「ホロコーストの基礎知識について」を読んでたらあまりにも背中がかゆくなったので何か言ってみる

 言ってもいわなくてもいいことを。
 ちなみに、かゆいところはぼくの手が届かない背中です。
 以下のテキストについて。
ホロコーストの基礎知識について - Danas je lep dan.
 あっちを見てからこっちを見てください。
 
 こんな感じ。
Q:そもそもホロコーストって何よ。
A:ナチスドイツによるユダヤ人虐殺。ユダヤ人以外の虐殺例も「ホロコースト」に入れると激怒する学者もいるらしい(ホロコースト原理主義者?)。そもそも「ホロコースト」という語が、政治的プロパガンダとして生まれ、広まった、とする説もある(参考リンク:わたしたちのくらしとプロパガンダ
Q:600万人って、多くね?
A:いろいろな説があって、「600万」という数にこだわるのは、やはりホロコースト原理主義のような気がする。公式に訂正された数字もある(参考リンク・画像あり:なぜなに「ホロコースト」)。アウシュヴィッツ・ビルケナウの犠牲者が「400万人」から「150万人」に減ってるなら、全体数はもっと減っているだろう。ぼくは、「数は問題ではない(1人でも虐殺されたら、それは虐殺)」という考え。
Q:でも、虐殺の命令書って存在しないんでしょ?
A:なんかそれに近いものはあるよ(参考画像・英文:Auschwitz Document: '...the gassing cellar...'
 あと、こんなのとか。
無邪気なホロコースト・リビジョニスト

また、ドイツ国内では「絶滅命令書は残されていない」という定説が揺らぐような事実もつい先日、報道された。
アウシュヴィッツ解放50周年にちなみ、ドイツ国営放送第2チャンネルが放送した特別番組の中で、アウシュヴィッツのSS(親衛隊)建築部がベルリンの上官に送った報告書が存在すると報じられたのである。当時ナチスは、事をすべて秘密裏に処理するため、公式文書の中では「ガス室送りにする」「ガスで殺す」といった言葉の使用を禁じていたのだが、筆のすべりで「ガス室(Vergasungskeller)は時宜に即して完成、予定通り操業開始が可能」と書かれた文書が残されていたのである。この話を西岡氏にしたところ、彼は「知らなかった」と答えた。
「申し訳ないが、それについてはよく知らないのでコメントのしようがない。でもボクは、命令書とか、それに類する文書の存在はないって過去に本で読んでいます」
−−この件をあなたがご存じないからといって責めているわけではない。ただ、新しい資料の証拠は今もなお発見され続けているという一例として挙げたまでです。命令書が今まで見つからなかったというのは、すべての研究者が認めている常識。ナチスは戦争中も証拠隠しに努めたし、戦争末期は証拠隠滅のためにアウシュヴィッツをはじめ、絶滅収容所の施設をダイナマイトで爆破し、文書もことごとく廃棄した。現存する物証が乏しいのはそのためであって、物証の乏しさはホロコーストが虚構であることの直接的証明にはならない。それでも今なお、地道な検証作業は続き、新しい資料が発見されつつある。ユダヤ民族に対する大虐殺という史実は不動であるにしても、細部の輪郭は新たになっていくでしょう。そういう意味で「議論」は存在するし、結論は未来に開かれている。誠実であろうとするなら、「断言」は、少なくとも今は絶対にできないはずです。

Q:ユダヤ人で石鹸作ったって話はどうよ。
A:RJF「純粋ユダヤ人脂肪(Reines Juden Fett)」と刻印された石鹸が大量生産されたという事実は否定されているみたいですね。ただ、実験的にいくつか作ったり、死体・半死体をあれこれした、という事実は、証言によるとある可能性が高いかな。
 以下のところを参考に。
ホロコースト否定派と「石鹸話」 - 訳者あとがきβ版(やくしゃ あとがき べーたばん)
Q:シャワー室って嘘言って、シャワーの蛇口から毒ガス流したってのは?
A:なんか妙な映画・漫画その他フィクションの見すぎガス室ユダヤ人大量に閉じ込めて、上の穴からチクロンBぶちまけて、本当に虫ケラのように殺したんじゃないかと。それ以外にも餓死・病死とかいろいろありそう。ただ一酸化炭素」で殺した、という事実は確認できなかったなぁ(追記:テキストに当たってみる予定。コメント欄参照)(さらに追記。だいたい確認できました→http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20090329/CO)。
Q:戦争やってるさなかに、多大な労力かけてホロコーストやってるなんて、ナチスドイツって馬鹿じゃね?
A:馬鹿だよね。ただその馬鹿さ加減を、ナチスドイツ政権下のユダヤ人の悲劇と見るか、人類全体の悲劇として見るか、というのはある。日本人は当事者(加害者・被害者)的立ち位置がうまく取れないので、なかなかユダヤ人の気持ちがわからないんだけど、原爆を使われたことに対して米国に民族的な「恨」ではなく、悲劇の相対化で対処してることを考えると、「ホロコースト原理主義者」、およびそれに対抗する「ユダヤ陰謀論者」も、どっちもどっち感で与しにくい、というのが一般的のようにも思える。
Q:で、要するにガス室はあったのかなかったのか。
A:なかった、という説(珍説?)がどこからどう生まれて、どう広がっていったか調べたい気はするんだけど、時間と労力がそれに見合うかどうか不明なので、「いくら何でも、なかった、という説は無理があるだろう」という一般的結論を述べておきます。どのような形で、どんな風に存在したか、はまた議論の対象にはなるだろうけど。