『小田和正ドキュメント−1998−2011−』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

小田和正ドキュメント 1998-2011

小田和正ドキュメント 1998-2011

★『小田和正ドキュメント−1998−2011−』(小貫信昭/文/幻冬舎/1500円)【→amazon
98年7月。小田和正東北自動車道を走行中に大事故を起こした。車は大破し、自身も鎖骨や肋骨を骨折して絶対安静。この事故が小田の心にどんな変化をもたらしたのかを詳細に記すことから本書はスタートする。50歳を越えてからの小田は過去の実績に甘んじることなく、様々な新しいことに取り組んできた。テレビ出演を断ることが多かった彼が自ら企画に参加した「クリスマスの約束」は10年以上も続く人気番組として定着、坂道を自転車で必死に登るCMが話題となった『自己ベスト』は、300万枚という記録的な大ヒット、そして単独アーティストとしての史上最年長ドーム公演記録の更新…。「結果が即座に跳ね返らない時期こそ大切に」「頑張っていれば、どこかで誰かが見ていてくれる」道なき道を歩んできた小田自身が語る言葉も、この本には多数収録されている。もちろん最新アルバム『どーも』についてもロングインタビューを敢行。その他、代表曲解説や小田和正の“口癖”など、ありとあらゆる角度から人間「小田和正」の実像に迫る決定的ノンフィクション。小田独自の年齢の重ね方から、今を生きるエネルギーを受け取ることができる。
 
挫折する力―新藤兼人かく語りき

挫折する力―新藤兼人かく語りき

★『挫折する力−新藤兼人かく語りき−』(新藤兼人/〔述〕 中川洋吉/編著/新潮社/2100円)【→amazon
自分の納得できる映画を作りたい―。そして決然と立ちあげた独立プロの活動は、昔も今も悪戦苦闘の連続だ。だが、挫折こそ生きる力、常に粘り強く、家族、戦争、性、等々をテーマに人間の真実を追い求め、さらに踏みこんだ仕事を目指して止まない頑固者の映画人、新藤兼人。あの監督、あの女優、同志たち、もちろん乙羽さん…、数々の思い出とともに自身の足跡を振り返り、老いてこその現在を生き生きと語る。広島訛りも味わい深い、コクのある人生談義。
 ★『世界コミックスの想像力−グラフィック・ノヴェルの冒険−』(小野耕世/青土社/2730円)【→amazon
文学的な深みをもつ物語や美しいデザインで人びとを魅了する「グラフィック・ノヴェル」。日本の影響を受けつつも各地で独自の進化をつづけるマンガ表現を、第一人者が作家本人の発言もまじえて紹介。イメージとことばの現在形に迫る。
 
即興の解体/懐胎 演奏と演劇のアポリア

即興の解体/懐胎 演奏と演劇のアポリア

★『即興の解体/懐胎−演奏と演劇のアポリア−』(佐々木敦/青土社/2520円)【→amazon
即興=インプロヴィゼーションを根源から定義し直し、最先端のパフォーミング・アーツの核心を明らかにする、究極の即興原論。
 
手塚治虫が生きていたら 電子コミックをどう描いていただろう 大塚教授の漫画講座

手塚治虫が生きていたら 電子コミックをどう描いていただろう 大塚教授の漫画講座

★『手塚治虫が生きていたら電子コミックをどう描いていただろう−大塚教授の漫画講座−』(大塚英志/徳間書店/1575円)【→amazon
まんがは今のまま生き残っていけるのか!?  『物語消費論』『「おたく」の精神史』などの評論、『多重人格探偵サイコ』などのまんが原作者として活躍を続け、現在は神戸芸術工科大学ほかで教鞭もとる大塚英志が、電子書籍の普及による出版変革の時代である今だからこそ、若き漫画家志望者たちに伝えておきたい漫画の描き方・漫画との付き合い方を1冊にまとめあげた! 挑発的な同時代批評でもありながら、実践的な漫画講座である最新作。