『彼女が演じた役−原節子の戦後主演作を見て考える−』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

★『彼女が演じた役−原節子の戦後主演作を見て考える−』(片岡義男/中央公論新社/780円)【→amazon
東京物語』を初めて見た著者は、紀子役を演じた原節子に魅せられる。『晩春』『麦秋』を含めた紀子三部作を中心に、彼女が主演した戦後映画十一本を精細に論じて、「クリエイティブな能力を無限に持った」原節子の魅力と、それを引き出した小津安二郎監督の卓越した演出を分析した異色の映画論。
 
スポーツと文明化〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス)

スポーツと文明化〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス)

★『スポーツと文明化−興奮の探求−新装版』(ノルベルト・エリアス、エリック・ダニング/法政大学出版局/5565円)【→amazon
人は、なぜサッカーによって興奮するのか。社会学が従来無視してきたスポーツにはじめてメスを入れ、感情と暴力の社会学を独自の〈文明化の理論〉の中に定位する。
 
スポーツと遊戯の歴史

スポーツと遊戯の歴史

★『スポーツと遊戯の歴史』(ジャン=ジュール・ジュスラン/駿河台出版社/3780円)【→amazon
中世・近代フランス社会のさまざまな運動遊戯とスポーツについて、その展開の背後にあった社会的かつ文化的な特性、身体観や死生観、時代精神との関連において、その紹介と分析を行った、スポーツ文献の古典的必読書。
 
ちょっと長い関係のブルース - 君は浅川マキを聴いたか

ちょっと長い関係のブルース - 君は浅川マキを聴いたか

★『ちょっと長い関係のブルース−君は浅川マキを聴いたか−』(喜多條忠/責任編集/有楽出版社/2100円)【→amazon
熱く、冥く、重く、でも何かがあった“あのころ”そして、マキがいた…さまざまなジャンルの執筆者が、伝説の歌手・浅川マキをとおして60年代、70年代という“時代”を鮮やかに切り取ったエッセイ集。
 
なぜ取り調べにはカツ丼が出るのか? (メディアファクトリー新書)

なぜ取り調べにはカツ丼が出るのか? (メディアファクトリー新書)

★『なぜ取り調べにはカツ丼が出るのか?−テレビドラマと日本人の記憶−』(中町綾子/メディアファクトリー/777円)【→amazon
刑事が取り調べで出すカツ丼。いじめっ子の親はPTAや議員。ヒロインの元へ急ぐ主人公に降り注ぐ雨。誰もが知るテレビドラマの「ベタな表現」は、どのように生まれ、視聴者の記憶に定着したのか?日本人の記憶に強く残る、いわゆる「ベタな表現」が生まれた理由や背景、イメージとして定着した理由を、社会背景や制作事情、演出面から考察する労作。