自称翻訳家・ジャーナリストの竹野内真理さんの中川恵一さんへの質問に、素人のおいらとみんなが答えてみる(2)

 死ぬほど長いんで分割。後半部分です。
 これは以下の日記の続きです。
自称翻訳家・ジャーナリストの竹野内真理さんは竹野内嘘って名前にしたほうがみんなが幸せになれると思う
自称翻訳家・ジャーナリストの竹野内真理さんの中川恵一さんへの質問に、素人のおいらとみんなが答えてみる(1)
 
竹野内真理さん、中川恵一氏への 質問ツイート (8月 15日) - Togetter
 回答のないものは全部俺が答えてやる。素人だけど。(続き)
 
 その前にここ一応見ておこう。
『放射線医が語る 被ばくと発がんの真実』参考文献一覧
 6pもあるpdfで、参考文献ほとんど英語なんで読むの大変だよ! 俺はとりあえず保存した。
 あとこっち。
『放射線医が語る 被ばくと発がんの真実』の誤植に関するお詫び
 2刷以降は直っているそうなんだけど、初版持ってる人は気をつけよう。
 
 それでは。
 竹。

2007年11月20日付国連総会決議「チェルノブイリ事故の影響の研究、軽減、最小化の問題に関する国際協力並びに活動調整の強化」というものがあるそうだが、影響の軽減、最小化のために国際的に行われていることは具体的に何ですか?@team_nakagawa

 だから自分でそのくらい調べろと…。
 国連総会決議の原文。広報なんで誰でも見られる。
Strengthening of international cooperation and coordination of efforts to study, mitigate and minimize the consequences of the Chernobyl disaster

Notes with appreciation the efforts undertaken by the agencies of the United Nations system and other international organizations that are members of the Inter-Agency Task Force on Chernobyl to continue implementing a developmental
approach to study, mitigate and minimize the consequences of the Chernobyl disaster, in particular through the development of specific projects, and stresses the need for the Inter-Agency Task Force to continue its activities to that end, including through coordinating efforts in the field of resource mobilization;

 他にもいろいろ書いてあると思う。まあ決議なんで、具体的にはよく分からないけどね。
 竹。

福島でエートスプロジェクトなる人体実験のようなもので、「住民の避難を即さず、治療をしない健康調査で研究に重点が置かれ福島の人がモルモットになっている」と評価する人が多いですが、この重大問題をどう考えますか?@team_nakagawa

 そう評価している人は具体的に誰で、多いと言える根拠教えて。
 竹。

ロシア連邦目的プログラム「2015年までの期間における放射能事故の影響克服」と呼ばれるものの中に、「放射能の影響が表れるリスクが最も高い者(リスクグループ)への医療支援」とありますが、どのような内容か?福島の警戒区域の避難者には支援はあるのですか?@team_nakagawa

 ロシア語読めないんで具体的な医療支援は不明なんだ、ごめん。
 日本の場合。
福島県ホームページ - 組織別 - 避難者・被災者の皆さまへの情報
福島県ホームページ - 組織別 - 県民健康管理調査について
 今は「支援」の前の具体的な健康被害に関する調査をおこなってる最中みたいなので、ちょっと時間がかかるかもしれない。
 竹。

124ページに、ICRPがイギリスの非営利団体NPOであると書いてありますが、各国や原子力産業から資金援助を受けているので、違うのではないですか?@team_nakagawa

 こっち参照。
国際放射線防護委員会(ICRP) (13-01-03-12) - ATOMICA -

 国際放射線防護委員会(ICRP:International Commission on Radiological Protection)は、専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う非営利、非政府の国際学術組織である。

4.財政援助
 ICRPの活動やすべての専門委員会は、ほぼ毎年開催される。さらに専門委員会ごとに設置されるタスクグループは、報告書を検討、準備するために独自に会合を開催している。また、各種の会合への参加者のうち何人かの旅費はICRPが負担している。ICRPとして支出できる旅費は厳しく限定されており、最近では全旅費の1/2から1/3がICRPメンバー機関によって負担されている。ICRPの活動等への助成金の拠出機関は、世界保健機構、国際原子力機関、国際放射線医学学会(ISR)、国際放射線防護学会、OECD原子力機関、欧州共同体(EC)、およびアルゼンチン、カナダ、日本、スウェーデン、英国、米国の各国内機関である。

 原子力産業? っぽいものを拾うと、
国際原子力機関 - Wikipedia

国際原子力機関(こくさいげんしりょくきかん、英: International Atomic Energy Agency、略称:IAEA)は、国際連合傘下の自治機関であり、原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関である。2005年度のノーベル平和賞を、当時の事務局長モハメド・エルバラダイとともに受賞した。

外務省: 経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)
経済協力開発機構原子力機関 - Wikipedia
 …別に原子力産業」が「悪の組織」みたいなことはないと思うんですが…。「助成金」が「資金援助」という語に相当するかは、語の助成金」を「資金援助」と置き換えても普通に読めるかどうかの問題ですかね。
 竹。

125ページにUNSCEARが独立性と客観性が保たれていて、特定の国の力やイデオロギーには左右されません、と書かれてありますが、国連自体が原子力を推進しています。独立性が保たれているとは言えないのではないですか?@team_nakagawa

 国連は「原子力の平和利用」については様々な機会で言及してますね。
 独立性と客観性は以下の文書その他に表れています。他にも非政府的機関とか、探せばいろいろ出てくると思う。
サイエンス(科学的事実)とポリシー(対処の考え方)の区別 - 東日本大震災への対応 -首相官邸ホームページ-

 UNSCEARは、放射線による被ばくの程度と影響を評価・報告するため、国連によって1955年に設置された委員会です。1950年代初頭の冷戦下、核兵器の開発競争のために核実験が頻繁に行われ、放射性降下物などによる一般公衆の被ばくの懸念があったことから、科学的事実に基づいて核実験の即時停止を求めるなどの提案を行う意図で設置されました。その報告書は、独立性と科学的客観性が保たれています。事務局はウィーンに設けられています。

 竹。

UNSCEARの疫学的には、100ミリシーベルト以下の放射線の影響は認められない、といった報告ですが、WHOが2005年に原発労働者15カ国の調査で、10ミリシーベルトでもガンリスクの増加を結論付けています。これをどう解釈しますか?@team_nakagawa

 前に書いた。
 その調査データに関する、日本人研究者の意見はこんな感じかな?
国際がん研究機関による原子力産業従事者の疫学調査の統合解析 水野正一

著者らは示してないが、今回の結果が、高い線量域の結果であれば、論文に対するコメントにもあるように、リスクを過大に推定している危険性はある。それが、時間経過のなかでそうなると主張するには、「未だし」という感があり、今後公表のLong detailed reportsで明らかにされることが望まれる。

 Long detailed reportってもう出てましたかね。
 こっちも否定的だね。
放射線影響協会疫学センター BMJ論文に対する当協会の見解詳細

(8)データの取り扱い
 本論文には累積被ばく線量と過剰相対リスクとの関係を明示する図または表が含まれていない。そのため、ある線量域でのみ特に大きく高値側にはずれるようなデータが偶然得られ、それに引きずられて直線勾配がかなり大きくなって、発表結果のSv当りERRが大きく影響を受けた可能性を排除できない。

 竹。

原子力を推進し、下部組織で原子力推進機関でもあるIAEAをもつ国連の出したデータに基づいた放射線被曝のリスクに関するポリシーを出しているICRPのポリシーはそれだけ見ても政治的ではないですか?@team_nakagawa

 IAEAは「原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関」。原子力の平和利用、って無理なんですかね。
 竹。

126ページからのICRPの成り立ちを含むICRPのご説明について。中川恵一先生は、中川保雄著『放射線被曝の歴史』というICRPの歴史を米国公文書からち密に調べ上げ、背景や裏情報も非常に詳細に精緻に書かれた書物を読まれたことがありますか?@team_nakagawa

 これは俺自身が読んでないから判断保留。読んだらどの程度調べ上げたものか書く。
 竹。

IAEAがWHOと協力し、放射線防護基準などを提示しています。とありますが、ヨーロッパで、WHOがIAEAにコントロールされ、独立性が保たれていないことに反対する運動があることをご存知ですか?@team_nakagawa

 運動なんかあったっけ? ミッシェル・フェルネックス博士www という人とその周辺の人が組織作ったのかな?
 フェルネックスさんは10年以上前に頭の進歩が止まっていて、「ベラルーシエートスは陰謀」という説を唱えている人です。彼に関してはあとでまとめる。
ベラルーシでの小児の健康状態ははるかに改善されている。 - buveryの日記

この動画を見ると、フェルネックスの言っていることの根拠は、会議で発表した女医さんの手書きの原稿であることが分かります。その原稿自体公表されていないし、その他の根拠があるわけではありません。しかも、フェルネックスは2002年2月22日以来、同じ話を繰り返している(翻訳はコリン・コバヤシ)ので、その話が正しいのかはもとより、その後の10年でどうなっているのかはさっぱり分かりません
それ以前にフェルネックスはエートス計画と健康状態の因果関係の根拠は何も示していません。フェルネックス本人はエートス計画で食料の汚染が減っていることを認めているわけだから、(『この農作物はセシウムは少ないので、販売することもできた。』)もし、汚染が減っても、健康状態が悪化するということであれば、被曝と健康状態は関係のないことになる

 竹。

ECRRの主張を過激なものとし、科学的根拠に欠ける、と断定できる、具体的な根拠をお示しください。@team_nakagawa

 例を一つだけあげるけど、足りないようならもう少し出す。
ECRRの福島リスク計算は妄想の産物 - buveryの日記

元に戻ってECRRは福島リスク計算をどうやって出したのか。
2μSv/hで100キロ圏が一様に汚染され、全部セシウム137だと仮定した。
空間線量のデータから逆算して表面汚染の崩壊数を計算した(空間線量と表面汚染の関係は以前に書きました)。
放射性物質は崩壊しても減衰しないと仮定した。
人は退避しないと仮定した。
表面汚染による外部被曝と癌の発症の増加比率は比例すると仮定した=ほぼLNT。
癌の死亡は10万人あたり462人を使った。
100キロ範囲の人口338万人を使った。
その係数にトンデルの論文の100kBq/m2で増加比率11%という値を使った。
以上です。これらのうち、どれが間違った仮定であるかは、ここまで読んできた人には分かると思いますが、一番の肝はトンデル論文です。これが上に述べたようにガタガタです。そもそも、トンデルのいう係数は補正をしないと2番目に高濃度に汚染されている60-89kBq/m2の地域、90−120kBq/m2に隣接した地域、にすら当てはめることができない。その計算をなぜ福島なら当てはめられるのか。従って、
ECRRの数字は妄想から繰り出したもの
であると言えます。

 竹。

129ページのクリストファー・バズビー氏が高額なサプリメントの販売に関与しているという噂は、真実ではありません。(本人に確かめました)この文は、謝罪修正しない場合は、バズビー氏に対する名誉棄損であるとも言えますが、どう考えますか?@team_nakagawa

 本人が言及している公に公開されたテキストを示してください。「本人から聞きました」はウィキペディア的に無意味。
 竹。

130ページ、20ミリシーベルトの被ばくに関しては、海外の学者からも批判がありますが、どう思われますか?@team_nakagawa

 ソースこれかな?
基準20ミリシーベルトを批判 仏の汚染調査団体 - 47NEWS(よんななニュース)

 福島第1原発事故を受け、5月下旬に福島県などで放射線量を測定したフランスの放射性物質の汚染調査団体CRIIRADのシャレイロン研究所長は1日、都内の日本記者クラブで記者会見し、日本政府が計画的避難区域の基準とする年間20ミリシーベルトの積算被ばく線量について「高すぎる」と批判した。
 シャレイロン氏は、事故直後に周辺住民は大量に被ばくしているとみられ、数値をより低く設定する必要があると指摘。「20ミリシーベルトという基準は外部被ばくだけで、呼吸や汚染された食品の摂取による内部被ばくは含まれていない」と批判した。(共同)
2011/06/01 21:12

クリラッド - Wikipedia

クリラッドには50人の研究者が所属し約5000人の会員に支えられている。マルクール原子力地区に近いドローム県ヴァランスに仏保健省の技術資格認定証をうけた研究所をもつ。フランスと国外でも測定を行う。ミシェル・リヴァジは初代の事務局長だったが、1997年ロラン・デボールドがリヴァジに代わって事務局長になった。2001年からベラルーシへの支援も行い、2005年に健康被害を調査したために幽閉されていた元ゴメリ医科大学学長のユーリ・バンダジェフスキー教授と共同の生物医療研究室をミンスクに設立した。

 またバンダジェフスキーさんですか。やれやれ。
福島第一発電所の事故の日本での影響 持続し非常に広範囲に拡散している汚染

もし、何の対策も施さなければ、福島市の住民は、今後12ヶ月に、数ミリシーヴェルトの外部被曝を受けることになり、国際放射線防護委員会による致命的ガンのリスクを受入れ難いと判断される線量は、年間1ミリシーヴェルトで、この線量は10万人に5人の死者を出す。しかしながら、日本政府当局は、住民を最終的に避難させるかどうかの指針として、20ミリシーヴェルトという限界値を設定した。これは、受入れられるリスクの20倍の致命的ガンのリスクのレベルに相当する。これは、福島の住民が既に相当被爆していること以上に重大だと言わねばならない。また汚染された食物の摂取や汚染された大地から生ずるほこりを吸い込むことによる内部被曝も、同様に換算せねばならない。

「年間1ミリシーヴェルト」というのは「平常時における管理できる範囲での、一般人の年間積算線量」で「致命的ガンのリスクを受入れ難いと判断される線量」としているテキストは見当たらなかった。
 あと、シャレイロン研究所長って「学者」? 「研究所長」って肩書きしか見当たらなかったんだけど。
 竹。

ICRPレポート111号について、セシウムの体内摂取の減衰がグラフになっておりますが、これとバンダジェフスキー論文の20Bq/kgで心筋に異常が出るのと合わせると、一日10Bqの摂取でも大人は2年以内、子どもだと3カ月以内に危険域。どう思われますか?@team_nakagawa

 バンダジェフスキーはもういい。
 竹。

140ページ、「土地を離れるかどうかの判断は、年齢と言う要素にもある程度左右されるのです」、と小さい子供や若者を気遣う文が初めて出てきています。この部分は将来の世代を守るために、非常に大事なところですから、もっと強調すべきではないですか?@team_nakagawa

 これは「気遣う文」じゃないよ。「放射能に対する感受性」から、客観的な事実を述べているだけ。文脈読め。
 竹。

P140に、日本国民の判断にゆだねられている、というのは、無責任極まりないのではないですか?小さい子供がいて避難したくても、経済的またはその他の家庭の事情で避難できない人が多い。原子力は国が推進し、国の責任で事故を起こしたので、国が補償すべきでは? @team_nakagawa

 恣意的な引用するなよ。その前のテキストから引用してみる。

 判断するのは一人ひとりの住民ですが、医者をはじめ科学者、専門家は人々が的確な判断ができるように、放射線に関する正確で、詳しい情報を提供することが何よりも大切なのではないでしょうか。政府も住民を強制的に動かすような手法をとるべきではなく、住民の意見を尊重し、理解を得た上での柔軟なルールを考える必要があります。
 ICRPが発信したレポート111号は、原発事故による被ばく問題の克服に向けた基本的考え方を示してくれるものの、具体的にどうするかは書かれていません。それは私たち日本国民の判断に委ねられているのです。

 さて、「小さい子供がいて避難したくても、経済的またはその他の家庭の事情で避難できない人が多い」の「多い」の根拠はどこらへんにありますですかね?
 竹。

142ページ、2011年10月現在で発電所の敷地境界の放射線量は最大で年間0.2ミリシーベルトです、とありますが、この数字は間違いではないですか?@team_nakagawa

 これかな? 2011年12月16日のデータ。
福島第一原子力発電所における現状の放射性物質の放出量評価及び敷地境界における被ばく線量評価について

原子炉建屋上部のダスト濃度測定結果から放出量を求め、1 号機約0.4 億ベクレル/時、2 号機約0.1 億ベクレル/時、3 号機約0.4 億ベクレル/時となり、3 基合計では約0.8 億ベクレル/時と評価した(各号機の放出量は切り上げのため合計とは一致しない)。また、海上ダスト濃度(船上)測定結果からガウス拡散モデル(30m放出)により格納容器からの放出量を求めると約0.7 億ベクレル/時と評価されたことから、1〜3 号機格納容器からの放出量の評価値を約1 億ベクレル/時とした。これによる敷地境界における一般公衆の被ばく線量を年間約0.2 ミリシーベルトと評価した。

 ただし、
福島第一原子力発電所の現状について【午後11時50分時点】2011年10月1日
 これによるとmp7で102μSv/hが最大で、893.52mSv/yですかね。
放射線量」じゃなくて「放出放射線量」なのかな?
 竹。

143ページ、原発事故自体の終息はまだですが、新たに大気中に放出される放射性物質はほとんどありません、大気中にも水道水にも放射性物質はほぼないといってよい状態です、とありますが、間違いではないですか?@team_nakagawa

 これも同じ奴ね。
福島第一原子力発電所における現状の放射性物質の放出量評価及び敷地境界における被ばく線量評価について
 15ページ、「1〜3 号機格納容器からの現時点での放射性物質放出量が1年間続くと仮定した場合の年間被ばく線量(ミリシーベルト/年)(これまでに既に放出された放射性物質の影響を除く)」によると、直下で0.1mSv/y、20km圏内で0.0004〜0.001mSv/y。
「ほとんどありません」と言っていい状況じゃないですかね。大気中・水道水にも新たなものが出たというニュースは聞かない(過去のものに関しては聞く)。
 竹。

143ページ、 もちろん私も普通に水道水を飲んでいます、とありますが、どこの水道水ですか?この文ですと、福島の汚染地帯の水も、飲んでよいように聞こえますが、これはまずい表現ではないですか?@team_nakagawa

 福島の水道水・井戸水の検査結果は以下のところで見られるよ。
福島県ホームページ - 組織別 - 飲料水測定結果・検査結果関連情報
 ほとんどNDなんだけど…「汚染地帯の水」って、どこの水で、それは何Bq/kg? データある?
 竹。

飯館村浪江町、川俣町の住民の外部被ばくがおおよそ15ミリシーベルト以下なので、発がんのリスクはほとんどないとありますが、なぜ外部被ばくだけで計算されているのですか?内部被曝の生涯における預託線量を出してください。そして生涯で少なくとも何mSvですか@team_nakagawa

 内部被曝で考慮しなければならないのは食品だけなんだけど、食品としてそんなにすごいベクレルのものは流通していない(出荷・流通していても消費者のところには届かない)。
 南相馬市のはWBCの数値出てるよ。
市民の内部被ばく検診結果(1)
 最高値は110.7Bq/kgかな。
 南相馬市の住民の外部被曝は平均して2.03mSvなんで、ざっくり15mSvの環境での予想最大値を出すと817.9Bq/kg? そんな人はいないだろうと思うけど、南相馬市「50年預託実効線量で1mSvを超えたのは1名のみで1.069mSvでありました」ってあるんで、ざっくり15mSvの環境での予想最大値を出すと6.972mSv? これは「多くても」ね。50年でこれだけの線量…何か体に影響ありますかね?
 竹。

144ページ、ヨウ素半減期8日で、もうこの世から消えてしまったと言いますが、その後、ヨウ素は幾度か検出されています。間違いではないですか?@team_nakagawa

 変な測定です。
「東京で大異変…ヨウ素が急上昇!何が起きているのか」(zakzak)であわてた、忙しい人のためのまとめ - Togetter
放射線治療に使用されたヨウ素I-131はどこへ? - Togetter
 要するに、検出した人が間違ってる。
 竹。

原発近隣の住民が飯館村に多く避難し、結果として避難した先でより高い放射性物質にさらされた可能性が生じてしまいました、と書きながら、「その時の被ばく量はわずかでがんができるようなレベルではないことを確認しておきたいと思います。」と。この根拠は何ですか?@team_nakagawa

 ちゃんと本に書いてない?

 12月、福島県飯館村浪江町、川俣町の住民に対して行った外部被ばく線量の調査結果を公表しました。それによると、1727人のうち、原発作業員・放射線技師などを除いた一般住民1589人において、外部被ばく線量は1ミリシーベルト未満が最も多く63%、1ミリシーベルトが23%、2ミリシーベルトが8%など、5ミリシーベルト未満が97%を占めました。これは事故後4ヵ月間の合計で、自然放射線量を引いたものですが、この数値を見る限りでは、健康に問題が出ることはないでしょう。
 ただし、5ミリシーベルト以上の外部被曝をした3%の住民はどうでしょうか。最高値は14.5ミリシーベルトです。単純計算をしますと、年間積算線量はおおよそ43.5ミリになります。ただし、この数字は、事故直後の影響が大きく出ているため高くなったもので、後述する内部被ばく量を考慮しても、健康へのリスクを心配する必要はまずないと思います。

 新聞記事だけど、図とか載ってるからわかりやすいかな。
asahi.com(朝日新聞社):外部被曝 住民最高14.5ミリ 福島県が推計値 - 社会
 最大積算が19.0mSv。こっちはちょっと多いね。
 竹。

中川先生が金科玉条とされているICRPの予測でも、今後50年間で、200km圏内のガンの過剰発生数は6000人と見積もり。なぜICRPの数値でも6000人と出ているのに、「福島でがんはひとりも増えない」と違うことを先生は主張されているのですか?@team_nakagawa

ICRPの予測でも、今後50年間で、200km圏内のガンの過剰発生数は6000人と見積もり」というのは2ちゃんねるとあなたのテキスト(『人間と環境への低レベル放射能の脅威―福島原発放射能汚染を考えるために―』あとがきその他)をソースにしているものしか見つからなかった。ICRPはそういう予測する組織じゃないんじゃないかと思うんだけど、あなたが引用しているICRPのオリジナル・ソース見せて。
 参考。
低線量被ばくのリスクからがん死の増加人数を計算することについて

集団実効線量は,最適化のための,つまり主に職業被ばくとの関連での,放射線技術と防護手法との比較のための1つの手段である。集団実効線量は疫学的リスク評価の手段として意図されておらず,これをリスク予測に使用することは不適切である。長期間にわたる非常に低い個人線量を加算することも不適切であり,特に,ごく微量の個人線量からなる集団実効線量に基づいてがん死亡数を計算することは避けるべきである。

(2012年8月26日追記)
 その後、以下のようなことがわかりました。
竹野内真理(@mariscontact)さんのデマです→「ICRPの予測でも、今後50年間で、200km圏内のガンの過剰発生数は6000人と見積もり」 - Togetter
 竹。

原発労働者で過去に5mSVの被ばくでも白血病の労災を得ています。148ページ外部被ばくだけでも5mSVを超える住民がいる中、住民の中には、放射能に対する感受性が高い者もいる可能性がある中で、健康へのリスクを心配する必要はまずないと言えるのはなぜですか@team_nakagawa

 逆質問&感想。

人間性の批判はともかく内容についての質問「原発労働者で5mSVの被ばくでも白血病の労災」というのは誰のことですか?29歳で白血病で亡くなった嶋橋伸之さんは総被曝線量50.63mSvです。 http://bit.ly/OYmzxJ (akachun)

なるほど、嶋橋さんのケースで言われているのは「年間5mSvを超えたら労災認定」なんですね。8年の累積が40mSvを超えてるということで労災認定の対象(因果は証明不能だけど救済対象)と。「救済されるべきかどうか」と「予防するべきかどうか」は別の話ですね。全ての原発作業者の被曝量上限を年間5mSvに制限するべきか、というのは別の議論になる。(tarlyon)

 竹。

体制側の報告でも、子どもは大人に比べ、数倍感受性が高い中、先生が「福島で小児甲状腺がんが増えることはない」と断言される理由は何ですか?また実際にこの言葉を信じ福島に居続けた子どもの中で、甲状腺ガンが過剰に発生した場合、先生はなんらかの責任をとりますか@team_nakagawa

 もう責任の話はいい。
 本に書いてない?

 チェルノブイリで一般市民に表れた小児甲状腺がんの増加も、福島では起きないでしょう。ヨウ素甲状腺内部被ばく、そして、セシウムによる外部・内部被ばくの量が、チェルノブイリよりずっと少ないことが確認されています。それは、4章でも述べましたが、事故後福島では汚染食品や牛乳の摂取制限がいち早く行われたためです。これはチェルノブイリ事故の教訓が活かされた、非常に重要なことでした。

 竹。

福島県民4463人の内部被曝検査の結果、最大数値で3mSVだったとあります。WBCを使った数値ですか?だとするとアルファ線ベータ線が計測できず、内部被曝の最も恐ろしいのは、このアルファ線ベータ線であるので、科学的におかしくないですか?@team_nakagawa

 アルファ線ベータ線が恐ろしいということは特にないよ。プルトニウムストロンチウムがすごく多くあったりしたら別だけど、福島原発の影響ではそんなに出ていない。
 竹。

東大病院で医師や原子力工学、理論物理、医学物理(保健物理の間違い?)の専門家とチームを組んで放射線治療に当たっており、ともに福島に定期的に足を運んでいるそうですが、メンバーは誰?メンバーに、放射線分子生物学者や遺伝学者、免疫学者が入っていないのはなぜ@team_nakagawa

 メンバーは公開されてるね。
スタッフ | 東京大学医学部附属病院 放射線科 放射線治療部門
 放射線分子生物学者って…いるのかな? 分子放射線生物学というのはあるので、その学者はいるみたいだけど。
 それも含めて、遺伝学者、免疫学者は放射線」とは関係あるかもしれないけど、「治療」とはあまり関係ないね。だからじゃないの?
 竹。

福島に派遣されたチームの方々が妊婦や赤ちゃんの相談も受けたようですが、妊婦や赤ちゃんの相談にのるのは産婦人科の方の仕事だと思います。どうしてチームの中に産婦人科の医者がその中に入っていなかったのですか?@team_nakagawa

 妊婦や赤ちゃんの放射線被曝の相談にのるのは放射線科の仕事
 竹。

「妊婦さんや赤ちゃんは避難することも一つの判断ですが、むしろ、総合的に見て避難した先でストレスを抱えながら暮らすほうが、心配です」と、総合的な判断を独自にされていますが、何を根拠にしていますか?この選択をして健康の実害が生じた時、責任をとりますか@team_nakagawa

 もう責任の話はいい。
 子供に関してはこんな話もある。
子供時代のストレスで心臓病やがんなどのリスク上昇 | あなたの健康百科 by メディカルトリビューン

一方、米国では1万7,000人を対象に、(1)身体的虐待、(2)絶えず言葉で罵倒する、存在価値を否定するなどの心理的虐待、(3)ネグレクト―といった幼少期のストレス要因に関する疫学調査が実施された。この調査では、幼少期のストレス要因の多くが、平均寿命を約20年短縮させることが示されている。

 これは元データ情報待ち…。
 竹。

高齢者の発がんリスクは高くなく、多くの場合、10~20年と長くかかり、高齢者にとって生活環境が大きく変わってしまうことはストレスになるので、老人ホームを無理に動かさないほうがよいという考え方を示していますが、そこで働いている若い女はどうですか?@team_nakagawa

 これ、飯館村特別養護老人ホーム」の話に限定して中川さんは語ってるね?
 2011年5月25日の状況。
『深刻な事態』(39) 飯館村特別老人ホーム所長三瓶政美さんのお話:イザ!

放射線は国の言うことを信用して、20ミリシーベルト以下として、施設には若い職員もいる、介護には不都合にならないスタッフがいて、しかし、30人近くスタッフはなくなっています(140人のうち30人抜けた)。遠い距離から通える人は限られています。
法人には東電の仮払いは来ていません。
このホームに特養で80人入所待ちなのです。飯館村を離れても、将来また入りたいという人がいるのです。今は、新たな受け入れは出来ていません。

 まぁ、働いている若い女性といっても住み着いてるわけじゃないんで、10〜20キロも離れれば、場所によっては大丈夫なんじゃないかな?
 24時間、誰かがいないといけないだろうけど、放射線量気にしながら働けばどうなんですかね。
 竹。

住民の声「除染に何億も使うより移転のための費用にしたほうがいいのではないか「なぜ子どもだけでももっと早く避難させなかったのだろう。」「飯館は大部分が山ばかりのところ。除染できないんじゃないか」これらの声を聞いて、具体的になにをされたか何かやるのか@team_nakagawa

 そんな「住民の声」は、竹野内真理さん及びその子・孫テキストしか見つからなかった。
 竹野内さん、そのテキストはどこでどういう方法で拾いましたか?
 竹。

セシウムが地面から下に進む速さは年間1cmとあり、つまり、せっかく地表からなくなっていっても、その場所で農業をしたら野菜が根からセシウムを吸い上げ、チェルノでも事故から年数がたって内部被曝が継続し健康被害が増えている。汚染地帯の農業は廃止すべきでは?@team_nakagawa

 植物のセシウム移行係数見たほうがよくなくない?
農地土壌中の放射性セシウムの野菜類及び果実類への移行の程度
 米・麦に関してはこっちかな?
放射性セシウムQ&A 第3回  土壌から野菜への放射性物質の移行はほとんどありえない: 農と島のありんくりん

●多いと言われる葉物のホウレンソウでさえ1000分の1.1の数値です。これは現在の暫定規制値である500Bq/kgを超えるためには、土壌のセシウム濃度が約45 万Bq/kg というありえない数値にならねばなません。

 地表から20センチぐらいまでのところね。20センチセシウムが沈むまでには20年かかるから、20-30センチまでの土壌のセシウムの量を見れば問題ない。
 竹。

放射線防護の観点から、児童や生徒のケアはことに重要で、除染もこうした場所から優先的に行われるべきです、とありますが、なぜ避難を不完全な除染より優先させないのですか?除染ビジネスの利権の話がよく聞かれますが、中川先生はこの点をどう思われますか?@team_nakagawa

 書いてあるじゃん。

 地表を剥ぎ取って、除去する除染をしっかり行えば、セシウムによる被ばくリスクを効果的に取り去ることができるのです。
 学校の校庭では生徒が体育や部活動で激しく運動し、泥だらけになります。土埃を吸い込んでしまう可能性もほかの場所より高いのです。放射線から公衆を守る放射線防護の観点から、児童や生徒のケアはことに重要で、除染もこうした場所から優先的に行われるべきです。

 あと、竹野内さん、除染ビジネスの利権の話は、どこらへんでどのような形でよく聞きますか? それは「よく」と言われるレベルのものですか?
 竹。

p160「哲学的な命題が、生活上の課題になったと言えるでしょう」の「哲学的な命題」とは何ですか?私は今回の原発事故及び放射能汚染は、そのような抽象的なものではなく、原発推進企業、政治家や官僚、学者が起こした、壮大な社会問題・犯罪だと思うがどうですか?@team_nakagawa

 書いてあるじゃん。

健康、環境、経済、心理、倫理などが複雑に絡まり合う難題(つまりリスクの中にある人生のあり方そのもの

原発事故及び放射能汚染」の話はもういい。ていうか、この本のテーマでは多分ない。
「リスクとそれを背負った人生をどう生きるか」という命題(テーマ)の本なんだ。
 竹。

外に布団を干しても大丈夫である、気になる人は、布団にカバーをかけて、取り込む時、カバーを振るだけで放射性物質は払い落せますとあるが、落された放射性物質を吸わないように、マスクをつける、家の中に入らないように窓を閉める、などの注意点も必要では?@team_nakagawa

 気になる人はそうすればいいんじゃね? 俺は気にしないけど。
 竹。

中川先生は高汚染食品を山菜に限ってしかリストせず、生体濃縮が激しい魚介類はリストしていませんが、なぜですか?また魚介類は鮮度を保つため、測定値が出るのは、すでにその魚介類を市場に出荷してからだそうですが、この点をどう思われますか?@team_nakagawa

 こんなのはどう?
雑誌は「魚で進む『放射能濃縮』」、研究者は「生物濃縮はかなり低い」 | 科学技術のアネクドート

(2011年)6月1日に東京・弥生の東京大学で開かれた日本農学会の公開シンポジウムで、元水産庁中央水産研究所海洋放射能研究室の吉田勝彦さんが、同研究所の笠松不二男氏が1999年に魚介類の放射性セシウムの生物濃縮の進みかたを調べた結果を紹介しました。
それによると、海水中の放射性セシウムの濃度を1とすると、動物プランクトンの段階で10倍から100倍のあいだとなります。
しかし、軟体類、甲殻類、小型魚類、大型魚類と進んでも、放射性セシウムの濃度は、10倍から100倍のあいだにとどまり、最初の段階の植物プランクトンとあまり変わらないことを吉田氏は示しています。

 出荷されてからセシウム出たりするのは魚介類だけじゃないよ。捕る(作る)→出荷する→出たら市場に流れない。
うんこ先生(@ aotanisaburouさん)と一緒に農家の出荷・流通について考えてみよう - Togetter
 竹。

過去に先生は、ヨウ素のみに絞って、魚介類は大丈夫と早々に宣言され、その後、魚介類からCs基準値越えのコウナゴが出てきました。この時の間違いを謝罪しましたか?中川氏「魚は安全」動画http://t.co/29DKgeTr@team_nakagawa

 謝罪は確認できなかった。コウナゴから出たのは「放射性ヨウ素 (1キロ当たり4080ベクレル)」じゃなかったかな。「1キロ当たり12500ベクレル」のセシウムが出たのは売るためのコウナゴからじゃなかったと思う。あ、今年も出てたっけ。
 あと、コウナゴって1-2か月で世代が変わる稚魚なんで、去年と今年我慢すれば大丈夫なんじゃないかな
 竹。

p167、子どもは大人に比べ、放射性ヨウ素を摂取した場合の甲状腺に対する影響が成人に比べ10倍ほど高くなる、とありますが、本書のほとんど終りに近い部分で、大事な数値が初めて出ているが、子どもを守りたい母親のために本の帯に入れるべき内容ではないですか?@team_nakagawa

 そんな無駄な危険あおり入れて、無駄に怖がらせてどうすんの。
 現在子供に危険なレベルの放射性ヨウ素なんて福島原発から出てないじゃん
 竹。

100Bq/kgという規制値で、内部被曝の観点を考慮しても、安心してよいとする、根拠は何ですか?海外の科学者でこの数値が高すぎると指摘する人々がいます。(バンダジェフスキー博士など)病理や臨床のデータをもとに具体的にお示しください。@team_nakagawa

 バンダジェフスキー博士などって…バンダジェフスキー博士とその仲間以外に誰がいるの? 国際的に信頼できる学者が、インパクト・ファクターの高い雑誌で発表した論文で、その数値が高すぎると言っている例見せて。
朝日新聞デジタル:食品の放射線新基準、どう決めた?

Q 新基準案はどう決めた?
A 厚生労働省はまず、食品からの被曝(ひばく)線量を、1年間で1ミリシーベルトを超えないようにすると線引きした。食品の国際規格を決めるコーデックス委員会の食品基準をふまえた。
 そのうえで、飲み水は1リットルあたり放射性セシウム10ベクレルと決めた。これは世界保健機関(WHO)の基準に従った。この10ベクレルの水を1日2リットル1年間飲み続けるとすると、体が受ける放射線の量は約0.1ミリシーベルトになる。全体の限度1ミリシーベルトから飲料水分の0.1ミリシーベルトを差し引くと0.9ミリシーベルト。これが他の食品からの被曝限度になる。
 では食品1キロあたりに含まれる放射性物質が何ベクレルまでなら、年間0.9ミリシーベルトにおさまるか。1日あたりの食品の平均摂取量をふまえ、年齢別・男女別(妊婦含む)に10グループで計算した。
 その結果、13〜18歳の男性が120ベクレルと最も厳しい数値がでた。食べる量が一番多い年代だからだ。さらに数字を引き下げて余裕を持たせ1キロあたり100ベクレルを一般食品の基準にした。現在の暫定基準値500ベクレルの5分の1になる。
Q 子どもの食べ物は? 
A 子どもがたくさん飲む牛乳と、粉ミルク、ベビーフードなどの乳児用食品は一般食品の半分、50ベクレルにした。
 これで1年間食べ続けた場合の被曝線量はどうなるか。飲み水、乳児用食品、牛乳はすべて基準値の上限いっぱい、一般食品の半量が基準値の上限と仮定した試算がある。1歳未満は0.29ミリシーベルト、1〜6歳の男の子は0.37ミリシーベルト、女の子は0.36ミリシーベルト。最も高い13〜18歳男性の0.8ミリシーベルトの半分以下だ。

 竹。

福島の7人の母乳から2〜13ベクレル/リットル検出されたが、その特定方法の正確性が疑わしいことと、「母子ともに影響はないと言っていいでしょう」と主張されています。正確性が疑わしいなら、なぜ再検査されようとしないのか?また影響がないとも言えないのでは?@team_nakagawa

 ソースこれかな?
7人の母乳から微量の放射性セシウム…福島 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 厚生労働省の研究班は7日、東京電力福島第一原発の事故を受け、福島、宮城など8県で実施した母乳に含まれる放射性物質の検査結果を発表した。
 授乳中の母親108人のうち、福島県内の7人から微量の放射性セシウムを検出した。研究班では、「大気や食品中の放射性物質の影響と考えられるが、母体、乳児とも長期的な影響も心配がない量。普段通りの生活をしてほしい」としている。
 調査は、5月18日〜6月3日に福島、宮城、山形、茨城、栃木、群馬、千葉、高知の8県、108人から提供された母乳を調べた。事故の影響を調べるため、原発から離れた高知県も対象に含めた。
 その結果、福島県相馬市、福島市いわき市二本松市の7人から母乳1キロ・グラム当たり1・9〜13・1ベクレルの同セシウムが検出された。同ヨウ素は検出されなかった。母乳には暫定規制値がないが、厚労省は、飲料水の規制値を参考に、同セシウムは1キロ・グラム当たり200ベクレルを安全性の目安としており、これを大きく下回った。
(2011年6月7日20時42分 読売新聞)

 厚生労働省のデータ。
母乳中の放射性物質濃度等に関する調査について

測定結果の検出下限値が変動している理由
放射性物質の検出下限値は、一般的にはゲルマニウム半導体検出器の検出効率、検体量、測定時間などによります。本研究では測定時間は3時間に統一し、機器の検出効率もほぼ同様のため、検出下限値の変動は主に検体量(母乳量)の違いによるものです。母乳はその性質上、検体量を揃えることが困難なことから検体によって検出下限値が変動しました。
なお、牛の原乳や飲料水を測定した結果と今回の母乳の測定結果の検出下限値が異なる理由としては、母乳は検体量(今回は100ml程度で測定)が牛の原乳などの検体量(牛の原乳は1lあるいは2l程度で測定)に比べ少ないため、検出下限値は違ってきます。

 1人につき母乳1リットルぐらい取れれば正確な数値が出るかもしれないね。取れないなら、何度再検査しても正確な数値は出ないんじゃないかな。
 竹。

20ミリシーベルト以下なら、放射能を浴びても妊娠しにくくならないという根拠は何ですか?広島、長崎でも原爆投下直後に妊娠しようとした人はほとんどいなかったはずです。また、そのような実験や研究は行われていないと思いますが、具体的な根拠は何ですか?@team_nakagawa

 こっちを見ると女子の「不妊」は「200mSv以下」だね。20mSvというのは、1年目の暫定被曝基準すれすれでも、という風に俺は解釈した。
放射線の確定的影響と確率的影響 (09-02-03-05) - ATOMICA -

(a)生殖腺(gonad)
 この確定的影響は不妊で、ICRPの1990年勧告付属書Bは表1のしきい線量を記載した。2007年勧告付属書Aでは、これに加え、一回被ばくで発症1%のしきい線量として、男性で、一時的不妊は約0.1Gy(3−9週間で発症)、永久不妊は約6Gy(3週間)、また、女性の永久不妊は約3Gy(1週間未満)の値を示している。

表1
 竹。

また近年における不妊に悩む人の増加は、医学者として、何が原因と思われますか?核時代の到来により、環境中に高まった放射線の影響や医療放射線の影響がまったくないとは言えないのではないですか?@team_nakagawa

 素人としては、晩婚なんじゃないの?
Fertility - 不妊症は増加している? 赤ちゃんを持てる可能性は高いのです

1960年代から1980年代にかけて、多くの西欧諸国で原発不妊症が増加しました。これは、卵管を損傷する骨盤内炎症性疾患が増加したためと考えられています。
1980年代には、原発不妊症の数が大きく変化することはありませんでしたが、生殖年齢に達した女性の数が増えたため、1980年代末には不妊症の数が全体として増加しました。
その後、西欧諸国では出生率が大幅に低下しました。これは社会情勢などにより、出産するタイミングを遅らせたりあきらめたりするカップルが増えたためです。同時に、35歳を過ぎると女性の妊娠しやすさは急速に低下するにもかかわらず1、この年齢で初めて出産する女性の数が2倍以上になりました。
矛盾しているように見えますが、その理由は?
キャリアを優先させるなどの理由で、赤ちゃんを先延ばしにするため
35歳から49歳の女性の数が増加したため
カップルが持つ子どもの数がますます減っているため
生殖補助医療(ART)が進歩したため
赤ちゃんを30代後半まで先送りすることはできますが、この年齢になると20代の時のように簡単には妊娠できなくなるのです。

 子供を産むリスクは、加齢ってのがけっこう高い。
 竹。

p178「広島、長崎の調査や、原発従業員、医師や放射線技師に関する被ばくデータからも、年間100mSVより少ない被ばくで発がんリスクが上昇したことは確認されてない」というが、労災認定が下りた労働者で、100mSV以下の人は複数いる。どう考えるか?@team_nakagawa

 少し調べる。
Peace Philosophy Centre: 原発等被曝労災一覧
 この表によると、労災認定受けたのは10人ですかね? 一番少ない人は40mSv?
 匿名請求は、当人の意思もあると思うので、実名の人だけ調べる。JCO東海の人3人を除くと、嶋橋伸之さん・長尾光明さん・喜友名正さんですか。

放射線被ばく者に対する白血病の労災認定基準は、七六年に労働基準局長通達として出された。?相当量の被ばく?被ばく開始後少なくとも一年を超える期間を経ての発病?骨髄性白血病またはリンパ性白血病であること―の三要件を定めている。相当量の被ばくは「五ミリシーベルト×従事年数」

 面倒なのでリンクだけ。
原子力損害賠償法を検討してみるブログ ・従業員,作業員の被爆,損害 その3 立証
 多分労災認定基準と発がんリスクとは違うんじゃないかな。
 竹。

p181、西日本のほうが自然界から受ける放射線の量が多いので、西日本に逃げるのはナンセンスとありますが、西日本の自然放射線は、土壌や岩石からくる外部放射線であり、原発から放出された放射性微粒子で覆われた東日本の放射線とは種類が違うがなぜ一緒にするのか@team_nakagawa

 同じです。
 竹。

肥田舜太郎先生は広島原爆および原発事故後低線量被曝と思われる人々の相談を多数受けて診られているが、中川先生は内部被曝者についてどのくらいの臨床経験がありますか?@team_nakagawa

 原発事故は肥田舜太郎先生の「2009年の引退」以後だから、診断はしてないよね? 相談受けてるだけ。
 大学の医学者としては臨床経験よりも研究業績なんじゃないの? 町医者じゃないんだから。
 その点、肥田舜太郎さん、どうなの?
CiNii Articles 検索 - 肥田舜太郎
 それに対して、
CiNii Articles 検索 - 中川恵一
 竹。

先生の場合は、放射線治療を施すことで、副作用の被ばくによる二次がんができる患者さんがいらっしゃると思うのですが、二次がんのできた患者は全体数のうちのだいたい何%か、そして二次ガンのできてしまった患者さんたちの5年生存率をおおまかに教えてください@team_nakagawa

 この質問、一般的なものとして前になかった?
悪性腫瘍の放射線治療と二次がん

二次がんの発生頻度は、全放射線治療患者数を母数とした場合0.06〜0.50%であり、推定5年生存者数を母数とした場合0.15〜1.57%で、それぞれの平均をとると0.11%および0.30% である。

 要するに、普通に1%以下。
 その人たちの5年生存率は、がんの種類によるんじゃないかな。一次・二次とかじゃなくて。
 竹。

3200Bq/kgの牛肉200グラム食べても、0.01ミリシーベルトの被ばくにしかならない、とありますが、この根拠となる計算式をご提示ください。それから、年齢別にはどうなるかも教えてください。@team_nakagawa

 200gだと640Bqかな?
 ここで計算する。
ベクレル(Bq)、シーベルト(Sv)計算・換算
 計算式は下のテキストをずっと見ていくと分かる。
 セシウム137で8.32μSv。0.0083mSvだからちょっと少ないですかね。
 年齢別はここ使うといい。
食品による年齢別の内部被曝ベクレル(Bq)シーベルト(Sv)換算ツール
 セシウム137に「3200(Bq/kg)」と「0.2(kg)」を入れる。
 ICRP基準だとこんな感じだね。ECRR基準もある。

〜1歳 〜2歳 〜7歳 〜12歳 〜17歳 17歳以上
13.440μSv 7.680μSv 6.144μSv 6.400μSv 8.320μSv 8.320μSv

 竹。

除染の押し付け合いが起きないような仕組み作りが急がれ、その意味で東京都が被災地のがれきを受け入れたのは素晴らしいとありますが、除染の際に押し付け合いが起きないように、放射能に汚染された土やモノは、隔離するのが一番良いとは思いませんか?@team_nakagawa

 汚染の規模によるんじゃないの? そもそも100Bq/kgとか出た震災瓦礫で広域処理してるものってあったっけ?
 竹。

東京都ががれきを受け入れ、大気中に放射線の微粒子を燃焼によって拡散するのは、環境をさらに放射能汚染させ、焼却炉周辺住民に呼吸からの内部被曝を促進しとんでもない政策である、と、多くの市民団体や海外の学者も指摘していますが、この点はどう思いますか?@team_nakagawa

 その市民団体と海外の学者の主張の元テキスト見たいんでソース示して。そういう主張をしている人って、どうせガンダーセンとかでしょ。
 竹。

185ページ なぜ健康被害ではなく、風評被害ばかり心配されるのですか?福島の農家の皆さんを本当に心配されるならば、なぜ手厚い補償をし、彼らが汚染されてない場所で農作業ができるように、政府に学者としての勧告を出さないのですか?@team_nakagawa

 農作業している人で、汚染されている土地で働いてる人はいないし、すごくベクレルが出ている農作物もないのに、デマ(風評被害)飛ばす奴がいるから、そりゃ心配になるよ。
 竹。

代謝の遅い心臓などでは、バンダジェフスキーの言うように、セシウムが体内濃度の10倍も心臓に溜まり、体内のセシウムが10〜20Bq/kgであっても、心臓に異常をきたすことを、臨床や解剖で突きとめています。この点について反論できるデータはお持ちですか?@team_nakagawa

 バンダジェフスキーが同人誌に書いた論文みたいに見えなくもない、査読も不十分なテキスト以外に、それを立証しているちゃんとした学術論文あるの?
 
 これは以下の日記に続きます。
レベルの高い自称翻訳家・ジャーナリストの竹野内真理さんに質問します