「黙れ!」の石原都知事が二次規制で言った「性愛関係」の漫画って何?(記者会見)

 「黙れ!」で有名になった石原慎太郎都知事の2011年11月4日の記者会見がテキスト化されてた。
石原知事記者会見:2011/11/4

【記者】東京では、昨日から瓦れきの受け入れが始まりましたが、持って来ないでくださいという抗議の電話やメールが3,000件以上……。

【知事】今、勝手な憶測で、そんなこと言ってもしようがないじゃないか、みんなで協力しなかったら。放射能があるなら別だけれど、川崎市なんかも、そういうものを識別せずに、いきなりああいうふうに言わない方がいいと思うよ、私は。力のあるところが手伝わなかったらしようがないじゃないですか。みんな、自分のことしか考えないから、日本人が駄目になった証拠のひとつだよ、そういうのは。何も放射能がんがん出ているものを持ってくるわけじゃないんだから、測って何でもないから持ってくるんだから、東京だってバカじゃありませんよ。「黙れ」って言えばいいんだ、そんなもの(笑)。

 それはいいんですが、漫画の話が専門的すぎてついていけない。

【記者】東京国際アニメフェアの件についてお伺いしたいんですが、今年は震災で中止になってしまったもので、来年は開催ということで、今、準備が進んでいるのはご存じだと思うのですが、今年なのですが、結果的に両方とも中止になりましたが、東京都青少年条例の改定問題で、出版社の方がボイコットして別にイベントを立ち上げるという件がありましたが。
【知事】君の出版社だろう
【記者】はい。
【知事】あの条例、詳しく読んだか。
【記者】はい。
【知事】どこがいけないんだよ
【記者】条例のそれについては、前も……。
【知事】まあ、いいよ。おまえさんにも言い分があるだろうから。それで。
【記者】はい。実際……。
【知事】どこかの会社が別にやるというんだろう。
【記者】はい。
【知事】やったらいいじゃないか、そんなもの。客が来るか、来ないか、勝負の問題だよ。
【記者】客が来るか、来ないかで勝負をするというので。
【知事】そうだよ。両方ともよければいいじゃないか。
【記者】結果的に、両方とも客が来れば、知事としては問題ないというふうに。
【知事】別に、そんなことまで私たちが制限するつもりはありませんし、東京は東京の所信でやりますから。
【記者】ただ、分裂している状況ですと、結果的にはイベントとしての集客力がどちらも落ちてしまい、継続できないんじゃないかという読みもありますが、それについては。
【知事】お客さんにとっては気の毒だと思うね、二度手間になるから。一緒にやったらいいんじゃないですか。なぜ反対なんですか。あの条例が気に食わないの?
【記者】条例の問題をめぐってということに……。
【知事】どこに問題があるの?
【記者】それは出版社の側としては、これでは表現の自由に対する侵害であるということ。
【知事】ナンセンスだよ、そのいちゃもんのつけ方。頭冷やしておいで。
【記者】今日はそこは置いておいて。
【知事】はい。やりたければ、やればいいんだ。
【記者】結果的に落としどころとしては、何かないのかというところなのですが、知事はどうお考えかと。
【知事】別にこちらは正しいと思って、都民の代表が、あの条例は是として通したわけですから、その反対する出版社は何を代表しているのか知らないけれど、都民の中に表現者はたくさんいるわけだから。
【記者】はい。分かりました。
【知事】繰り返して言うけれど、小学校の先生が自分の教え子と同棲して夫婦になっているような漫画を子供に見せていいのかね
【記者】いや、それ……。
【知事】それから、あなたはごまかすかもしれないけれど、例えば、消費者の皆さん、聞いてもらいたいんだよ。そういう例がある。中学校の姉さんが小学校の高学年の弟を教えてるうちに、熱くなっちゃって、2人で性愛関係になるのよ。そういう話を子供の目に触れるとこに置いていいかと。だから、せめて子供の手の届かない、目の届かないところに置こうということを規制しただけです。それが何故、言論の統制になるのかね。表現の自由というものの束縛になるの。私はさっぱり分からない、言っていることが。外国だったらこんなもの、まかり通らないし、刑事訴訟になるよ。物事節度というものがあるんだ。はい。どうぞ。

 ナベツネか慎太郎か、ってな感じですな。
 録画のほうを聞くと分かるんですが、「がれき」の質問者はMXテレビの山中さん、保護条例の質問者は週刊プレイボーイ集英社)のヒルマ(漢字不明)さんですね。
「小学校の先生が自分の教え子と同棲して夫婦になっているような漫画」というのは『奥サマは小学生』(松山せいじ)であることは明らかなんですが。
奥サマは小学生 - Wikipedia

東京都副知事猪瀬直樹による本作への批判 [編集]
 
作家で東京都副知事猪瀬直樹は2010年3月23日付のブログ記事で本作を名指しして「セックスシーンが繰り返し出てくる。これはふつうの書店で、ビニールでもなく、誰でも買えるふつうの棚に置いている。18歳未満でも買うことができる。現状の自主規制の対象ではない」と批判している[8]。また、3月29日にBSフジで放送された「BSフジLIVE PRIME NEWS」において都条例改正に反対を表明している漫画家の里中満智子明治大学准教授の藤本由香里と討論した際にも本作のコミックスを繰り返し提示しながら「このような過激な表現物を誰でも入手可能な場所に置くべきではない」と主張した[3]。
 
猪瀬の批判に対する作者と出版社の反論 [編集]
 
上記のような猪瀬の批判に対し、松山は作中に猪瀬が主張するような「セックスシーン」、すなわち直接的な性行為の描写は存在せず、またバナナや練乳を暗喩として用いた性交類似行為を含めて広範に「セックスシーン」と称しているのだとしても、主人公のナオトが幼妻・ハルの心身を気遣って妄想に留めるのが毎回、お決まりのパターンとなっているため「猪瀬さんはきちんと内容を読んでください」と、作品のテーマを正しく理解せず表面的な描写をあげつらって批判されるのは心外であると反論している[3][6]。また、秋田書店夕刊フジの取材に対して広報を通じ「当社の発行物がたまたまそこにあり、内容を見ずにごく一部をとらえて批判の材料に仕立て上げたのでしょう。特に猪瀬氏は発言の影響力が大きい。当社も作者も非常に困惑しております」とコメントしている[3]。

 もう一つの「中学校の姉さんが小学校の高学年の弟を教えてるうちに、熱くなっちゃって、2人で性愛関係になる」という漫画って…何?
 一応、後藤寿庵『少年帝国』なのでは? という話もあったんですが、これ、ゾーニングされてます。
 要するに、この漫画に関しては「子供の手の届かない、目の届かないところに置」かれてます。
 だから多分、都知事の言うのは別の漫画だと思うんですが、それが何か心当たりがあるかたは教えてください
 コメント欄のなぞなぞ認証は少し使いにくいかも知れないけど、メンション(@kuratan)でなら多分大丈夫だと思う。
 
(2011年11月27日追記)
 著者のかた(後藤寿庵様)から直にブクマコメントいただきました。
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juangotoh
「少年帝国」にお姉さんが「教えてるうちに」というシチュエーションはないですw あと一応あのお姉さん高校生の設定(書いてないけど)

 どうも申し訳ありません。本への直リンクは外しました。
 追記して、引き続き調査中です。
 同じくブクマコメントから。

ROYGB
中学生と小学生ではないけど「あきそら」かなあ。根拠としては2011年4月14日の出版倫理協議会出版倫理懇話会の会合で都が改正された規制の対象候補にあげていること。

 どうでしょう。