『アドルノ』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

アドルノ (岩波現代文庫)

アドルノ (岩波現代文庫)

★『アドルノ』(マーティン・ジェイ/岩波書店/1260円)【→amazon
フランクフルト学派の驍将テオドール・W・アドルノ。気鋭の思想史家ジェイは、モダニズムとポスト・モダニズム分水嶺に立つアドルノを二十世紀思想の文脈に明確に位置づける。第1章でその人物像と経歴を描き、第2章で哲学思想を概観し、第3章で社会思想を跡づけ、第4章で文化論・芸術論を説き明かす。恰好の「アドルノ入門」であり、読者に新たな興奮をよび起こす書である。
 
イシ―北米最後の野生インディアン (岩波現代文庫―社会)

イシ―北米最後の野生インディアン (岩波現代文庫―社会)

★『イシ−北米最後の野生インディアン−』(シオドーラ・クローバー/岩波書店/1155円)【→amazon
白人の西部開拓に追われ,潜伏生活を送っていた最後のヤヒ族,イシ.20世紀初頭,彼がアメリカ社会にさまよい出たとき,人々は大きな衝撃を受けた.本書は,全滅に追いやられるインディアンたちの物語とその習俗,イシの聡明な精神や自然との深い交感,カリフォルニア博物館に迎えられ,快活な忍耐心で凛々しく生きた彼の最後の数年間を描く.アメリカ西部史の新しい見方を示す名作.
 
江戸の怪奇譚 (講談社文庫)

江戸の怪奇譚 (講談社文庫)

★『江戸の怪奇譚』(氏家幹人/講談社/580円)【→amazon
口から針を吐く少女。殺人鬼へと豹変した真面目な旗本の亡霊。突如、母親を切り刻んだ三人の子…江戸の人々を震撼させた怪事件は妖怪や怨霊の仕業なのか。その背後に浮かび上がるのは拉致、虐待、イジメ、ストリートチルドレンなど、現代社会にも通底する諸問題だった。今も昔も本当に怖いのは、人の心。
 
女の民俗誌 (岩波現代文庫―社会)

女の民俗誌 (岩波現代文庫―社会)

★『女の民俗誌』(宮本常一/岩波書店/1050円)【→amazon
庶民の歴史のなかで,もっとも明らかにされていないのが女性の歴史である.民俗探訪の旅の目的は,男たちの陰に女たちの息遣いを発見してゆくことでもあった.本書は宮本常一の膨大な著作のなかから,単行本・著作集に未収録の論考を中心に構成され,貧困と闘い困難な生活を生抜いてきた日本の女性たちの素顔を浮彫りにした.
 ★『身体装飾の現在 1 人類発祥の地にいま生きる人々−アフリカ大地溝帯エチオピア南西部−』(井上耕一/写真・文/朝倉書店/12600円)【→amazon
伝統と近代化のはざまで変わりゆく身体装飾。エチオピアの南部諸民族州に暮らす少数民族を訪ね、近代化が進みつつある身体装飾と、それぞれの民族のアイデンティティの身体上の表現を写した写真集。