『誇り高き老女たちの食卓』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

誇り高き老女たちの食卓

誇り高き老女たちの食卓

★『誇り高き老女たちの食卓』(本間千枝子/NTT出版/1890円)【→amazon
「珍しくて、おいしいものは七十七日生き延びる、と昔の人は言ったものだよ」―人生の歳月を重ねてこそ、ほんとうに欲しいものを「ぽっちりと」いただくことの幸せを描いた表題作を含め、食をめぐる出会いと思い出に満ちた、味覚の豊穣な時間の物語。
 
『雪国』の汽車は蒸気機関車だったか?―鉄道・文学・戦前の東京 (現代叢書)

『雪国』の汽車は蒸気機関車だったか?―鉄道・文学・戦前の東京 (現代叢書)

★『『雪国』の汽車は蒸気機関車だったか? 鉄道・文学・戦前の東京』(酒井明司/東洋書店/1365円)【→amazon
名作文学に登場する鉄道描写を切り口に、東京とその近郊の鉄道路線の形成過程をたどる。関東大震災(一九二三年)を境に急激な発展をとげた大都市「東京」とその周辺。その重要なインフラとなった鉄道路線はどのように作られてきたのか。「歴史派・鉄ちゃん」が贈る読み応えある一冊。
 
永遠の故郷――真昼

永遠の故郷――真昼

★『永遠の故郷−真昼』(吉田秀和/集英社/1680円)【→amazon
「夜」の闇を抜けて「薄明」へと転調した著者の歩みは、本書「真昼」で、永遠の故郷の真髄へと未踏の領域に入る。戦後間もない頃のある女性との思い出はマルティーニの「愛の喜び」。北の地での少年時代に愛したグリーグ「二人の女の歌う歌」「遠い世の香り」。大戦前のマーラー開眼(「少年の不思議な角笛から」)に始まり、戦中・戦後の幾層もの記憶に重なる「ラインの歌」「ヴンダーホルンとは何か?」「アントニウスの魚説法」等々。そして氏にとっての永遠の故郷「告別」(『大地の歌』)へと到達する。マーラーが創造の盃にますます酒が満ち、溢れ、こぼれるように、著者の筆もその手をゆるめない。「歌が生まれ、戻ってゆくところをさぐる」至高のエッセイ集第3弾。
 
映画は遊んでくれる

映画は遊んでくれる

★『映画は遊んでくれる』(芝山幹郎/清流出版/2310円)【→amazon
今、もっともブリリアント、もっとも軽やかで、もっとも読み応えのある映画評論はこれだ!『週刊文春』のシネマチャートでもユニークな視点が光る、先鋭的な批評家の最新映画論集。
 
ザ・ビートルズ フォトクロニクル THE BEATLES PHOTO CHRONICLE

ザ・ビートルズ フォトクロニクル THE BEATLES PHOTO CHRONICLE

★『ザ・ビートルズフォトクロニクル』(TIM HILL/ヤマハミュージックメディア/7350円)【→amazon
結成~解散まで850点超の秘蔵写真でつづるファン待望の完全ヒストリー・ブック、ついに誕生! 初々しさ、反抗、サクセス、成熟・・・すべてが写真で語られる素顔のままのビートルズと出遭える!