『馮道−乱世の宰相−改版』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

馮道―乱世の宰相 (中公文庫BIBLIO)

馮道―乱世の宰相 (中公文庫BIBLIO)

★『馮道−乱世の宰相−改版』(礪波護/中央公論新社/1150円)【→amazon
唐末から宋へと到る戦乱の時代。中小地主の家に生まれながらも、博識多才と人柄を買われ、五朝八姓十一人の天子に仕えた五代の宰相・馮道。宋代の歴史家は、彼を何度も主君を変えた「破廉恥漢」と評する。その評価に疑問を抱き、生涯を捉え直すことで、これまでとは異なる「民を愛した」馮道の実像が鮮やかにうかびあがる。中国史の激動の時代、乱世の政治の表街道をしたたかに生きぬいた希代の政治家の生涯を余すことなく書き記した力作評伝。
 ★『明治維新のカギは奄美の砂糖にあり−薩摩藩隠された金脈−』(大江修造/アスキー・メディアワークス/760円)【→amazon
明治維新のころ、欧米の列強は競ってアジアに進出し植民地を確保していた。幕末、薩摩藩はこの危機を強く意識し、日本最大級の軍事力を備え薩英戦争に勝利。さらに徳川幕府を倒し、明治政府を樹立することができた。この軍備を可能にした、薩摩藩の豊かな財政の秘密とは?歴史から隠された謎の金脈の真実をひも解く。
 
ユダヤ人の歴史 (世界歴史叢書)

ユダヤ人の歴史 (世界歴史叢書)

★『ユダヤ人の歴史』(アブラム・レオン・ザハル/明石書店/7140円)【→amazon
ヘブライ民族の登場以前から現代まで、4千年におよぶユダヤ史を人物中心に描き出した一大叙事詩ユダヤ民族の運命を形成したあらゆる要因を考察し、ユダヤ社会と非ユダヤ社会との間における多様な相互作用をも論究。
 ★『〈歴史〉はいかに語られるか−1930年代「国民の物語」批判−増補』(成田龍一/筑摩書房/1155円)【→amazon
“歴史”とは、決して客観的で自明なものではない。どの出来事を取り上げ、どう叙述するかで、全く異なった貌を見せる―。本書では、総動員体制へと向かう 1930年代、「日本」における歴史意識がどのようなものであったのかを追う。当時の多様なテクストの「語り」から見えてくるのは、“歴史”が、均一的な「日本人」を主語とする「国民の物語」へと変貌し、排他的な共同体意識を生んでいくメカニズムだった。歴史小説『夜明け前』、戦争文学『麦と兵隊』、生活記録『綴方教室』など、多くの人が愛読した作品を通して、過去/現在を語る装置としての“歴史”のあり方を問い直す。
 
警察庁長官を撃った男

警察庁長官を撃った男

★『警察庁長官を撃った男』(鹿島圭介/新潮社/1575円)【→amazon
犯行の凶器となった8インチ銃身のコルト・パイソンと、ホローポイント系の357マグナム・ナイクラッド弾を所持。犯行前後の足取りなど、犯人しか知り得ない秘密の暴露の数々―捜査班が調べ上げた証拠は、謎の老スナイパーの関与を色濃く裏付けるものだった。だが時効直前、この捜査結果は黙殺される。警察上層部のある目的のために…。