『「R25」のつくりかた』『SFファン48年』『ないもの、あります』

本日の読みたい本・おすすめ版(2009年2月あたり)。

「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)

「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)

★『「R25」のつくりかた』(藤井大輔/日本経済新聞出版社/850円)【→amazon
情報感度がとても高くて、一見クール。でも、一皮むけば結構熱い―こんないまどき男子の心を読み解き、首都圏で大好評のフリーマガジン「R25」。プロジェクト立ち上げから、読者の本音に迫るリサーチ、編集方法やクロスメディア展開に至るまで、前編集長がその秘密を語ります。
SFファン48年

SFファン48年

★『SFファン48年』(川瀬広保/近代文芸社/1,500円)【→amazon
昔、SFファンは熱かった!明治大学SF研究会創立者がSFファン歴48年を語る好エッセイ集。貴重な写真11枚と自作のマンガを収録。
ないもの、あります (ちくま文庫)

ないもの、あります (ちくま文庫)

★『ないもの、あります』(クラフト・エヴィング商會/筑摩書房/900円)【→amazon
よく耳にするけれど、一度としてその現物を見たことがない。そういうものがこの世にはあります。たとえば「転ばぬ先の杖」。あるいは「堪忍袋の緒」。こういうものは、どこに行ったら手に入れられるのでしょうか?このような素朴な疑問とニーズにお応えするべく、わたくしどもクラフト・エヴィング商會は、この世のさまざまなる「ないもの」たちを、古今東西より取り寄せて、読者の皆様のお手元にお届けします。文庫化にあたり、新たに3品を加えました。

読みたい本・次点。
『読売新聞朝刊一面コラム「編集手帳」〈第15集〉』(竹内政明/中央公論新社/760円)
  五輪、ノーベル賞、経済危機など時代の大きな動きから、季節のなかで繰り返される細やかな人間の営みまで。日本社会の移り変わりをじっくりみつめる名調子。番外篇を含め08年下半期収録。
『やめたら』(大橋巨泉/角川書店;角川グループパブリッシング〔発売〕/705円)
  政治・スポーツ・テレビ・日常生活の「やめたら」。こんなモノいらない!?この本は日本再生のための著者が提言する「遺書」です。
『奈良の仏像』(紺野敏文/アスキー・メディアワークス;角川グループパブリッシング〔発売〕/762円)
  飛鳥大仏が、岩の上に坐しているのはなぜか?法隆寺釈迦三尊像に込められた呪力とは?東大寺南大門仁王像を造った運慶と快慶の役割分担は―?日本でもっとも優れた仏像が造られたのは、奈良。それも飛鳥から鎌倉期までに限る。20テーマをとりあげてその「謎」に肉薄し、鑑賞のポイントとなる視点を余すところなく解説。
『新説・異説の日本史』(歴史真相研究会編/コスミック出版/648円)
  質のよい史料を読んでいると、意外な話に出くわすことがしばしばある。「歴史」はまさにエピソードの宝庫。幕末・明治維新から古代・飛鳥時代まで歴史上の有名人の笑える話、笑えない話、事件のウラ側など意外に知られていないエピソードを中心に一挙紹介。
『ぼくたちのスコットランド紀行』(海老沢泰久/ランダムハウス講談社/700円)
  「年寄りがやるもので、とてもスポーツといえるしろものではない」と思っていたゴルフを始めてみた。しかも本場・英国で!真に成熟したイギリス人たちとつき合うにはどうすればいいか?何故、漱石は留学を楽しめなかったのか?旅と小説、故郷への思いを綴ったエッセイ集。
『ラストゴングは打ち鳴らされた―若者はなぜリングをめざすのか』(織田淳太郎/ランダムハウス講談社/700円)
  大場政夫、辰吉丈一郎沢村忠鬼塚勝也輪島功一、金沢和良、リック・吉村、小堀佑介リングの王者たちは激闘の中で私たちに何を訴えかけるのか。ノンフィクション作家・織田淳太郎、ボクシング珠玉編。
『折々の生物記』(横幕宣弘/文芸社/1,100円)
  少年期から接した種々の生物、理科教師として子供たちと観察し育てた身の回りの動植物を語る。
『大原孫三郎の社会文化貢献』(兼田麗子/成文堂/5,000円)
  前著では、労働者の立場向上や厚生、企業の近代化・民主化などのいわゆる孫三郎の経済的側面に焦点を絞って考察したことに対し、本書は、文化の世紀と言われる今世紀を鑑みながら、孫三郎の文化支援や文化事業といった文化的側面や社会的貢献を中心にまとめたものである。
『倭国の時代』(岡田英弘/筑摩書房/880円)
  日本建国以前の列島の状況を知るには、当時の文献の活用が欠かせない。しかしそのことが、さまざまな誤解を生んできたのも事実だ。本書では、中国大陸の政治動向が列島に及ぼした影響をたどることによって「魏志倭人伝」「日本書紀」の成立事情を解明し、卑弥呼の出現、倭国王家の成立から日本建国までの倭人の実像を、世界史的視点で描き出す。
『私の文学漂流』(吉村昭/筑摩書房/600円)
  「妻は、昼間、子供が寝ている間に小説を書き、私が勤めから帰ってくると、ただ一つしかない食卓を私に明け渡し、私は深夜まで書く」。傾倒する川端康成らの作品を筆写し、三島由紀夫等を訪問した大学文芸部時代。小説を書くという初志は、困窮しても、何度賞を逃しても消えることはなかった。同志である妻と逆境を乗り越え、太宰治賞を受賞するまでの作家誕生秘話。
『高原好日―20世紀の思い出から』(加藤周一/筑摩書房/700円)
  著者は戦前昭和から、日本にいる限り、夏の数ヶ月を信州の高原で過ごした。そして堀辰雄立原道造に始まり、中村真一郎福永武彦、中野/好夫、朝吹登水子辻邦生岩波茂雄臼井吉見丸山眞男武満徹など、多くの人々との出会いを愉しんできた。その70年に及ぶ交友を回想し、「連想によって人から人へ移り、気分によって風景から風景へ彷」った航跡を綴った随筆集。
『自分の仕事をつくる』(西村佳哲/筑摩書房/760円)
  仕事とはなにか。「いい仕事」はどこから生まれるのか。仕事を「自分の仕事」にするためにはなにが必要か。八木保を、柳宗理を、ヨーガン・レールを、パタゴニア社を、ルヴァンを、象設計集団を、さまざまな「いい仕事」の現場を訪ねた貴重な記録。働き方が多様になってきた時代、迷ったら立ち戻りたい働き方のバイブル。文庫化にあたり10年後のインタビューを2本追加。
『生きている二・二六』(池田俊彦/筑摩書房/860円)
  「昭和十一年という波瀾の年にあの事件は勃発した。そして潰滅した」。昭和史を大きく転換させた二・二六事件。最年少の青年将校として事件に参加した著者が、事件後五十年を経て事件そのもの、蹶起に至る心情を明らかにした回想録。自身が体験した軍法会議の内幕や、獄中生活、生き延びた参加者のその後など、これまで書かれてこなかった「事件以後」も描く。
『ニーダム・コレクション』(ニーダム、ジョゼフ/筑摩書房/1,400円)
  中国科学史研究の大家ニーダムの思想を一冊にまとめた文庫オリジナル編集版。西洋に科学革命がもたらされるまでの二千年間に中国で展開したユニークかつ高度な科学技術―天文台、機械時計、軍事、さらには“不死之藥"まで―の数々を紹介。そこから「近代科学技術が中国で発達しなかったのはなぜか」と問い、東と西とが一つに溶け込んだ科学像を構想してゆくスケールの大きさはまさにニーダムの真骨頂と言えよう。“一つの図書館"と評される壮大なニーダム科学史への入口がここに。
『“象徴(シンボル)形式"としての遠近法』(パノフスキー、エルヴィン/筑摩書房/1,000円)
  今日ではほとんど自明なもののように受け止められている透視図法。それは、完全に合理的な空間=無限で連続的な等質的空間を表現するために編み出されたものであり、人間の直接的経験・知覚の原理とは必ずしも一致するものではない。あくまで、ある時代の精神が求めたシンボル的な制度、教義的な形式だったのである。古代の曲面遠近法、ルネサンス期の平面遠近法の成立、近代以降の多様な展開を追いながら、時代の空間観・世界観を、広く人間の精神史と対応させて捉える。美術史・認知科学・建築論など、幅広い分野において今日いっそう参照される記念碑的論考。
『改訳 形の生命』(フォション、アンリ/平凡社/1,500円)
  20世紀前半を代表する美術史の碩学アンリ・フォションの古典的名著が流麗な文章で復活。
『マルクスと批判者群像』(良知力/平凡社/1,500円)
  「無知が人の役に立ったことがあるか!」先達として敬意を払っていた渡り職人出身の活動家ワイトリングに対して、マルクスは声をあららげる。一八四〇年代後半、『共産党宣言』へと至る時期、運動の主導権をめぐって、相互批判が続いている。ヘス、シャッパー、またエンゲルスらとともに一人の亡命ドイツ人活動家であったマルクスを群像のうちに等身大に描きだし、歴史の現場でその思想の本体をとらえる。
『オーパーツ 遺された超古代の謎』(歴史の謎研究会編/青春出版社/571円)
  古代エジプトの神殿に描かれた“近代兵器"、コスタリカで発見された謎の石球…ヴェールに包まれた、その全貌を追う。
『マルクスの超素顔―封印されていた闇の超権力(サタニスト)との関係』(在田実/徳間書店/648円)
  なぜ共産主義は、これほど激しいクリスチャンへの迫害を行ったのか?マルクス主義の目指した真のゴールはどこにあったのか―本書は信頼される著者ウォンブランド師がその著『マルクスとサタン』によって調査追究した事実に完全に依拠している。その書は、共産主義の国では非難攻撃され、日本では翻訳出版が許されなかったものである。