『『忠臣蔵』にヒーローはいなかった!−史実で読み解く普通の中年の底力−』ほか

今週の読みたい本・おすすめ版。
この週から1週間に14冊紹介(当分)。
 

★『『忠臣蔵』にヒーローはいなかった!−史実で読み解く普通の中年の底力−』(菊地明/講談社/880円) 【→amazon
数々の新説で明かされる「仇討ちの動機」。吉良邸討ち入り決行までの四十七士「指示なき自立集団」の全貌。
 
天皇と特攻隊

天皇と特攻隊

★『天皇と特攻隊』(太田尚樹/講談社/1680円)【→amazon
天皇は特攻をどう受け止め、指揮官は天皇をどう意識し、特攻隊員は天皇をどう昇華させていったのか!?特攻とは何であったか―いまあらためて、登場人物たちの“本音と建て前”に基づいて徹底検証、歴史の空白を埋める。
 
東京発掘物語

東京発掘物語

★『東京発掘物語−遺跡発掘レポート』(里山春樹/講談社/1575円)【→amazon
東京の地中には何が埋まっているのか。遺跡発掘の現場作業員が『下から目線』で綴った、世界一やさしい遺跡発掘レポート。穴の掘り方から作業着まで事細かく、発掘作業の基本をイラストで図解。
 
トーキョーの謎は今日も深まる

トーキョーの謎は今日も深まる

★『トーキョーの謎は今日も深まる』(マイケル・プロンコ/メディアファクトリー/1260円)【→amazon
明治大学アメリカ文学・文化を教えるアメリカ人教授・プロンコ氏が、トーキョーを観察するNewsweek 日本版の連載をまとめたエッセイ集第2弾。健康ドリンク、駅ナカ、検定、母娘デートなど…日本独自の不思議なモノや習慣を、独特のユーモアを交えて書いている。NTV系『世界一受けたい授業!』にも出演し、ベスト100ティーチャーにも選出。番組では、日本独特のおかしなもの、不思議なものを紹介して人気を博した。
 
日本開国 (アメリカがペリー艦隊を派遣した本当の理由)

日本開国 (アメリカがペリー艦隊を派遣した本当の理由)

★『日本開国−アメリカがペリー艦隊を派遣した本当の理由』(渡辺惣樹/草思社/1800円)【→amazon
通商は二の次だった対日姿勢の背後には、有望な貿易相手にして安い労働力の供給源だった中国との距離を縮める「太平洋ハイウェイ構想」があった。米側関係者の史料を本格的に取り上げ、開国の狙いを浮彫りにした斬新な歴史読み物。
 
ハプスブルク三都物語 - ウィーン、プラハ、ブダペスト (中公新書)

ハプスブルク三都物語 - ウィーン、プラハ、ブダペスト (中公新書)

★『ハプスブルク三都物語−ウィーン、プラハブダペスト』(河野純一/中央公論新社/819円)【→amazon
ハプスブルク帝国は美しい都を残した。ウィーン、ブダペストドナウ川と、プラハモルダウ川と、町はそれぞれの物語を紡いできた。本書では、教会、宮殿、二十世紀の名建築を訪ね、モーツァルトシュトラウスたち音楽家の足跡を辿っていく。そこには、すぐれた審美眼で芸術を庇護し続けた名門王家の歴史と、帝国の栄華を体現する華麗なる文化が今も息づいている。路地裏やカフェを含め、都の今を伝えるカラー口絵収載。
 
評伝 河口慧海 (中公文庫)

評伝 河口慧海 (中公文庫)

★『評伝河口慧海』(奥山直司/中央公論新社/1500円) 【→amazon
大蔵経を求め、日本人として初めて禁断の国チベット密入国。後にその一部始終を語った『西蔵旅行記』で広く知られる河口慧海。あまりに有名なその冒険的生涯とは対照的に、一般的にはほとんど知られていない仏教者としての側面に光を当て、明治から昭和を生きた一人の骨太な知識人の波瀾の生涯を活写。
 ★『マリー・ルイーゼ−ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ 上』(塚本哲也/文藝春秋/750円) 【→amazon
マリー・アントワネットを大叔母に持つルイーゼは、後継ぎを生めないジョゼフィーヌと離婚したナポレオンのもとに、ハプスブルク家から政略結婚のために嫁ぐことになった。ナポレオンを憎んだ彼女だったが、共に暮らし、やがて愛しく思うようになったものの、ワーテルローでの敗戦が二人を永遠の別れに導くことになる…。
 ★『マリー・ルイーゼ−ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ 下』(塚本哲也/文藝春秋/790円) 【→amazon
パルマ公国の女王となったルイーゼは、国民の生活向上を願い、別離を余儀なくされた息子のローマ王の成長を温かく見守りつつも、愛人との逢瀬、極秘出産など葛藤にも苦しむ日々を過ごす。そして、息子の早すぎる死、父・フランツ皇帝の逝去に悲しむ暇もなく、燃えるイタリア・ナショナリズムに翻弄されていく。
 
ライシャワーの昭和史

ライシャワーの昭和史

★『ライシャワーの昭和史』(ジョージ・R・パッカード/講談社/2730円)【→amazon
宣教師の息子として日本に生まれ育ち、大戦中は米陸軍将校として暗号解読・翻訳者の養成に従事。戦後の、天皇制の下での占領政策に影響を与え、民主国家・日本を演出。駐日大使として沖縄返還、日韓・日中関係の改善にも尽力した学者の数奇な生涯を追う。

 

インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸 684日

インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸 684日

★『インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日 』(中村安希/集英社/1575円)【→amazon
26歳の私は、ユーラシア・アフリカ大陸へ2年間の旅に出る。「その地域に生きる人たちの小さな声に耳を傾けること」を主題に、そして、その“小さな声”を手がかりに、生き延びる手段を模索し、世界を見つめ直していく。中国からチベットへ抜け、高僧に謁見。インドを放浪し、危険地帯といわれているパキスタンに入国。イスラム圏では、旅を続けるために戒律に従い、2度の結婚と2度の離婚を経験する。アラビア半島からアフリカ大陸へ渡り、オンボロ列車、船、バス、トラック……が壊れて、荒野へ放り出された私は、地元の乗客たちと同じ時を過ごすうちに、世界の奇妙な一面を捉え始める。ウガンダで孤児たちと生活を共にし、タンザニアで宝石堀りをし、ザンビアで密輸に加わり、ジンバブエで強盗事件に巻き込まれ …。私は、旅を続ける中で、人間社会の深い闇と確かな希望を発見していく。
 
「かわいい」の帝国

「かわいい」の帝国

★『「かわいい」の帝国 』(古賀令子/青土社/1995円)【→amazon
いまや日本が世界に誇る「かわいい」カルチャーをモードからひもとき、世界中を席巻するその魅力の正体にせまる。
 
ヴィジュアル版 世界幻想動物百科

ヴィジュアル版 世界幻想動物百科

★『世界幻想動物百科 ヴィジュアル版 』(トニー・アラン/原書房/3360円) 【→amazon
ファンタジー世界に棲む生きものたちを想像力あふれるフルカラーイラストとともに紹介する幻獣図鑑。
 
タバコ狩り (平凡社新書)

タバコ狩り (平凡社新書)

★『タバコ狩り』(室井尚/平凡社/714円) 【→amazon
なぜここまでタバコは憎まれるのか。ありとあらゆるところが全面禁煙になりつつある。自明のことのように進むこの動きの背後には、“科学”をたてにしたWHOの強引な世論誘導がある。はたして、その“科学”は本当に正しいのか。二〇一〇年二月、タバコが日本から消える?「テロとの戦い」とも見紛うタバコ排除の力学を暴く。
 
なぜ若者は保守化するのか-反転する現実と願望

なぜ若者は保守化するのか-反転する現実と願望

★『なぜ若者は保守化するのか 反転する現実と願望』(山田昌弘/東洋経済新報社/1575円) 【→amazon
大人は、若者こそが、新しい時代を先取りした革新的な意識を持っていると考えがちである。しかし、最近の様々な調査結果から、若者の多くはリスクを嫌い、何よりも安定を望んでいることが明らかになってきた。なぜ若者は安定志向に走るのか。「草食系」と呼ばれる若者を急増させた社会的要因とは何か。「格差社会」「婚活」といった流行語を世に出した社会学者が分析・検証する若者の「失われた20年」