『偉大な記憶力の物語−ある記憶術者の精神生活−』ほか
今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活 (岩波現代文庫)
- 作者: A.R.ルリヤ,天野清
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/10/16
- メディア: 文庫
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人並みはずれた鮮明な直観像と、特有の共感覚をもつその男は、忘却を知らなかった。電話番号を舌で感じ、コトバの音から対象の意味を理解する。想像によって手の温度を変える。直観像を利用して課題を鮮やかに解決する一方で、抽象的な文や詩の理解はひどく困難。特異に発達した記憶力は、男の内面世界や他者との関わりに何をもたらしたのか。
- 作者: ジャン=リュック・ナンシー,合田 正人
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2011/02/16
- メディア: 単行本
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存在という出来事の限界で、有限な世界の終末で、ひとはまだ何を思考し、意味することができるのか。ハイデガーやデリダの問いを受け継ぐ哲学者が、バタイユ、ニーチェ、ランボーらとともに、西洋、エクリチュール、犠牲、崇高、ミメーシス、愛や共同体について繰り広げる戦慄的な思索。『無為の共同体』から『キリスト教の脱構築』へ向かうナンシーの、デリダ論を含むもう一つの主著、待望の完訳。
- 作者: 柳沼重剛
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/06/17
- メディア: 文庫
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西洋古典学を研究する著者が、ことばに関する豊富な話題の中から、古典と英語・英文学との接点をとりあげた、ことばの旅を楽しむエッセイ集。語学の森で出会った〈こぼれ話〉の泉に心がうるおう。
- 作者: 大野晋
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/02/16
- メディア: 文庫
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日本語の起源を求める長い歩みの中で、著者がぶつかった疑問の数々と、まるで謎解きのような論証過程。これら論文にやさしい導入を付してまとめる。本居宣長のモノノアハレ論とその恋愛体験、藤原定家の仮名遣いの原則、言語構造に表われた日本人の思考法など、文字の背後にある人間的営みを解き明かした古典語研究の精華。
- 作者: ジョナサンカラー,Jonathan Culler,富山太佳夫,折島正司
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/02/17
- メディア: 文庫
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構造主義から記号論、そしてディコンストラクション(脱構築)へと現代思想はめまぐるしく展開してきた。しかし、いったい何をディコンストラクト(解体)するのか。本書では米国の代表的文学理論家が、ニーチェ、ハイデッガー、デリダという系譜から問題を捉えなおし、その主題へと迫っていく。テクストの理論、読書行為論、フェミニズム論等を縦横に駆使することによって、難解といわれる思想・哲学の明快な配置図を描き出した名著。
- 作者: ジョナサンカラー,Jonathan Culler,富山太佳夫,折島正司
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/03/17
- メディア: 文庫
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脱構築の思想とは何か。それが文学批評にとって持つ意味は何か。本書1で脱構築の思想を検討したのに続き、本書2では脱構築的な批評の一例として、メルヴィル、イエーツ、ルソーなど英米仏の文学作品やフロイトの読み方を提示する。それは哲学的手法の文学研究への応用ということにとどまらず、テクストの独自な論理を発掘する作業でもある。ポスト構造主義を学ぶための必読書。