『書誌学談義江戸の板本』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
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書誌学談義 江戸の板本 (岩波人文書セレクション)

書誌学談義 江戸の板本 (岩波人文書セレクション)

★『書誌学談義江戸の板本』(中野三敏/岩波書店/2940円)【→amazon
書誌学とは時代の産物としての本そのものから「情報」を得るための技術である。宝暦年間に出版された板本を手にした時、いかにすれば宝暦という時代の手ざわりを実感できるのか。近世文学研究の泰斗が、長年の経験の蓄積をもとに、江戸の板本を手にとり理解するための基礎知識を平易に伝授する。和本リテラシーを育む最良の入門書。
 
存在なき神 (叢書・ウニベルシタス)

存在なき神 (叢書・ウニベルシタス)

★『存在なき神』(ジャン=リュック・マリオン/法政大学出版局/4725円)【→amazon
存在しない神、神であることなき神―。ハイデガーレヴィナス以降、“存在”やその“外部”をめぐる思索は、抹消線を付された神についてどのように語ることができるのか?西洋キリスト教学の伝統にたち、ポストモダン期における「現象学の神学的転回」を代表する哲学者マリオンが、偶像、愛、贈与、メランコリー、御言などの独自の分析を通じて存在の神秘に迫る主著。
 
「食べる」思想 ~人が食うもの・神が喰うもの

「食べる」思想 ~人が食うもの・神が喰うもの

★『「食べる」思想−人が食うもの・神が喰うもの−』(村瀬学/洋泉社/2415円)【→amazon
私たちは「食べる存在」であるから、「われ思う、ゆえにわれあり」ではなく、敢えて、こう言わなければならない。―近代哲学が意識の外においてきた、「食としての存在」が「私」という存在を根本で支えていることの意味を根源的に問う。いのちと「食」をめぐる問題に一石を投じる問題作。
 
20世紀ユダヤ思想家 ――来るべきものの証人たち(1)

20世紀ユダヤ思想家 ――来るべきものの証人たち(1)

★『20世紀(にじゅっせいき)ユダヤ思想家−来るべきものの証人たち−1』(ピエール・ブーレッツ/みすず書房/7140円)【→amazon
ユダヤ教現代思想―20世紀、この両者の深淵で繰り広げられた知的格闘を、思想家ひとりひとりを光源として、詳細かつ重層的に描き出した新シリーズの第1巻。近代において、あくまで形而上学にとどまった3人の、メシアニズムと理性との融和と対立のダイナミズムをたどる。
 
ネオ唯物論 (叢書・ウニベルシタス)

ネオ唯物論 (叢書・ウニベルシタス)

★『ネオ唯物論』(フランソワ・ダゴニェ/法政大学出版局/4725円)【→amazon
哲学・芸術・教育における脱物質化の傾向に抗して、唯物論を正当に評価し直す。ヴァザルリ、デュビュッフェ、ヴィアラの絵画を論じ、さらには繊維産業や鉄を主題とする文化論・科学技術論におよぶ。