゼノンが唱えた不条理なパラドックスに挑む科学者たちの不屈の闘い。アリストテレスニュートンアインシュタインらによって2000年以上の長きにわたって取り組まれてきた謎が、どのようにしてわれわれに、深遠な、それでいて実に奇妙な宇宙の見方を与えたのか?絶妙な語り口で伝えられた魅惑的な物語。