『地図から消えた東京物語―新旧地図で比較する東京の20年』『生き物たちは3/4が好き―多様な生物界を支配する単純な法則』『芝居にみる江戸のくらし』

本日の読みたい本・おすすめ版(2009年1月あたり)。

地図から消えた東京物語―新旧地図で比較する東京の20年

地図から消えた東京物語―新旧地図で比較する東京の20年

★『地図から消えた東京物語―新旧地図で比較する東京の20年』(アイランズ編/東京地図出版/1,400円)【→amazon
1980年代から現在へ…20数年の東京の変貌。まだ記憶に残っているけど今はもうないあの風景…新旧地図で比較する東京タイムスリップは発見がいっぱい。
生き物たちは3/4が好き 多様な生物界を支配する単純な法則

生き物たちは3/4が好き 多様な生物界を支配する単純な法則

★『生き物たちは3/4が好き―多様な生物界を支配する単純な法則』(ホイットフィールド,ジョン/(京都)化学同人/2,200円)【→amazon
大きさ、形、寿命…生物のさまざまな現象を説明できる3/4乗則。それは、ゾウから微生物まで大小問わずの個体のみならず、森やサバンナといった生態系の構成にもみごとにあてはまる。生物の根本原理を夢見る科学者たちの格闘を通して、自然界の驚くべき類似性と多様性を解き明かす3/4乗則に肉迫する。★『芝居にみる江戸のくらし』(吉田弥生/新典社/800円)【→amazon
江戸時代の人々は、自分たちの生きている時代を自ら贔屓にし謳歌していたという。だからこそ、そのくらしぶりは江戸人たちのあこがれであった歌舞伎の舞台にもいきいきと登場する。人気役者の衣装、日本食の定番メニュー、江戸の住居や芝居小屋。江戸時代から現代まで人気の芝居、歌舞伎から抜き出した、めくるめく江戸の粋。

読みたい本・次点。
『濃縮四方田―The Greatest Hits of Yomota Inuhiko』(四方田犬彦/彩流社/3,800円)
  映像分析と神話批判、ミニチュアとノスタルジア、南方憧憬と死者の回帰、崇高とグロテスク…。ジャンルと主題を越境し、詩と理論の統合をめざす批評家の軌跡。売文渡世三十年の四方田犬彦が自ら明かす秘密。特別補遺 四方田犬彦完全年譜と著作100冊解説。
『にっぽんの昔町―伝統が息づく町並みに出逢う』(ジエ・エー・エフ出版社編集部編/ジエ・エー・エフ出版社/1,500円)
  重要伝統的建造物群保存地区の魅力に迫る。にっぽんの美の形を味わう。郷愁ただよう昔町逍遥へ。
『お葬式―死と慰霊の日本史』(新谷尚紀/吉川弘文館/1,500円)
  誰にでもやがて訪れる死。日本人は死をいかに考え、死者をどのように葬ってきたのか。葬式・墓・慰霊をキーワードに、各地の多様な習俗、弔い方や、死生観をたどる。死の歴史を見つめ直し、死への向きあい方をやさしく語る、葬式の日本史。
『直木孝次郎 古代を語る〈5〉大和王権と河内王権』(直木孝次郎/吉川弘文館/2,600円)
  邪馬台国が姿を消した後、奈良盆地三輪山山麓崇神天皇の初期ヤマト王権が誕生した。やがて河内に新たな巨大古墳が出現し、応神・仁徳天皇を祖とする河内王権が成立した。謎に包れた古代国家胎動期のベールを剥ぐ。
『宇宙環境と生命―宇宙生物学への招待』(佐藤温重/裳華房/1,600円)
  1章 宇宙生物学と宇宙実験;2章 宇宙環境と人体への影響;3章 細胞は重力を感じるか;4章 植物は無重力環境で生育できるか;5章 動物は無重力環境で発生できるか;6章 無重力を利用したバイオテクノロジー;7章 日本の宇宙実験;8章 地上でできる宇宙模擬実験;9章 地球外生命体の可能性を探る;10章 今後の展望
『ベストセラー作家 その運命を決めた一冊』(塩澤実信/北辰堂出版/1,900円)
  第1章 東野圭吾と「探偵ガリレオシリーズ」;第2章 松本清張「点と線」;第3章 森村誠一と「人間の証明」;第4章 阿佐田哲也と「麻雀放浪記」;第5章 大藪春彦と「野獣死すべし」;第6章 司馬遼太郎と「竜馬がゆく」;第7章 山田風太郎と「くノ一忍法帖」;第8章 江戸川乱歩と「怪人二十面相」;第9章 梶原一騎と「巨人の星」;第10章 宮部みゆきと「火車
『日本近代文学の断面―1890‐1920』(岩佐壮四郎/彩流社/2,800円)
  近代ヨーロッパに出自する「観念」を中心に、世紀転換期の日本文学の断面に光を当てる試み!1890年代から1900年代にかけていわゆる世紀転換期から、戦間期にかけての作品や言説を通して、「自然」「恋愛」「理想」「ユートピア」「検閲」「家父長制」「大衆文化」等の問題系をめぐる日本近代文学の断面を焙り出す。
『図説 ロンドン塔と英国王室の九百年』(出口保夫/柏書房/2,800円)
  中世の姿を今に留める「塔」。その壁に刻まれた哀話や悲劇と共に読む、興趣尽きない、世界一有名な城砦の物語。
『「多様な意見」はなぜ正しいのか―衆愚が集合知に変わるとき』(ペイジ,スコット/日経BP社;日経BP出版センター〔発売〕/2,400円)
  名門P&Gの最高研究スタッフでも歯が立たなかった超難題を解決したのは、名もない科学者たちの寄せ集めだった。多様な人間集団がときに恩恵をもたらし、ときに害悪をもたらすのはなぜか?複雑系研究の俊英が「多様性」の謎に挑んだ注目作。
『コンサートにかかわる仕事』(ヴィットインターナショナル企画室編/ほるぷ出版/2,200円)
  本書では、さまざまな分野の職業が取り上げられ、その範囲は社会、文化、芸術、スポーツ、環境などさまざまな世界にわたっています。ひとつのテーマで3つの職業が紹介され、その仕事のようすやその職業に就くための方法などがコミックと文章でガイドされています。あなたがこれからめざす職業を発見したいと思ったとき、本書が大いに役立つはずです。
『東京散歩』(雅姫/扶桑社/1,400円)
  雅姫さんが好きな街、いつもの場所、お気に入りの店。全86か所を紹介した、楽しいお散歩ブック。
『作家のおやつ』(コロナ・ブックス編集部編/平凡社/1,600円)
  三島由紀夫から森茉莉まで、美味しい、おやつのアルバム。
『古代史 封印されたミステリー―オールカラーで明かされる23の真実』(関裕二/PHP研究所/952円)
  あなたの教えられた古代史は、ウソと陰謀に満ちている!邪馬台国と日本建国神話にまつわる謎から「古代史最大の英雄」藤原氏の野望まで―。古代史の見方が劇的に変わる1冊。
『機械という名の詩神―メカニック・ミューズ』(ヒュー・ケナー/上智大学出版;ぎょうせい〔発売〕/1,619円)
  モダニスト作家たちが、テクノロジーに対して見せた反応を鋭く考察!20世紀初頭のテクノロジーが人間に与えた影響という、現代にも通じる考察を明快な論調で示す。
『女一人旅、ラオスの地雷処理現場を行く』(鈴木淑子/文芸社ビジュアルアート/1,000円)
  アマチュアカメラマンの見た知られざる国・ラオスの実像。
『寺山修司入門』(北川登園/春日出版/850円)
  虚構に生きた天才・寺山修司。その素顔を描いた幻の名著『職業 寺山修司』、待望の文庫化。
『この洋画タイトル、英語では何て言う?―英語の力もぐんぐん身につく映画タイトル・クイズ』(東郷星人/近代映画社/900円)
  この本は、主として「欧米の映画の原題」をもとに作られたクイズからできています。「自分が観たあの映画、大ヒットしたあの映画の原題は何だったのか?」と、読者に映画クイズを楽しんでもらうのが第一の目的です。ただし単なるクイズを楽しむためだけの本ではありません。クイズを解き、解説を読むことで、多くの英単語についての知識が自然に深まっていくように作られています。つまり、読者の英語の知識を広めることが第二の目的です。さらに第三の目的として「英語圏文化の学習」的な意味合いを持たせています。
『貧困ビジネス』(門倉貴史/幻冬舎/740円)
  底なしの不況に落ち込んだ今、急増する貧困層を食い物にして儲けるビジネスが跋扈している。「敷金・礼金なし」で貧困層を誘い込み、ほんの数日の家賃滞納で法外な違約金を請求する「ゼロゼロ物件」。多重債務者にニセの養子縁組をさせてさらに借金を重ねさせる「リセット屋」等々。なけなしの金をむしりとり、貧困層をさらなる困窮へと陥れる「貧困ビジネス」は、もはやモラルをかなぐり捨てた、日本経済の末期的症状の象徴だ。気鋭のエコノミストがその実態を生々しくレポート。
『直江兼続とお船』(鈴木由紀子/幻冬舎/740円)
  秀吉にその才を見こまれ、家康に売られたけんかを買った上杉家執政・直江兼続。兼続を陰に日なたに支えた妻お船は、幼い我が子を残して主君・景勝の正室菊姫とともに上洛、上杉家の奥をたばねる要となった。ふたりは関ヶ原合戦後、百二十万石から三十万石に減らされた米沢藩の財政をすくうため、高禄の自家断絶を決意する―。治水、青苧などの殖産、学問所の設立など藩の基礎をつくった兼続と、夫を助けすべてを上杉にささげたお船夫婦の清廉な生涯。