『第三帝国のオーケストラ−ベルリン・フィルとナチスの影』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日3冊紹介(当分)。
 

第三帝国のオーケストラ―ベルリン・フィルとナチスの影

第三帝国のオーケストラ―ベルリン・フィルとナチスの影

★『第三帝国のオーケストラ−ベルリン・フィルナチスの影』(ミーシャ・アスター/早川書房/2940円)【→amazon
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が世界でもっとも有名なオーケストラの一つであることに、疑問はない。だが、ヒトラーがドイツ首相となった1933年、このオーケストラは経営的に厳しい状況に追い込まれていた。そのとき、指揮者フルトヴェングラーが援助を求めたのは、宣伝大臣ゲッベルスだった。こうしてベルリン・フィルは、「帝国オーケストラ」としてナチス・ドイツプロパガンダの道具になっていく。ナチ党への協力と対立、ユダヤ人団員問題、「帝国オーケストラ」としての演奏旅行。そして、音楽の理想と戦争の影の葛藤のなかでむかえたドイツ敗戦…。フルトヴェングラーカラヤンの時代が過ぎ去ったいま、さまざまな原資料からナチス時代のベルリン・フィルを再現した傑作ノンフィクション。
 
茶の湯の歴史 (角川選書)

茶の湯の歴史 (角川選書)

★『茶の湯の歴史』(神津朝夫/角川学芸出版/1680円)【→amazon
日本文化の真髄とされる茶の湯。従来の茶道史は、伝承にもとづいてその成立を論じ、茶の湯の美学・思想を文化史的に跡づけようとしてきた。これに対して本書は、点前・作法の視点から、闘茶、一服一銭の茶屋、草庵の茶、侘数寄の茶、家元制の一子相伝など、「わび茶」の成立と発展の歴史を解明、はじめて茶の湯の具体的な変遷を明らかにした。わび茶の歴史を全面的に塗り替える、まったく新しい茶道史の誕生。
 
ベートーヴェンの生涯 (平凡社新書)

ベートーヴェンの生涯 (平凡社新書)

★『ベートーヴェンの生涯』(青木やよひ/平凡社/966円)【→amazon
手紙、日記、会話帳、友人たちの証言など、最新の資料を駆使して、徹底的な自由人ベートーヴェンの姿を、臨場感豊かに描き出す。バッハ、ヘンデルモーツァルトの音楽とどのように出会い、カントの哲学やインド思想をいかに自らのものとしたのか。従来の諸説を大幅に書き換え、まったく新しいベートーヴェン像を提出する。