『イタリア20世紀史−熱狂と恐怖と希望の100年−』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

イタリア20世紀史 ?熱狂と恐怖と希望の100年?

イタリア20世紀史 ?熱狂と恐怖と希望の100年?

★『イタリア20世紀史−熱狂と恐怖と希望の100年−』(シモーナ・コラリーツィ/名古屋大学出版会/8400円)【→amazon
国王の臣民でしかなかったイタリアの民衆が、議会制民主主義と近代産業国家へと踏み出し、二度の世界大戦や内戦、冷戦などを乗り越えて、国民となり市民となっていく曲折に満ちた道程を、密度濃く描く。複雑で魅力あふれる現代イタリアを理解する最良の一冊。
 
逆説の日本史17 江戸成熟編

逆説の日本史17 江戸成熟編

★『逆説の日本史 17(江戸成熟編) アイヌ民族と幕府崩壊の謎 』(井沢元彦/小学館/1680円)【→amazon
アイヌからの簒奪、対米愚劣外交、倒幕思想のルーツ…幕末前夜の「闇の歴史」を暴く。
 ★『共和政ローマの寡頭政治体制−ノビリタス支配の研究−』(安井萠/ミネルヴァ書房/7140円)【→amazon
「ノビリタス支配」とはいかなる政治体制であったのか。この基本問題に対し、ローマ共和政政治史をめぐる最近の様々な論議を踏まえつつ、アプローチする。
 ★『近代イギリスの社会と文化』(村岡健次/ミネルヴァ書房/4410円)【→amazon
19世紀を中心とするイギリス近代を、一歴史時代の「近代イギリス」として捉え、ジェントルマンと中流階級のかかわりを軸にその特質を描く。歴史観の変遷、教育、薬剤師、陸軍士官、自由主義の風潮、宗教等を詳述する。
 ★『近代フランスの歴史学と歴史家−クリオとナショナリズム−』(渡辺和行/ミネルヴァ書房/6300円)【→amazon
本書は、主に政争の具とされてきた歴史が、アカデミックな歴史学としていかにして成立したのか(科学化)、また、高等・中等教育の改革や歴史学講座新設に尽力した歴史家たちが、大学やグランド・ゼコール等の教育機関の歴史講座をどのように領有していったのか(制度化)、さらに、歴史教育がいかに国民形成に関与(国民化)し、第三共和政に支配の正当性を付与したのかを解明する。19世紀後半、フランス第三共和政前期に焦点を当てつつ、教育史や科学史の成果を取り入れ歴史を描いた知の社会史。国民形成への「ナショナル・ヒストリー」も含めて論じる。