『歴代名画記−〈気〉の芸術論』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
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『歴代名画記』――〈気〉の芸術論 (書物誕生 あたらしい古典入門)

『歴代名画記』――〈気〉の芸術論 (書物誕生 あたらしい古典入門)

★『歴代名画記−〈気〉の芸術論』(宇佐美文理/岩波書店/2205円)【→amazon
『歴代名画記』、知る人ぞ知るこの書物は、晩唐の士人、張彦遠の代表作。「画史」の嚆矢となる絵画百科全書として、中国の絵画論・芸術論に大きな影響を与え、日本にも受容された。絵の作者の人物評価と作品評価の関係、儒教老荘に共通する「気」の思想と用筆論など、隠れた名著の魅力を関連図版とともに紹介し、読み解く。
 
「偉大なる将軍様」のつくり方

「偉大なる将軍様」のつくり方

★『「偉大なる将軍様」のつくり方 写真で読み解く金正日のメディア戦略と権力の行方』(辺映〓/草思社/1680円)【→amazon
誰よりも大きく写し、画面中央に置く専属カメラマンたちの涙ぐましい努力!韓国の若手記者が「1号写真(金父子の写真)」のイメージ操作を解析。人民統治の巧みな手法を明らかにした画期的な調査研究。
 
「眼力」をつける読書術

「眼力」をつける読書術

★『「眼力」をつける読書術』(吉岡友治/東洋経済新報社/1575円)【→amazon
速読なんぞ笑止千万。腰を据えて、しっかり読め!情報分析力や判断力を高め、ビジネスの基本をがっちり固める「読む技術」、ここに見参。
 
検閲と文学--1920年代の攻防 (河出ブックス)

検閲と文学--1920年代の攻防 (河出ブックス)

★『検閲と文学 1920年代の攻防』(紅野謙介/河出書房新社/1260円)【→amazon
関東大震災治安維持法普通選挙、拡張するマスメディアと出版界…大正から昭和へと時代が移り変わる激動のさなか、検閲の嵐が文学を直撃する。そして謎に満ちた一九二六、二七年の筆禍―。当時の総合雑誌ではもっとも頻繁に検閲処分を受けた『改造』を中心に、円本(文学全集)誕生の経緯も交えながら、文学者、編集者、出版社が織り成す苦闘のドラマを活写する。
 ★『韓国近現代史 1905年から現代まで』(池明観/明石書店/3675円)【→amazon
日本による植民地支配から解放へ、南北分断による戦争と軍部独裁から民主化の時代へ、そして高度資本主義の発達と大衆消費社会の出現…。激動する近現代の韓国の歴史をどのように理解すれば良いのか。TK生として民主化運動を支えた著者が描く韓国民衆の歩み。