『評伝緒方竹虎−激動の昭和を生きた保守政治家−』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
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評伝 緒方竹虎―激動の昭和を生きた保守政治家 (岩波現代文庫)

評伝 緒方竹虎―激動の昭和を生きた保守政治家 (岩波現代文庫)

★『評伝緒方竹虎−激動の昭和を生きた保守政治家−』(三好徹/岩波書店/1155円)【→amazon
朝日新聞主筆として勇名をはせた言論人緒方竹虎は、第二次世界大戦末期に政界入りする。終戦処理の苦労をつぶさに体験し、五五年保守合同をなしとげ、次期自民党総裁と目されながら急逝―一身にして二世を生きた緒方の生涯と精神を、激動の昭和史に即して描き政治の原点を問う本書は、良質の保守政治家も消え混迷を続ける現在の日本政治の指針ともなるだろう。
 
ヒルベルト――現代数学の巨峰 (岩波現代文庫)

ヒルベルト――現代数学の巨峰 (岩波現代文庫)

★『ヒルベルト−現代数学の巨峰−』(C.リード/岩波書店/1680円)【→amazon
広い視野と独創性を持った「現代数学の父」は、いかにして誕生したのか。高木貞治を含めて、同時代の傑出した数学者たちは、何をヒルベルトから学んだのか。本書は天才数学者の青年期から晩年までの生涯を激動の時代とともに描き出し、この巨人が成し遂げた数々の学問的業績についても解明する力作評伝。待望の文庫化。
 
フランス革命を生きた「テロリスト」 ルカルパンティエの生涯 (NHKブックス)

フランス革命を生きた「テロリスト」 ルカルパンティエの生涯 (NHKブックス)

★『フランス革命を生きた「テロリスト」−ルカルパンティエの生涯−』(遅塚忠躬/NHK出版/1260円)【→amazon
ジャコバン派の一員としてルイ一六世の処刑に賛成し、国王弑逆者となった男。故郷のマンシュ県に派遣され、反革命派を弾圧し、恐怖政治の実行者となった男。三年八ヶ月にわたった逃亡生活の後、復古王政によって逮捕され、モン・サン・ミシェルの石牢で七〇年の生涯を終えた男。革命の大義に殉じたルカルパンティエの一生を辿ることによって、テロリズムの血にまみれたフランス革命の歴史的意味を明らかにし、テロとは何かを改めて問う、フランス革命史の大家の遺作。
 
物語の哲学 (岩波現代文庫)

物語の哲学 (岩波現代文庫)

★『物語の哲学』(野家啓一/岩波書店/1365円)【→amazon
起源と目的をもつ「大文字の歴史」が終焉した後、歴史はいかにして可能かを問う。柳田国男の口承論、解釈学、ナラトロジー科学史における歴史叙述などの成果を踏まえて物語り行為による歴史を追求し、小さな物語のネットワークとしての歴史の可能性を考察する。単行本を増補し、物語り論的歴史哲学を深化させた新編集版。
 ★『歴史のなかの女たち−名画に秘められたその生涯−』(高階秀爾/岩波書店/1050円)【→amazon
フランス最後の王妃マリー・アントワネット、皇帝ナポレオンの妃ジョゼフィーヌ、オルレアンの少女ジャンヌ・ダルク、動乱のルネサンス期イタリアで権力に翻弄された教皇の娘ルクレツィア・ボルジア…。西洋美術史の第一人者として知られる著者が、ヨーロッパの美術館で見られる名画に描かれた二十四人の女性たちの、悲しくも波瀾に富んだそれぞれの生涯を綴った名著。