『核時計零時1分前 キューバ危機13日間のカウントダウン』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日3冊紹介(当分)。
 

核時計零時1分前―キューバ危機13日間のカウントダウン

核時計零時1分前―キューバ危機13日間のカウントダウン

★『核時計零時1分前 キューバ危機13日間のカウントダウン』(マイケル・ドブズ/日本放送出版協会/3255円)【→amazon
1962年10月16日。ケネディ大統領のもとに、とんでもないニュースがもたらされた。カストロ政権下キューバの領土内に、ソ連軍によるミサイル発射基地が建設中、アメリカ本土を射程とした核ミサイルが配備されているというのだ!息詰まるような緊張のなか、事態は二転三転し、思いもよらない危険な事件が次々と起きてしまう…。人類は、核戦争を回避することができるのだろうか?10月27日の「暗黒の土曜日」をクライマックスとする緊迫の13日間が、さまざまに視点をかえ、分刻みで再現される。冷戦終結後20年をへて、新たに発見された原資料や米ソ両国の当事者へのインタビューをもとに、気鋭のジャーナリストが描きだすノンストップ・ドキュメンタリー。
 
戦争の家―ペンタゴン〈上巻〉

戦争の家―ペンタゴン〈上巻〉

★『戦争の家 ペンタゴン 上巻』(ジェームズ・キャロル/緑風出版/3570円)【→amazon
2001年9月11日、アメリカン航空77便が米国防総省に突っ込んだ。1941年のその同じ日、ペンタゴン=「戦争の家」の起工式が執り行われた。このアメリカの戦争マシーンが、第二次世界大戦、原爆投下、核の支配、冷戦を通じて、いかにして合衆国の主権と権力を簒奪し、軍事的な好戦性を獲得し、世界の悲劇の「爆心」になっていったのか?本書は「戦争の家」と「核」、そしてアメリカの上になおも荒れ狂う「戦争」に関する物語である。そして、その力に歯止めをかけようとして挫折した多くの人びとの証言の記録である。
 
戦争の家―ペンタゴン〈下巻〉

戦争の家―ペンタゴン〈下巻〉

★『戦争の家 ペンタゴン 下巻』(ジェームズ・キャロル/緑風出版/3675円)【→amazon
「戦争の家」=ペンタゴン(国防総省)は、東西冷戦の頂点「ベルリンの壁」「キューバ危機」の勃発で、核攻撃を大統領に迫り、世界は破局の瀬戸際に立つ。今やモンスターと化した「アメリカ帝国」の司令部、ペンタゴンは、大統領さえ翻弄する…。本書(下巻)では、ケネディ時代の「ベルリン」「キューバ」危機以降、ベトナム戦争を経て、ブッシュのイラク戦争に至る、米国及び世界の戦争と破局の危機の現代史を追い、「戦争の家」の知られざる歴史の内幕と世界支配を狙う「アメリカ帝国」化の道を照らし出す一方、核戦争の危機を回避し、平和の扉を開こうとする人びとの闘いの歴史を浮き彫りにする。
 
平気で冤罪をつくる人たち (PHP新書)

平気で冤罪をつくる人たち (PHP新書)

★『平気で冤罪をつくる人たち−誤判は必然的に生まれる』(井上薫/PHP研究所/735円)【→amazon
菅家利和さんの無実が確実になった足利事件。男性にとって決して他人事ではない痴漢冤罪。これらの悲劇はなぜ起こるのか。「起訴された刑事事件の有罪率―九九%」という驚くべき数字は、本当に妥当なものなのだろうか。実は日本の裁判官には、誤判を必然的に生んでしまうある心理傾向が存在する、と著者は指摘する。元裁判官だからこそ告発しうる冤罪の根源から、日本の司法の「建前」と「現実」の甚だしい乖離が見えてくる。