『ef - a tale of memories.』----また双子の姉妹の話ですか

 動かない絵をエッジの切れ具合で見せる、いかにもシャフト/大沼心なアニメだった。
 携帯の留守メールのテキスト表記演出とか、テレホンカードの度数表示と電話ボックスの止め絵で延々と話をつなげるシーンとか、もう手法そのものが昭和30年代の手塚漫画の一部技法と同じく伝説となってもおかしくないすごいワザを使いまくりで、そういうのが毎回ワンシーンはある。
 道を歩いている猫の動きですら時にはウザい京都アニメーションとは全然別のアニメ表現技法を感じられて面白かった(どちらがいいとか悪いとかではありません)。
 話の内容は、直情まっすぐなヒロインが、幼馴染の漫画家の高校生を肉食女子高生に食われてふられて(一応かわりの別の男性は存在として出てくる)、その一方では死よりも恐ろしい不治の病をかかえている双子の妹が、小説書いて、エロゲの男性キャラにありがちな、人のことをかまうのが大好きな男性と結ばれる。エロシーン(ちっちゃいものですけど)がちゃんと入っているのには驚いた。地上波放送したんだよなこれ。
 メインの2つの恋愛物語の登場人物をつなげるものが、双子の姉妹のメール以外存在しないので、これはこの話の中で書かれていることになっている創作物(小説・漫画)の物語=メタ・フィクションで、姉妹は脳内姉妹なのかと思ってしまったよ。実際はそんなにややこしくないけれど、サブ・キャラとか男女の導師様キャラが謎すぎて、続きの話を見ないとちゃんとわかりそうにない。いつ見られるんだろうなぁ。
 わかりやすく言うと眼帯少女萌え、ということで。
 ハッピーエンドに至る前の鬱展開も、いろいろな意味で参考になった。
 しかしエロゲアニメは面白いですな。実際にエロゲをやる時間はなかなか持てそうにありませんが。
 多分そのうちつまらないのにも出会うとは思うけれども、とりあえず評判のよさげなのから見ていくことにしよう。