『バベルの後に−言葉と翻訳の諸相−上』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

バベルの後に〈上〉言葉と翻訳の諸相 (叢書・ウニベルシタス)

バベルの後に〈上〉言葉と翻訳の諸相 (叢書・ウニベルシタス)

★『バベルの後に−言葉と翻訳の諸相−上』(ジョージ・スタイナー/法政大学出版局/5250円)【→amazon
翻訳や解釈の概念を明らかにすると同時に、哲学的な問題意識、文学的な感受性、それに技術的な言語学三者を連合させて一丸のものとしてまとめ、言語そのものを解明する試み。
 
バベルの後に〈下〉 (叢書・ウニベルシタス)

バベルの後に〈下〉 (叢書・ウニベルシタス)

★『バベルの後に−言葉と翻訳の諸相−下』(ジョージ・スタイナー/法政大学出版局/6300円)【→amazon
古今の芸術思想、言語・文学理論、英仏独語の表現に通暁した現代随一の批評家が、文化史、哲学史の沃野を渉猟しつつ、言語の複数性という巨大な謎に真っ向から取り組んだ、「翻訳」論の古典。聖書やホメーロスをはじめ、ヘルダーリンベンヤミンハイデガーほか無数の固有名への解釈から立ち上がる、語と意味の翻訳(不)可能性をめぐる遠大な思索。
 
人はなぜ恐怖するのか?(ナレッジエンタ読本19)

人はなぜ恐怖するのか?(ナレッジエンタ読本19)

★『人はなぜ恐怖するのか?』(五味弘文/メディアファクトリー/945円)【→amazon
「赤ちゃんを抱いて入る」「手錠でつながれる」など革新的なお化け屋敷をつくり続けてきたヒットメーカーが“恐怖の法則”を初めて解き明かす。幽霊なんていないと思っているのに、怪談を聞くとトイレに行けなくなるのはなぜか?風呂場の髪の毛が気持ち悪いのはどうしてだろうか?―実践に基づいた“恐怖論”ここに誕生。
 
フリードリヒ・ニーチェ (シリーズ現代思想ガイドブック)

フリードリヒ・ニーチェ (シリーズ現代思想ガイドブック)

★『フリードリヒ・ニーチェ』(リー・スピンクス/青土社/2520円)【→amazon
真実と虚偽の区別、道徳への信頼、私たちが人間であるという合意、ニーチェはそうした常識を覆す。思想史に挑みかかり、現代批評論の源流となったニーチェ哲学の、文学・芸術・現代文化に与えた衝撃を明快に説く。
 
ベルクソンの哲学 (叢書・ウニベルシタス)

ベルクソンの哲学 (叢書・ウニベルシタス)

★『ベルクソンの哲学−生成する実在の肯定』(桧垣立哉/勁草書房/2100円)【→amazon
絶えず変化し、新たな質を生み続ける実在、それをありのままに記述しようとする哲学。主著に即し、方法・内容を解読する。
 
本から引き出された本

本から引き出された本

★『本から引き出された本−引用で綴る、読書と人生の交錯』(マイケル・ディルダ/早川書房/2520円)【→amazon
良い書物は人生の指針となる言葉に満ちている…「ワシントンポスト」紙で長年書評欄を担当し、ピュリッツァー賞を受賞した練達の書評家が、50年の読書人生のなかで出会った珠玉の文章をちりばめ、書をひもとくことがいかによく生きることにつながるかを綴る。プラトンから“ゴーメンガースト”まで、DCコミックスから哲学書まで、本とともにある暮らしの素晴らしさを謳いながら、読書案内としても優れて有用なエッセイ。