『哲学』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

哲学 (文庫クセジュ)

哲学 (文庫クセジュ)

★『哲学』(アンドレコント=スポンヴィル/白水社/1103円)【→amazon
フランスで人気の哲学者、コント=スポンヴィルならではの知見がちりばめられた入門書。哲学とは何か、長い歴史を通じてどのように展開してきたか、を述べるとともに、六つのテーマに即した思考の具体例を紹介する。哲学の魅力をわかりやすく語った好著。
 
哲学の余白〈上〉 (叢書・ウニベルシタス)

哲学の余白〈上〉 (叢書・ウニベルシタス)

★『哲学の余白 上』(ジャック・デリダ/法政大学出版局/3990円)【→amazon
デリダ脱構築の基本思想が明らかにされる重要なテキスト。序説とも言える「タンパン(鼓膜)」、エクリチュールの問題から脱構築を説明した「差延」、ヘーゲルハイデガーの時間概念を論じた「ウーシアとグランメー」、ヘーゲル記号論に関する「竪坑とピラミッド」、ルソーの言語論についての「ジュネーヴ言語学サークル」などを収め、厳密かつ生成的な「脱構築」の必要性を説く。
 
哲学の余白〈下〉 (叢書・ウニベルシタス)

哲学の余白〈下〉 (叢書・ウニベルシタス)

★『哲学の余白 下』(ジャック・デリダ/法政大学出版局/3990円)【→amazon
差延”や“脱構築”の基本概念が明らかにされるデリダ1970年代の重要なテキストの完訳。フッサールを論じた「形式と“言わんとする作用”」、バンヴェニスト言語学「繋辞の代補」、リクールとの論争を招いた「白い神話」、ヴァレリー論になる「痛み、源泉」、オースティンの言語行為論をめぐって“デリダ=サール論争”を巻き起こした「署名・出来事・コンテクスト」の5論考を収める。
 
ドゥルーズ哲学のエッセンス―思考の逃走線を求めて

ドゥルーズ哲学のエッセンス―思考の逃走線を求めて

★『ドゥルーズ哲学のエッセンス−思考の逃走線を求めて』(ライダー・デュー/新曜社/3360円)【→amazon
もっと遠くまで行くための“哲学”。多くの誤解にさらされながら死後十年以上たっても人気の衰えないドゥルーズ。思想的変容にもかかわらず彼が一貫して追求したものを探りあて、哲学史のなかに的確に位置づけることで、その魅力を解き明かした、恰好のドゥルーズ再入門。
 
図書館史

図書館史

★『図書館史』(和田万吉/慧文社/3990円)【→amazon
古代瓦片文書やパピルスの時代より、名実ともに世界一となった20世紀米国図書館の状況分析まで。「図書館と書籍」の悠久の歴史を国別、時代別に詳述。わが国の図書館学・書誌学研究に大きな足跡を遺した和田万吉博士の不朽の名著が今ここによみがえる。
 
根をもつこと(上) (岩波文庫)

根をもつこと(上) (岩波文庫)

★『根をもつこと 上』(シモーヌ・ヴェイユ/岩波書店/819円)【→amazon
根をもつこと、それは魂のもっとも切実な欲求であり、もっとも無視されてきた欲求である。職業・言語・郷土など複数の根をもつことを人間は必要とする―数世紀にわたる社会的絆の破砕のプロセスを異色の文明観歴史観で辿り、ドイツ占領下の祖国再建のために起草した私的憲法案。亡命先で34歳の生涯を閉じたヴェイユ渾身の遺著。
 
根をもつこと(下) (岩波文庫)

根をもつこと(下) (岩波文庫)

★『根をもつこと 下』(シモーヌ・ヴェイユ/岩波書店/819円)【→amazon
敗戦で根こぎとなったフランス、ヴェイユはそこに歴史の失敗と世界の変革の可能性を見た。不幸のどん底にある今こそ、国をかたどる真の霊感を鍛えるとき。一切の力の崇拝を拒み、美と正義と真理が一致する唯一無二の善を選ばねばならない。まったき従順のうちに世界は燦然と輝く――〈弱さの聖性〉という逆説に立脚する世界の構想。(全二冊完結)