子牛が母に甘えるようにエロゲ&アニメと戯れたい

 ゼロ年代になってから、エロゲ原作のアニメがある程度の割合を占めるようになり、それなりの作品を残していた、という程度の認識でいいんだろうか。俺の見立てでは(俺が判断できるアニメベストの選択では)、その率は2割ぐらい。俺がいいと思った作品と、セールス的成功とは関係ないので、「それなりの作品」の意味をもっと狭く取ると、もっと少なくなる
 それがメインとはとても言えないが、そこそこアニメの「質」については、エロゲ原作が支えている部分もある、とは言えるかも知れない。ラノベもまぁ、同じぐらい。ここ何年かに限定すると、ラノベ原作率上がって、漫画・エロゲ含むゲーム原作率少し下がってる、みたいな感じ。通常だともう少し調べるんだけど、もう何か調べて書くのは面倒くさい(みんな勝手に調べてみてください)。エロゲ作者がオリジナル・アニメ原作者(シナリオ書き)として(セールス的に)成功した例は、『Angel Beats!』の麻枝准と『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄しか、普通には知られていないと思う。多いなんてレベルではなく、これは少ない(原作提供者としてはもちろん、もっと多い)。ラノベ作者→アニメのシナリオ書きで成功している例は、いくつかの話を手掛けた、という人はいるけど、シリーズ構成全体というと誰がいるの、と考えると、まだエロゲ作者のほうが、いないよりまし、という程度ですか。
 いずれにしても、ゼロ年代の莫大なアニメの中で(セールス的に)成功しているものは、ブランドとしてのガンダムプリキュアその他を除くと、漫画・ラノベ原作のほうが目立っている印象。アニメにおけるエロゲ含むゲーム原作の影響は、無視できるほど小さくはないが、知らないと語れないと言えるほど大きくもない、ぐらいの認識。これはエロゲアニメ(エロゲではなく、あくまでもエロゲアニメ)をアニメのサブジャンルとして考えた場合の視点。アニメ全体を何かのサブジャンルという形で言及するには、俺の理解では、引用元(アニメ)のほうが太すぎる。アニメが原作で生まれた○○、というのは、漫画・ラノベも含めてそんなに多くない。まずサブジャンルという語の定義が必要か。たとえばヘヴィメタルサブジャンルとしてのデスメタル、SFのサブジャンルとしての歴史改変SF、とかなら分かりやすいんだけど、ファンタジーやホラーはSFのサブジャンルとは言えないしな…。
 ゼロ年代のアニメを語るには、20世紀末アニメ全般に関する基礎知識がないと全然駄目、というのは、自分(俺)の身の程を知った見解です。
 しかしゼロ年代を、何かのジャンル(創作表現)で象徴する見方としては、漫画もアニメもゲーム(エロゲ)も衰えているとしか言いようがない。10-20代はセカイ系物語すら楽しまない。永遠の今、という終着の浜辺に身を横たえて、寄せ来る波をただ眺めているだけ、のような。
(注:酒飲んでません)