『ウラニウム戦争−核開発を競った科学者たち』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日3冊紹介(当分)。
 

ウラニウム戦争 核開発を競った科学者たち

ウラニウム戦争 核開発を競った科学者たち

★『ウラニウム戦争−核開発を競った科学者たち』(アミール・D.アクゼル/青土社/2520円)【→amazon
ウラン新発見は、神からの贈り物なのか、それとも悪魔の邪悪な誘惑なのか―。第二次世界大戦終結を目指し、壮大な情熱と戦略とで最先端知性が総動員されたウラン研究。その成果の応用をめぐり、政治権力者と激しく交錯する、アインシュタインハイゼンベルク、ボーア、オッペンハイマーらの科学者たち。新たな歴史が作られる瞬間の、緊迫のドキュメント。
 
傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

★『傷はぜったい消毒するな−生態系としての皮膚の科学』(夏井睦/光文社/882円)【→amazon
ケガをしたら、消毒して乾かす、が世間の常識。しかし著者によれば、消毒は「傷口に熱傷をかけるような行為」だという。傷は消毒せず、乾燥させなければ、痛まず、早く、しかもきれいに治るのである。著者は、今注目の「湿潤治療」を確立した形成外科医である。その治癒効果に驚いた医師らにより、湿潤治療は各地で広まっている。しかし肝心の大学病院などでは相変わらず、傷やヤケドを悪化させ、治りを遅らせ、患者に痛みと後遺症を強いる旧来の治療が行われている。なぜ、医学において生物学や科学の新しい成果は取り入れられないのか。本書では医学界の問題点も鋭く検証。さらに、生物進化の過程をたどりつつ見直した、皮膚という臓器の持つ驚くべき能力について、意欲的な仮説を展開しながら解説する。
 
マグネシウム文明論 (PHP新書)

マグネシウム文明論 (PHP新書)

★『マグネシウム文明論−石油に代わる新エネルギー資源』(矢部孝・山路達也/PHP研究所/756円)【→amazon
石油の次のエネルギー資源は何か?太陽電池で日本のエネルギーを賄おうとすると、国土の六割を覆う必要がある。水素社会なら地下が水素貯蔵タンクだらけ。リチウムイオン電池を載せた電気自動車が普及すると、リチウム資源が不足する。さらに、今の造水法で世界的な水不足に対応するには、世界の電力を五割増やさねばならない。この状況を突破する解こそ「マグネシウム循環社会」である。『タイム』誌で二〇〇九年Heroes of the Environmentに選ばれた、二酸化炭素二五%削減も実現する新技術を公開する。