『人種主義の歴史』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

人種主義の歴史

人種主義の歴史

★『人種主義の歴史』(ジョージ・M.フレドリクソン/みすず書房/3570円)【→amazon
反ユダヤ主義奴隷制アパルトヘイト。人間の差異を強調し、差別を合理化する人種主義の原像と全体を明らかにした、比較史的アプローチによる記念碑的著作。
 
全体主義の起原 1 ――反ユダヤ主義

全体主義の起原 1 ――反ユダヤ主義

★『全体主義の起源 1 反ユダヤ主義』(ハナ・アーレント/みすず書房/4725円)【→amazon
第一巻は、19世紀のヨーロッパの政治的意味をもった世界観運動としての反ユダヤ主義の形成に始まる。ドレフュス事件は〈われらの時代に行なわれた犯罪のための舞台稽古〉であった。それは大衆操作の道具としての、すなわち政治的武器としてのマス・ヒステリーの現代的利用という特徴を端的に示し、全体主義の前史としての予感に満ちていたのである。
 
犯人は知らない科学捜査の最前線!(ナレッジエンタ読本24)

犯人は知らない科学捜査の最前線!(ナレッジエンタ読本24)

★『犯人は知らない科学捜査の最前線!』(法科学鑑定研究所/メディアファクトリー/945円)【→amazon
ドアの開閉、ノートの落書き、ケータイの留守電、コンビニの防犯カメラ―。普段、当たり前の行動をしているだけで、私たちはあらゆる場所に「痕跡」を残している。犯罪者もまたしかり。一見、何もないように見える犯罪現場から、わずかな手がかりを頼りに真実を解き明かす。それが科学捜査である。驚異的なスピードで発展を続ける科学捜査、その最先端に迫る驚きの一冊。
 ★『北米マイノリティと市民権−第一次大戦における日系人、女性、先住民』(高村宏子/ミネルヴァ書房/5250円)【→amazon
米国、カナダの日系人は、帰化権や選挙権といった「市民権」(シティズンシップ)を認められるのにもっとも苦労したことで知られている。20世紀前半の北米日系社会は「一級市民」への道を模索し続けた―ホスト社会への同化か、それとも忠誠心か。とりわけ第一次大戦における日系人の米軍やカナダ軍への志願には、市民権獲得への期待がこめられていたのである。マイノリティにとって「一級市民」の条件はどこにあったのか。本書では、日系人を中心に女性、先住民も取り上げ、市民権獲得の過程を戦争貢献との関係から考察する。
 
越境するポピュラーカルチャー―リコウランからタッキーまで (青弓社ライブラリー)

越境するポピュラーカルチャー―リコウランからタッキーまで (青弓社ライブラリー)

★『越境するポピュラーカルチャー−リコウランからタッキーまで』(谷川建司・他編著/青弓社/1680円)【→amazon
東アジアという空間的な枠組みを設定したとき、ポピュラーカルチャーはジオグラフィックなそれぞれの共同体のなかでどのように受容されて変質し、記号化され共有されているのだろうか―。音楽・マンガ・テレビドラマなどのコンテンツに象徴される文化やそれを通して共有できる価値観が国家の枠組みを通り抜けてさまざまな形で「流用」され楽しまれている各国の実態を描き出す。韓国・台湾・中国では日本のポピュラーカルチャーをどう受け止めて刷新してきたのか、を丁寧に分析した論考集。