『青山栄次郎伝−EUの礎を築いた男』ほか

今週の読みたい本・おすすめ版。
1週間に14冊紹介(当分)。
 

青山栄次郎伝  EUの礎を築いた男

青山栄次郎伝 EUの礎を築いた男

★『青山栄次郎伝−EUの礎を築いた男』(林信吾/角川書店/1785円)【→amazon
欧州貴族と日本人の間に生まれ、三大女優の一人を娶り、欧州統合を唱え一世を風靡するも、ヒトラーに追われた快男児、その名もリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーこと青山栄次郎。
 
いつだってボナペティ!-料理家ジュリア・チャイルド自伝

いつだってボナペティ!-料理家ジュリア・チャイルド自伝

★『いつだってボナペティ!−料理家ジュリア・チャイルド自伝』(ジュリア・チャイルド&アレックス・プルドーム/中央公論新社/2415円)【→amazon
食べた、作った、夢中になった―三十代半ばでフランスに転居、初めてのフランス料理に魅せられた好奇心いっぱいの主婦が、ル・コルドン・ブルーに学び、五十歳を目前に料理書を出版、テレビの料理番組出演を通じ世代を超えて愛される国民的存在になるまで。思いがけない天職にめぐり会い、おおらかな心と並はずれた情熱で、夢を追いかけた奮闘の日々。
 
大江戸怪奇事件ファイル

大江戸怪奇事件ファイル

★『大江戸怪奇事件ファイル』(並木伸一郎/経済界/1260円)【→amazon
日本屈指の超常現象研究家が贈る、江戸時代に全国で起こった超常現象、怪奇事件を選りすぐって読者に紹介する江戸ファンと不思議ファン待望の一冊。
 
”最強の経済ヤクザ”と呼ばれた男 稲川会二代目 石井隆匡の生涯

”最強の経済ヤクザ”と呼ばれた男 稲川会二代目 石井隆匡の生涯

★『最強の経済ヤクザと呼ばれた男−稲川会二代目石井隆匡の生涯』(山平重樹/コアマガジン/1600円)【→amazon
政財界に根深く食い込み、“最強の経済ヤクザ”と畏れられた男―稲川会二代目会長・石井隆匡。「東急電鉄株買い占め事件」「皇民党事件」そして竹下登との交流…世間を震憾された事件の張本人から明される衝撃の真実。昭和の裏社会を牛耳り、一切を語らず、沈黙のうちに消えていった伝説の経済ヤクザの生き様に迫る。
 ★『ジョージ四世の夢のあと−ヴィクトリア朝を準備した「芸術の庇護者」』(君塚直隆/中央公論新社/2415円)【→amazon
一九世紀前半、イギリスで摂政時代と呼ばれる時期があった。病で執務不能になった国王ジョージ三世に代わって、皇太子(のちのジョージ四世)が摂政だったためである。彼は、ナポレオン戦争後の国力疲弊の折でも、莫大な費用を惜しまずロンドン市街を改造、バッキンガム宮殿を現在の規模に造営し直し、大英博物館やナショナル・ギャラリーなどを整備した。そして、自ら選び抜いた美術品でそれらを飾っていった。ヴィクトリア朝でイギリスが真に世界の覇者となった背景には、この時代の基礎固めがある。放蕩三昧で評価の低い国王の事績を積極的に見直し、「ダンディの時代」の魅力を伝える一冊。
 
1492 西欧文明の世界支配 (ちくま学芸文庫)

1492 西欧文明の世界支配 (ちくま学芸文庫)

★『1492西欧文明の世界支配』(ジャック・アタリ/筑摩書房/1575円)【→amazon
1492年にコロンブスが間違って「インド」を発見して以降、それまで栄えていた中国・イスラム世界・アフリカ・アメリカ大陸の独自の文明は、すべてが抹殺されることになった。これを境に世界は、西洋近代化への道を突き進んでいく。本書は当時のヨーロッパ世界を形作っていた要素を説明しながら、1492年の出来事を詳細に記す。またその後、近代知識人の誕生、市民階級の形成、ナショナリズムの芽生えの歴史を追い、21世紀以後の来るべき未来について提言する。世界事情に精通し近未来を大胆に予測する著者の根差す歴史が、ここにある。
 
漱石を愛したフェミニスト―駒尺喜美という人

漱石を愛したフェミニスト―駒尺喜美という人

★『漱石を愛したフェミニスト駒尺喜美という人』(田中喜美子/思想の科学社/1890円)【→amazon
駒尺喜美漱石と同じように、「いかに生くべきか」の問題を、みずからを大所高所において論じるのではなく、自分の生きる場にひき据え、周囲の人々との関わりのなかに見つめ、つかみとろうとした。遊びにおいても、学問においても、暮らしにおいても、常に自分の感覚を信じ、自分の頭で考え、自分の理想を追求し、自分の愛を貫くことに全力投球する人であった。大阪船場に生れ、少女時代は秋月恵美子に夢中になり、大谷高等女学校卒業後、京都人文学園、法政大学に学ぶ。「芥川龍之介論」「漱石論」「五木寛之論」『魔女の論理』などを著し、血縁にたよらない「友だち村」をつくる。
 
ヴィジュアル版 世界幻想動物百科

ヴィジュアル版 世界幻想動物百科

★『世界幻想動物百科 ヴィジュアル版』(トニー・アラン/原書房/3360円)【→amazon
ファンタジー世界に棲む生き物たちを想像力あふれるフルカラーイラストとともに紹介する幻獣図鑑!ペガソス、鳳凰、グールとゾンビ、ユニコーン、ノーム、ドワーフ、ドラゴンと竜、人魚、河童…。
 ★『ドラゴン 神話の森の小さな歴史の物語』(ジョイスハーグリーヴス/創元社/1260円)【→amazon
空想の森の住人ドラゴンは、世界中の文化のあらゆる時代に姿を現し、怖れられ、ときには崇められる存在であり、水がもたらす豊穣と災厄、ときには火山の噴火を象徴した怪物だった。本書ではヨーロッパにおけるドラゴンの祖先を探求しつつ、恐ろしい姿をした現在のドラゴンの起源を考察し、紋章・錬金術・星座など西洋文化に与えた影響を見る。さらに古代エジプト、インド、中米、オーストラリア、中国、日本など世界のドラゴンを探す旅にも出かける。
 
反冤罪

反冤罪

★『反冤罪』(鎌田慧/創森社/1680円)【→amazon
嘘の自白を強要され、無実なのに罰せられる。―恐るべき訊問のメカニズム。孤立と深い絶望感。後を絶たない冤罪・人権侵害の闇を被害者の証言を基にあぶりだす。
 
南アジア 世界暴力の発信源 (光文社新書)

南アジア 世界暴力の発信源 (光文社新書)

★『南アジア 世界暴力の発信源』(宮田律/光文社/777円)【→amazon
アフガニスタンパキスタン、インドを中心とした南アジア地域が抱える不安定の背景には何があるのか----。歴史や周辺諸国の思惑を辿りながら読む、国際情勢の行方。
マネーの進化史

マネーの進化史

★『マネーの進化史』(ニーアル・ファーガソン/早川書房/2835円)【→amazon
信用(クレジット)の創造、バブル、保険、サブプライム…さまざまな「カネ」が世界を動かしてきた(そしてときに停滞させた)経緯を、ハーヴァード気鋭の経済史家がドラマチックに描くNYタイムズ・ベストセラー。
 
アクシオン・フランセーズ―フランスの右翼同盟の足跡 (文庫クセジュ)

アクシオン・フランセーズ―フランスの右翼同盟の足跡 (文庫クセジュ)

★『アクシオン・フランセーズ−フランスの右翼同盟の足跡』(ジャック・プレヴォタ/白水社/1103円)【→amazon
「フランスの行動」を意味する右翼団体アクシオン・フランセーズは、一九〇五年に誕生した。国家再生のために王政復活とカトリックの堅持を主張し、二十世紀フランス政治思想に刻印を残す。その盛衰をたどるとともに、ヴァチカンとの関係や、第二次大戦後の右翼思潮への影響についても解説する。
 
新書500北朝鮮を見る、聞く、歩く (平凡社新書)

新書500北朝鮮を見る、聞く、歩く (平凡社新書)

★『北朝鮮を見る、聞く、歩く』(吉田康彦/平凡社/840円)【→amazon
日本ではほとんど知られていない北朝鮮の文化・芸術・市民生活。われわれの“隣人たち”は、何を見て、何を聞き、どのような生活をしているのだろうか。北朝鮮の現代史、政治・経済情勢を織り込みながら解説する。確かな相互理解のために―「金正日体制」を「文化」から読み解く。