『怪異の風景学−妖怪文化の民俗地理』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

怪異の風景学―妖怪文化の民俗地理

怪異の風景学―妖怪文化の民俗地理

★『怪異の風景学−妖怪文化の民俗地理』(佐々木高弘/古今書院/2940円)【→amazon
本書では、日本に古くからある、怪異・妖怪文化に焦点を当て、民俗地理学的な方法を中心に、民間伝承だけでなく、映画や小説、絵画などにも描かれた、怪異・妖怪の背後にある風景を、広く眺め渡した。
 
家族と格差の戦後史―一九六〇年代日本のリアリティ (青弓社ライブラリー)

家族と格差の戦後史―一九六〇年代日本のリアリティ (青弓社ライブラリー)

★『家族と格差の戦後史−一九六〇年代日本のリアリティ』(橋本健二・編/青弓社/1680円)【→amazon
映画のヒット、当時の社会状況や文化を紹介する書籍の相次ぐ刊行などを受けて「昭和30年代」がブームになり、ノスタルジックな商品・消費はもはや定着したといってもいい。温かな地域コミュニティがあり、貧しいながらも夢や希望にあふれた時代と捉えられている高度経済成長初期は、しかし現実的にはどのような社会状況だったのか。1965年のSSM調査に残る貴重なデータを使い「思い出語り」を剥ぎ取るなかで見えてくる当時の家族の実態や世帯収入、職業、格差の現実を、いくつかの具体的なテーマから照らし出す。戦争の爪痕が残る「昭和30年代」の家族構成や厳しい所得格差を明らかにして当時のリアリティを浮き彫りにする。
 
現代日本の死と葬儀―葬祭業の展開と死生観の変容

現代日本の死と葬儀―葬祭業の展開と死生観の変容

★『現代日本の死と葬儀−葬祭業の展開と死生観の変容』(山田慎也/東京大学出版会/5460円)【→amazon
葬儀とは、肉体的自然的な現象である死を、社会的文化的に受け入れていくための総合的な変換装置であるが、現在では、葬祭業者が死の変換の多くを担うようになっている。詳細なフィールドワークや豊富な実例から、葬儀とその変貌に迫る画期的研究。
 
昆虫食先進国ニッポン

昆虫食先進国ニッポン

★『昆虫食先進国ニッポン』(野中健一/亜紀書房/1680円)【→amazon
多種多様な虫を食べるアジア、アフリカに比べてもひけをとらない日本。昆虫採取にかける手間と時間、調理の繊細な下ごしらえと味付け、流通の四通八達、マーケットを意識した商品づくりは、どれも世界一。日本人の工夫の数々を深く、愉しく探る。
 ★『チェチェン屈せざる人びと』(林克明/岩波書店/1890円)【→amazon
ロシア軍の圧倒的戦力による掃討作戦にさらされてきた抵抗の民。独立を目指す不屈の精神、共同体のやさしさを通し、素顔に迫る。