『感性的なもののパルタージュ−美学と政治』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
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感性的なもののパルタージュ―美学と政治 (叢書・ウニベルシタス)

感性的なもののパルタージュ―美学と政治 (叢書・ウニベルシタス)

★『感性的なもののパルタージュ−美学と政治』(ジャック・ランシエール/法政大学出版局/2310円)【→amazon
今日、「政治」はどこにあるのか。労働、芸術、そして言葉は誰のものなのか。ポストモダンの喪の後で、体制に絡めとられた民衆の間で、分け前なき者たちの分け前はいかに肯定されるのか。政治的主体化と平等をめぐる、現代の最も根源的な問いを、美的=感性論的な「分割=共有」の思考を通じて解放する、ランシエール哲学の核心。日本語版補遺・訳者による充実の著者インタビュー付。
 
恐慌論 (岩波文庫)

恐慌論 (岩波文庫)

★『恐慌論』(宇野弘蔵/岩波書店/819円)【→amazon
資本主義経済に特有な恐慌現象の必然性を、その根拠と発現の機構にわたり原理的に論証する、日本の代表的マルクス経済学者宇野弘蔵(1897‐1977)の記念碑的著作。恐慌は、なぜ、どのようにして発生するのか?“宇野理論”の精髄を伝え、現代の資本主義と社会主義の再考にも多大な示唆と影響をあたえる恐慌研究の白眉。
 ★『近世・近代ヨーロッパの法学者たち−グラーティアヌスからカール・シュミットまで』(勝田有恒/ミネルヴァ書房/3675円)【→amazon
偉大な法学者の人生と思想を克明に描き出す。本書は、法の歴史的展開に足跡を遺した法学者たちの生涯を鮮やかに甦らせ、その法理論を最新の研究に即して叙述することで、西洋法制史の基本的理解を深める画期的な書。
 
国際関係史―16世紀から1945年まで

国際関係史―16世紀から1945年まで

★『国際関係史−16世紀から1945年まで』(有賀貞/東京大学出版会/3780円)【→amazon
なぜ人類は戦争を繰り返し、二つの世界大戦を引き起こしたのか。にもかかわらず世界戦争のない時代が訪れたのはなぜか。現代世界を形作ってきた国際関係の歴史を、日本に重点を置きながら平易かつ丁寧に概説する。
 
思索日記〈1〉1950-1953 叢書・ウニベルシタス

思索日記〈1〉1950-1953 叢書・ウニベルシタス

★『思索日記 1(1950−1953)』(ハンナ・アーレント・他/法政大学出版局/6510円)【→amazon
全体主義との闘争の過程でアーレントが敢行した西洋政治哲学の伝統との対決の貴重な記録。「手摺抜きの思考」の現場が示される、「現在の出来事」に関する証言。
 
思索日記〈II〉1953-1973 叢書・ウニベルシタス

思索日記〈II〉1953-1973 叢書・ウニベルシタス

★『思索日記 2(1953−1973)』(ハンナ・アーレント・他/法政大学出版局/6300円)【→amazon
アーレントが思想的に最も多産な時期に書き起こされ、晩年まで書き続けられた厖大な日記の完結編。活動的生活と観想的生活を包括する独自の思考の生成を記録した稀有のドキュメント。編者による詳細な解題および総索引を付す。