『幽霊を捕まえようとした科学者たち』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

幽霊を捕まえようとした科学者たち (文春文庫)

幽霊を捕まえようとした科学者たち (文春文庫)

★『幽霊を捕まえようとした科学者たち』(デボラ・ブラム/文藝春秋/980円)【→amazon
19世紀半ば、欧米で心霊現象への関心が高まり降霊会がブームになった。多くの科学者が否定するなか、ケンブリッジ大を中心とするノーベル賞学者2人を含む研究会が、本気で幽霊の存在を証明しようとした。時に協力し合い時に見解の相違を見つつ、様々な心霊現象の解明に挑んだ彼らが行きついた「死後の世界」とは。
 
わらの犬――地球に君臨する人間

わらの犬――地球に君臨する人間

★『わらの犬−地球に君臨する人間』(ジョン・グレイ/みすず書房/3780円【→amazon
一神教が誕生して「進歩」や「歴史」の観念が生まれる前は、「時間」の感覚がどのように違ったか。もし私たちが暗に了解する終末論から解放されたら、どんな世界が見えてくるか。現代文明がキリスト教と科学技術の発展とを両輪にして疾駆してきた筋道を、糸をほぐすようにたどる。
 
戒厳 その歴史とシステム (朝日選書)

戒厳 その歴史とシステム (朝日選書)

★『戒厳−その歴史とシステム』(北博昭/朝日新聞出版/1365円)【→amazon
紛争諸国ではいまなお身近な「戒厳」。明治憲法下の日本では、日清、日露戦争二・二六事件……非常事態に布かれた。有事法制自衛隊のある現代日本、ミサイル迎撃や大震災の際などは無関係ではない。軍法務の第一人者がその本質を法令と実施例から徹底検証し、法令上の「戒厳」と現実の「戒厳」の乖離を明らかにしていく。最近の諸外国の例や「戒厳」の用法にまつわる誤りの指摘も。
 
勝海舟

勝海舟

★『勝海舟』(松浦玲/筑摩書房/5145円)【→amazon
徳川幕府の「幕末」と明治薩長藩閥政治の終わり「閥末」。自らの大きな役割を果たしつつ、二つの激動期を生き抜いた勝海舟。膨大な資料精査と長年の勝海舟研究の成果を基に、その全生涯を描ききった書下ろし千八百枚、畢生の決定版評伝。
 
北一輝論 (ちくま文庫)

北一輝論 (ちくま文庫)

★『北一輝論』(松本清張/筑摩書房/1155円)【→amazon
北一輝は1883年、新潟県佐渡島に生まれ、2・26事件に連座して1937年、処刑された。外見的には社会主義者として出発し、国家主義を掲げて非業の最期を遂げた異色の思想家として語られるが、その思想の実体についてはなお多くの論議を呼んでいる。『昭和史発掘』を通じて2・26事件の全体像を精密に描き出した著者が、ヤヌスのような「革命家」の肖像を浮き彫りにする。