『アウシュヴィッツ以後の神』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

アウシュヴィッツ以後の神 (叢書・ウニベルシタス)

アウシュヴィッツ以後の神 (叢書・ウニベルシタス)

★『アウシュヴィッツ以後の神』(ハンス・ヨーナス/法政大学出版局/2625円)【→amazon
絶滅収容所という絶対悪が現実に生起した世界にあって、「神」とは何を意味するのか。20世紀西欧思想の核をなすユダヤ的問題のアポリアを生き抜いた哲学者が、歴史の暴力の神学的意味を問い、破局の後にもなお生き延びる「神」の概念、および人間的倫理のかたちを探った論考三篇を収録。訳者による詳細な註・解題、著者小伝も付した決定版邦訳。
 
カントの航跡のなかで―二十世紀の哲学 (叢書・ウニベルシタス)

カントの航跡のなかで―二十世紀の哲学 (叢書・ウニベルシタス)

★『カントの航跡のなかで−二十世紀の哲学』(トム・ロックモア/法政大学出版局/5040円)【→amazon
二十世紀哲学の4つの主要動向―現象学マルクス主義プラグマティズム分析哲学―は、互いに接近と疎隔を繰り返す運動のなかにありながらも、一つの同じ問いを共有してきた。それは、カントの批判哲学以後、認識と実践の真理が、歴史のなかでどう捉えられ構築されるのかという問いである。いずれの学派にも通じた現代随一の哲学史家が、カントの航跡を軸に現代哲学への広域的視座を切り開く画期的論考。
 
グノーシス主義の思想―“父”というフィクション

グノーシス主義の思想―“父”というフィクション

★『グノーシス主義の思想−〈父〉というフィクション』(大田俊寛/春秋社/2625円)【→amazon
伝統や権威に反逆するもうひとつの“知”のかたちとして、心理学者ユングポストモダンの思想家など、多くの知識人を魅了してきたグノーシス主義。しかし彼らの理解は、おのれの空想や独善を仮託した蜃気楼にすぎなかった。虚妄の解釈を排して、歴史の流れを大胆につかみ、テキストを細心に読み解くとき、“父なる神”の真の姿を求めて進化したグノーシス主義の発展と崩壊の軌跡がはじめて明らかになる。
 
司書はなにゆえ魔女になる

司書はなにゆえ魔女になる

★『司書はなにゆえ魔女になる』(大島真理/郵研社/1365円)【→amazon
司書が魔女的能力を発揮するとき。知られざる世界の図書館事情30のエピソード。本(11冊)と映画(14本)の水先案内も。
 
ジャック・デリダ (シリーズ 現代思想ガイドブック)

ジャック・デリダ (シリーズ 現代思想ガイドブック)

★『ジャック・デリダ』(ニコラス・ロイル/青土社/2520円)【→amazon
現代批評理論の震源デリダ脱構築差延、代補、自由、秘密、ドラッグ、贈与、来たるべき民主主義…。言語の厳密な経験から生まれたデリダの独創的な思考を読み通すために、愉快で挑発的な文体で書かれた、傑出した入門書。