『おかしな生きもの ミニ・モンスター 世にも奇怪な珍蟲・珍獣図鑑』ほか

今週の読みたい本・おすすめ版。
1週間に14冊紹介(当分)。
 

おかしな生きもの ミニ・モンスター 世にも奇怪な珍蟲・珍獣図鑑

おかしな生きもの ミニ・モンスター 世にも奇怪な珍蟲・珍獣図鑑

★『おかしな生きもの ミニ・モンスター 世にも奇怪な珍蟲・珍獣図鑑』(ポーラ・ハモンド/二見書房/1890円)【→amazon
実在する奇っ怪な生き物たち168匹!気色悪くも愛らしいミニ怪獣ばかりを集めた「可笑しな動物園」。
 
豪商たちの時代―徳川三百年は「あきんど」が創った

豪商たちの時代―徳川三百年は「あきんど」が創った

★『豪商たちの時代―徳川三百年は「あきんど」が創った』(脇本祐一/日本経済新聞社/1680円)【→amazon
豪商たちの足跡を全国にたどり、江戸期の経済システムの成り立ちと変遷を知られざるエピソードを交えて描く。世界初の先物市場「堂島米市場」の仕組み、大石内蔵助と藩札の意外な関係など、歴史ファンを唸らせる秘話も満載。
 
重力の再発見―アインシュタインの相対論を超えて

重力の再発見―アインシュタインの相対論を超えて

★『重力の再発見―アインシュタインの相対論を超えて』(ジョン・W.モファット/早川書房/2520円)【→amazon
アインシュタインの一般相対論は、われわれの宇宙観を一新させた。これまで何度も検証されてきたこの理論だが、銀河や銀河団の力学へと適用範囲が広がるうちに矛盾を示す観測結果が得られるようになった。つじつまをあわせるダークマターダークエネルギーの存在が仮定されたものの、多くの努力にもかかわらず、その正体はいまだ明かされていない。ダークマターはなぜ見つからないのか、じつはアインシュタインは間違っており、修正された新たな重力理論が必要なのでは…。重力理論研究の権威が、パラダイムシフトの瀬戸際に立つ最新宇宙論を語る。
 
進化の存在証明

進化の存在証明

★『進化の存在証明』(リチャード・ドーキンス/早川書房/2940円)【→amazon
進化論は「論」とつくからには、単なる理論なのだろうか。いまだに国民の半数近くが進化論に不信を抱いている国もあるというではないか…それは違う、と本書の著者ドーキンスは言う。名作『盲目の時計職人』で進化論への異論をことごとく論破したドーキンスは、本書では珍しい生物の戦略や素晴らしい実験の解説などを随所に配したうえで、著者一流の周到な論理展開により、進化論ではなく、進化そのものが理論の産物ではなく事実だということの証明を試みる!―緻密な論理で説得しつつ、想像を超えて精緻な生物の仕組みに読者の想像力を広げる…ダーウィン生誕200周年、『種の起源』刊行150年を記念するダーウィンイヤーに重ね、ドーキンスが満を持して放つ、唯一無二の進化の概説書。
 
地球温暖化戦争

地球温暖化戦争

★『地球温暖化戦争』(グウィン・ダイヤー/新潮社/2100円)【→amazon
気温が2.6度上昇すると核戦争が起こる!米国・カナダの政策決定者と太いパイプを持つ軍事アナリスト、ジャーナリストが明かす驚愕の危機シナリオ。
 
新潮選書 強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論

新潮選書 強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論

★『強い者は生き残れない−環境から考える新しい進化論』(吉村仁/新潮社/1260円)【→amazon
約40億年という生物史を振り返ると、生き残っているのは「強い者」ではなかった。ダーウィンの進化論にはなかった、「環境は変動し続けるもの」という斬新な切り口から、「協力行動」という生命の生き残り戦略に注目する。終章では自由市場主義の瑕疵まで論及。ダーウィン進化論にはじまり、総合学説に発展した現代進化論に、いま「環境変動説」が加わる。
 
解ける問題 解けない問題

解ける問題 解けない問題

★『解ける問題解けない問題』(野崎昭弘/講談社/1500円)【→amazon
コンピュータは人間の知性を超えられるか?ある難問を解くためには、その問題を解く手順(アルゴリズム)が存在しなければ解決できない。ヒルベルトチューリングゲーデルを巻き込んだ不完全性への挑戦。
 ★『ウイスキーの科学−知るほどに飲みたくなる「熟成」の神秘』(古賀邦正/講談社/925円)【→amazon
ウイスキーはじつに不思議な酒だ。全工程のうち、人が関われる時間はわずか1%ほど。残りの99%は、「熟成」がもたらす劇的な変化をただひたすら「待つ」時間なのだ。その間に樽の中では何が起きているのか?科学がいまだ解き明かせない謎に、「新説」をまじえて迫る。
 
巨大建築という欲望―権力者と建築家の20世紀

巨大建築という欲望―権力者と建築家の20世紀

★『巨大建築という欲望−権力者と建築家の20世紀』(ディヤン・スジック/紀伊国屋書店/3990円)【→amazon
建築にとりつかれてゆく権力者たち、自らを売り込もうとする建築家たち―建築と権力をめぐる人間模様、知られざるもうひとつの歴史。
 
くいいじ 上巻

くいいじ 上巻

★『くいいじ 上巻』(安野モヨコ/文藝春秋/1260円)【→amazon
どうにも止まらない自らの「喰い意地」を描いた、安野モヨコ初の食べ物エッセイ集。
 
くいいじ 下巻

くいいじ 下巻

★『くいいじ 下巻』(安野モヨコ/文藝春秋/1260円)【→amazon
「グルメ」でも「食通」でもない、「喰いしん坊」の食生活を綴ったエッセイ集。
 
帝国ホテルの料理の流儀

帝国ホテルの料理の流儀

★『帝国ホテルの料理の流儀』(田中健一郎/青春出版社/1890円)【→amazon
「日本のフランス料理の殿堂」とも言える帝国ホテルの料理とは、どのようなものなのか、そして、どのように生み出されるのか──。伝統ある帝国ホテルの総料理長として、守るべき流儀と作りだす流儀。そして、ひとりの料理人としての田中健一郎の「料理の流儀」に迫ります。
 
犬の帝国―幕末ニッポンから現代まで

犬の帝国―幕末ニッポンから現代まで

★『犬の帝国 幕末ニッポンから現代まで』(アーロン・スキャブランド/岩波書店/3360円)【→amazon
現代日本人にとって,今や欠かせない伴侶となった犬.しかしほんの一五〇年ほど前,「野蛮な」日本犬と「文化的な」洋犬は,日本と西欧の文化的軋轢の象徴でもあり,「文明開化」の掛け声とともに在来の犬は受難の時代をくぐってきた.ところが昭和に入ると一転して「日本の犬」こそが帝国のシンボルにふさわしいと「忠犬」ハチ公がもてはやされ,挙国一致の戦争に多数の軍犬たちが動員され,死んでいった.そして,現代.ペット大国日本の犬たちは,主人たちとともに大量消費の時代を迎え,生活習慣病に悩むものまで現れている.犬という鏡に映し出された近現代日本の姿を,気鋭の米国人歴史家が鮮やかに切り取る.
 
ピアニストになると思わなかった。

ピアニストになると思わなかった。

★『ピアニストになると思わなかった。』(天平/ポプラ社/1365円)【→amazon
「この生活、変えなかったら一生、このままや」喧嘩、ロック、肉体労働の日々から、17歳で音楽の道へ。独自の世界観と驚異的なテクニックで注目を集める、若手コンポーザーピアニスト、天平の初エッセイ。
 
フリードリヒへの旅 (角川叢書)

フリードリヒへの旅 (角川叢書)

★『フリードリヒへの旅』(小笠原洋子/角川学芸出版/2625円)【→amazon
風景を素材とした内省的で静謐な崇高の美を謳う、ドイツ・ロマン主義の画家フリードリヒの絵画。独特の宗教観と世界観が表出されるこれらの作品群を文字どおり訪ね歩き、画家の足跡を追いつつ、モチーフとなった現場に立ち、鑑賞者としての感動と重なり合う共感をもとにその崇高の美に寄り添い、みずからの感性をよりどころとして、その高い芸術性を言葉を尽くして描き出す。一九世紀前半の激動の時代を生きたフリードリヒの絵画にひたすら向き合うことで、画家の生涯と絵画の深い精神性に迫る、渾身の美術評論。