ブックマーク・RSSから(2006/09/25)

あとでぼくのブックマークに入れたり入れなかったりするものの候補です。
ミラーサイトとのアクセスバランスがあまりよくないので、元ネタリンクしていただけるようなら以下のところにお願いします。
愛・蔵太の少し調べて書くblog(今のところ、あちらのほうをこちらより少し早く更新するようにしています)


第弐齋藤 土踏まず日記:石田敦子アニメがお仕事!』5巻


あとがき4コマ漫画で、アニメーターの人はその人が描く原画のタイミングで本人も動いている。 ボウリングとかちょっとしたスポーツをするとそれがわかりやすい。 ってぇお話があって「へー」と思ったわけですが。
↑アニメーターが主役の漫画から、その肉体の動きと原画について考える。あとその仕事について。

電氣アジール日録:もっとも醜い人々のもっとも美しい友情


この作品のキモは、むしろ、渥美清の山口一等兵と、小沢昭一演じる三国人、王との友情だろう。小沢演じる支那人の理髪師、王は、戦時中は日本人のイジメに遭って貧乏暮らしを続けているが、同じくアブレ者の渥美演じる山口一等兵だけは彼に対等に接して、出征前にも親しげに髪を刈ってもらいに来る。それが、戦争が終わると、戦時中の日本兵への恨みの反動で、もぉ典型的なアコギな三国人ぶりを発揮して、中華民国の代紋をかざして焼け跡の土地を勝手に占有して店を立て、調子に乗って日本人の妾を作るわ、占領軍物資のヤミ商売やらをやりだす。当然、復員兵をはじめとする日本人の反発を買うわけで、ここでゴロツキを集めて襲撃に来るのが田中邦衛、この場面はノリが『仁義なき戦い』シリーズそのまんま(笑)ところが、この小沢演じる典型的第三国人が、同時に、戦中も唯一自分と対等に接してくれた渥美の山口復員兵に対してだけは、一貫して代わらぬ篤い友情を示すわけわけである。最後は、この王大人、日本人妾のそのまた情夫に刺されたうえ、朝鮮戦争を契機にした特需景気も去ったため財産もすってんてんになり、新天地でやり直そうと言ってサイゴンベトナム)に渡ってしまうわけだが、その別れの前に、昔と同じように、渥美の山口復員兵の髪を刈ってやるのだ。
渥美清の映画『続・拝啓天皇陛下様』の感想です。アブレ者の元一等兵三国人の友情。

@戯画的日乗:編集以前


我々の前に起こったこと、例えば昨日の24時間を再現しようとすれば、24時間かかるはず。それを通常は「昨日はこうこうで・・」と、何分かにまとめて話すことをしている。本や映画の説明を考えるとわかりやすい。実際との間に、たくさんのことがらを端折って伝えているわけである。そういうものはノイズとして処理される。我々がノイズとして捨てたもの、その集積に大事なものがあるのではないか…。常々そんなことを思っていた。
↑「生(なま)の体験とは、編集されていないことである」と言った茂木健一郎氏の言葉を考える。

Product Design Data Base(工業デザインデータベース)


a showcase of different Japanese consumer products from the '70s, '80s and '90s, mostly, including everything from phones, radios, TV sets, audio sets, cameras to vehicles.
↑昔の工業・商業デザインの広告データベースです。美しかったり懐かしかったり。via Fresh News Delivery

理系男に送る恋愛分析BLOG:女が自分の好みを語るとき。


おんなの好みや考え方など10人いれば10通りある。100人いれば80通りぐらいあるかもしれない。そして彼女たちはその自分達の価値観に対してかなり偏狭であって妥協しない。服や映画や音楽の趣味。男の趣味に遊びに行く場所などなど、上っ面では友達だが、本当に何でも話せる気の合う友達はこの辺の趣味がかなりあっていないとなれないようだ。だからたとえば女同士でも、本当に気の合う女友達は非常にレアらしい。
↑「カップリングでもめる」という、腐女子間のエピソードを思い出した。

9m2 blog:「陸奥爆沈」読了


吉村昭の追悼シリーズの最終巻「陸奥爆沈」を読了した。1943年6月8日、謎の大爆発を起こして泊地・柱島沖の海底に沈没した戦艦「陸奥」の事故を扱ったものである。小説ではなく、著者自身が沈没の原因を探っていくルポルタージュの形式になっている。記憶が曖昧になっていたり、他の記憶と混交していたりするリスクを承知しながらも、生存する関係者への取材を徹底して行っており、刑事事件捜査における捜査官のような執念を感じさせる。
吉村昭陸奥爆沈』の感想。戦艦陸奥の砲身その他が大和ミュージアムで見られるそうです。

遠近法ノート:ロシアアニメ傑作選なのです。


Yahoo!動画で「ロシアアニメ傑作選」というのをやってます。52本ものロシアアニメが無料で観られるんですよ。Yahoo!動画あなどれません。
Yahoo!動画。げー、本当にあなどれない。2006年11月30日まで公開だそうです。無料。

中の人などいない日記:赤い部屋はいかに改装されたか?


わたしもカテゴリー[狼少年]でたびたび取り上げてきた斎藤貴男先生が、オーマイニュースで大人気のようです。コメントの伸びが凄いですよ。
江戸川乱歩「赤い部屋」の変なトリック。ちなみにこの小説は赤とか左右とか関係ないと思う。

radioya:そもそも「Web 2.0」自体に意味はない


Googleamazon が「目指すものを作った結果」、それが「Web 2.0」と呼ばれているわけで、別に彼らは、Web のバージョンアップを行なったわけではなく、サービスのバージョンアップを行なっただけだ。
↑顧客が求めるサービスを提供する・し続けること、それがWeb 2.0

果てはダイアリー:全く容易に女性をするというわけではありません。


「わたしって本当に甘い妻だなぁ」って甘いのはあんたの頭の作りだよ!とか言いたくなる。何だかこういうの見ると結婚に絶望しますよね。きっと子どもが出来たら「頑張って勉強して、絶対にお父さんみたいになっちゃ駄目よ!」とか言ったりするんですよ。「
↑JRで見かける車内広告について。人妻ってなんか1970年代ポルノっぽい響きだ。

 

「ブックマーク・RSSから」を追加しました

「ブックマーク・RSSから」を以下の日付に追加しました。
ブックマーク・RSSから(2006/09/13)
ブックマーク・RSSから(2006/09/14)
ブックマーク・RSSから(2006/09/15)
 
なお、リスト形式のものは以下のところにありますので、ぼくのブックマーク・RSSについてリンク・言及される場合(リンク先を「via」みたいな形で明記する場合)はそちらにリンクを貼っていただけるとありがたいのです。
愛・蔵太の少し調べて書くblog:ブックマーク・RSSから(2006/09/13)
愛・蔵太の少し調べて書くblog:ブックマーク・RSSから(2006/09/14)
愛・蔵太の少し調べて書くblog:ブックマーク・RSSから(2006/09/15)
 
だいぶ日付的にはややこしいことになっていますが、しばらくこのまま続けます。
(2006年09月21日記述)
 

消えものニュース(2006年09月21日)

※ニュース入手元に言及していないニュース系サイトには、原則としてリンク・言及しません。
※今日から1行コメントをつけました。ちょう面倒だけどリンク先見てくれる人が少し増えるとうれしい。
※だいぶ溜まってしまいました。ケセラセラです。
 
Yahoo本社でDELLノート爆発、数百人が避難(via はてブニュース)
テロとの区別がつきません。
腕利き携帯電話販売員の時給は2,000円(via Exciteニュース ブログニュース最新100件)
腕利き書店員の時給の3〜4倍ぐらいなんですけど。
宮崎日日新聞社 - ミクシィとブログ(via はてブニュース)
「上げ」という隠語。この新聞記事がブログだったら中炎上ぐらいしてたかも。
襲われた女性が逆襲し殺し屋を絞殺 夫が殺害を依頼(via Shamrock's Cafe)
それ、ヒッチコックの『ダイアルM』の盗作です。
「一発成功」「常に向上心」5カ条掲げ泥棒「ジョブ」(via 13Hz!)
その割には「遊ぶ金欲しさ」で「駐車場荒らし」で「CD窃盗」というのが情けない。
面接世論調査:無理な回収目標廃止の動き続々 国・自治体(via 繰り言)
「7割回収」というのはとても難しいと思います。
アルカリ電池の100倍の電力を誇るプラスチック電池(via Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン))
実用化されるにはまだまだ時間がかかりそうですが。
教皇ベネディクト十六世のレーゲンスブルク大学での講演(via あんとに庵◆備忘録)
全文の公式翻訳。これを元に何か言ったりすることが望まれるようです。
国旗掲揚時の起立強制は違憲、地裁が都に賠償命じる(読売新聞)(via はてブニュース)
違憲の判断までしています。裁判長は難波孝一氏。
インプレスR&D調査、電子書籍市場は前年比約2倍の94億円に(via booplog)
規模としてはまだまだですが、今後さらに伸びる可能性もあると思います。
3人に2人は毎週アイスを食べる、容器への不満は「残しておけない」がトップ(via newsing(ニューシング))
甘いものって何かの中毒性があるような気がする。
「牛乳の飲みすぎは有害」ってホント?(via newsing(ニューシング))
何でも飲みすぎ・取りすぎは有害だとは思いますが。
公園のベンチが人を排除する? 不便に進化するホームレス排除の仕掛け(via caprinのヲタ更正日記)
オーマイニュースも政治・社会批判するならこういう記事もっと載せるといいのに。
デトロイト・メタル・シティ渋谷系元ネタ集(via 萌えプレ)
メタル系用語よりも渋谷系用語のほうが多い漫画だったのか。
終業式で打ち上げ、生中5杯飲み運転…教諭“終業” 【ZAKZAK】(via 万(よろず)箱)
公務員は原則懲戒免職みたいになっているみたいです。
“名物女性校長”爆弾発言「飲酒運転したことある」 【ZAKZAK】(via 万(よろず)箱)
どういう流れでそういう話をしたのか、興味を持ちました。
asahi.com:リクルート、女性向け無料情報誌「L25」創刊へ(via はてブニュース)
これも需要はありそうだけど、「R25」の発売日と重なったら並べる場所はどうするんだろう。
「女性を商品のように見てる。人権侵害」 コンテスト企画で女性3団体が飯塚市に抗議→おわび文掲載へ(via 痛いニュース(ノ∀`))
ミスコンがあってミスターコンがないのは男性差別だと思いました。
バッファロー、録画にも対応したUSBワンセグチューナー発売(via はてブニュース)
またバッファローロジテックですか。I・Oデータはどうだろう。
安倍新総裁による「朝日批判」発言集。痛烈です。-国を憂い、われとわが身を甘やかすの記:イザ!(via はてブニュース)
安倍さんの記事を書かなければならない朝日の記者も今後大変だと思いました。
離婚調停中のポール・マッカートニー、元妻への“口止め料”85億円!?(via トーイチャンネット〜クールな時事ネタ〜)
まだまだ巻き上げられそうです。
Google Book Searchが発禁本特集ページを開設(via YAMDAS現更新履歴)
Googleは18歳以上・以下ですか、なんて聞いてこないなぁ。
「待ったかいあった」米大使、吉野家で大盛りに満足(via はてなブックマーク - タグ「これはひどい」を含む注目エントリー)
たまに食べたくなることはあるんですが、いつも食べられると思うとあまり食べない。
兵馬俑坑内にドイツ人学生乱入 被害はなし 西安(via 自動ニュース作成F)
画像もあるけど欽ちゃんの仮装大賞なみに頑張ってました。
メイド喫茶ならぬ冥土喫茶 地獄少女(via 白い戯言 - 私的ニュース)
メニューもなかなかいい感じなのです。
特産のイチジクをカレーに(via がらくた堂〜寅壱のネット徘徊日記)
ずっと前に有名になった「道の駅・キララ多伎」の商品です。「いちじく温泉」というのも気になって気になって。
朝1時間早く起きるには? (Lifehacks)(via はてブニュース)
別に普通に1時間早く寝ればいいだけだと思うんですが。
やせ過ぎモデル5人を締め出し=スペインのファッションショー(via はてブニュース)
締め出される山田優と同じぐらいの体重の時がぼくにもありました。
人魚像に“妹"が誕生=デンマーク(via 硝煙反応 b3ta)
実物画像も探すとありますが、「世界三大がっかりプラスワン」になること請け合いです。
富良野 「北の国から」効果薄れ、客激減 再燃めざす(via はてブニュース)
樅の木は残った」の樅の木も船岡城址公園に残ってるから大丈夫です。桜の名所になっちゃってますが。
「竹中ふざけるんじゃねえ」 河野太郎ブログ炎上(via 雅楽多blog(ブログ))
こんなのでは最近は炎上とは言いたくない。
チョウ撮影:日本の259種全部を 東京の保育園長(via 気ままに('(゚∀゚∩めもるよ!)
26年かかったとか。毎年10種と考えるとあまり大変な気がしないけど、最後の数種が大変だったんだろうな。
プロ野球「始球式」のゲストはどう決まるのか(via 気ままに('(゚∀゚∩めもるよ!)
小泉元首相もよくやってたような気がします。検索したらヤンキースタジアムでもやってたのか。
東北福祉大教授:「佐渡島を原爆で削れば…」講演で発言(via はてなブックマーク - タグ「これはひどい」を含む注目エントリー)
東広島市で言ったのはまずかったですね。ちなみに北広島市は北海道にあります。
心で書いて憲法9条理解 立場超え「写九」人気(via 痛いニュース(ノ∀`))
日本国憲法は英文テキストを日本語訳したものなので、前文読むと日本語的に少し変に感じます。
ウィンドバード::Recreation - 主要な少年向けライトノベルレーベルのまとめ(via 萌え理論Portal - 美少女系マンガ・アニメ・ゲームの総合情報サイト)
どの新興レーベルが次のヒット作を産んだりレーベル的な個性を出せるか、興味を持ちました。
美保湾埋めた旧日本海軍 模型で再現(via Garbagenews.com)
この人のサイトもあるんだけど、いい年の取りかたをしているなという感じです→(松下薫のホームページ
【コンビニ店長たちの反乱】(上)1円廃棄-話題!ニュース:イザ!はてなブックマーク - タグ「これはひどい」を含む注目エントリー
フランチャイズの元締めについては、あんまりいい話を昔から聞かないのです。
 

「土俵をまちがえた人」(太田良博・沖縄タイムス)を電子テキスト化する(3)

これは以下の日記の続きです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060924/oota202
 
これは、沖縄タイムス5月1日〜6日(5日は休載)に掲載されました「「沖縄戦」から未来へ向って」(曽野綾子)という、渡嘉敷島・赤松隊をめぐるテキストに、太田良博氏が応えたものです。
愛・蔵太の少し調べて書く日記:「沖縄戦に“神話”はない」
愛・蔵太の少し調べて書く日記:「「沖縄戦」から未来へ向って」
オリジナルは1985年5月11〜17日(12日は休載)、沖縄タイムスに掲載されました。
連載第3回です。

「限定した事柄」
 
曽野綾子さんの「お答え」に答えることにする。まず、曽野さんのジャーナリズム批判から始めよう。「新聞社が責任をもって証言者を集める以上、直接体験者でない者の伝聞証拠などを採用するはずがない」と私は書いたのである。この文章をよく読んでみたらわかる。この文章の分析はしないことにするが、私は、一つの条件を前提として、限定した事柄について言っているのである。新聞社があやまちをおかすことはないなどとは言っていない。
曽野さんは、この文章にとびついてきた。そして、世の主婦をバカにしたような文言をはさみながら、「太田氏のジャーナリズムに対する態度には、私などには想像もできない甘さがある」と、見下したようなことを言う。「鉄の暴風」で、私の書いたものが、伝聞証拠によるものだ、と曽野さんが「ある神話の背景」のなかで言うから、そうではないと言っているにすぎないのだ。それだけのことが、どうして、「ジャーナリズムに対して、想像もできない甘い態度」ということになるのか、さっぱりわからない。
私の前述の文章を、別の言葉で、具体的に言えば、新聞は、記者が取材してきたものを、デスクという関門でチェックして編集されるが、その形式が、そのまま「鉄の暴風」の執筆や編集にも移されたということである。執筆が牧港氏と私、監修が豊平良顕氏(当時、常務)、つまり、牧港氏と私は先輩記者の豊平氏に対して、豊平氏は社に対して責任をもつ、つまり、一つの関門があって、私の勝手にはできなかったということである。
 
「鉄の暴風」は真実
 
ここでは、「鉄の暴風」が、曽野さんが言うように伝聞証拠で書かれたものか、そうでないかが重要な論争点である。「鉄の暴風」は伝聞証拠で書かれたものではない、直接体験者から聞いて書いたものだ、と私が言うと、こんどは、「新聞社の集めた直接体験者の証言なるものがあてになるか」と言い出す。子供が駄々をこねるようなことは言わないでほしい。おなじ直接体験者の証言でも、新聞社が集めたもの(「鉄の暴風」は信用できないが、自分が集めたもの(「ある神話の背景」)は信用できるのだ、と言っているのだろうか。
曽野さんは、新聞社がもち出す直接体験者の証言が、いかにアテにならないものかという引用例として、朝日新聞社の「誤報問題」なるものをもち出している。
「極く最近では、朝日新聞社が中国大陸で日本軍が毒ガスを使った証拠写真だ、というものを掲載したが、それは直接体験者の売り込みだという触れ込みだったにもかかわらず、おおかたの戦争体験者はその写真を一目見ただけで、こんなに高く立ち上る煙が毒ガスであるわけがなく、こんなに開けた地形でしかもこちらがこれから渡河して攻撃する場合に前方に毒ガスなど使うわけがない、と言った。そして間もなく朝日自身がこれは間違いだったということを承認した例がある」と、曽野さんは書いている。
 
毒ガス報道論議
 
そのことについて、私は、こう思う。朝日の写真を一目見ただけで、それが毒ガスでないことが分かったという「おおかたの戦争体験者」の証言そのものが、怪しい。彼らが、すぐ、毒ガスかどうかが分かるということは、日本軍がたえず毒ガスを使用していたということを意味する。毒ガスはジュネーブ条約で使用を禁止されており、使用したことが分かれば世界中の避難をうける。めったに使えない化学兵器である。戦場で毒ガスを実見したものは戦場体験者でもなかなかいないのではないか。一般兵が知っているのは防毒面の着けかたぐらいのものである。毒ガスというのは、相手が使えば、こちらも、といった“準備秘密兵器”だから、兵一般が毒ガスの知識を持っているわけではない。
特別に「ガス兵」としての訓練をうける者はたしかにいた。実は、何カ月か、私はその「ガス兵」の訓練をうけたことがある。その訓練は、相手からガス攻撃をうけたときの防御措置が主なる目的であった。ほとんど忘れてしまったが、ガスの種類と、その時の空気の状況によっては、煙状のものが高く立ちのぼることがある。それでも白黒写真ではガスかどうか判定はむずかしいのではないか。また、開闊地でも使えないことはない。早朝など、気流の上下交代とか、空気の密度の関係などで、目には見えないが、地上低く、天井のような空気の層ができ、煙は一定の高さ以上に上昇しないときがある。そういう場合には、ガスが使われる可能性がある。
見方軍隊が前進攻撃する前方にガス弾を射ち込むはずがないというのは、まったくの無知である。そのときは、味方の軍隊には防毒面の着用を命ずるからである。新聞を批判する側の直接体験者の証言なるものも、かならずしもあてにはならない。
朝日新聞が、はじめからガス弾でないと分かっていて、例の写真をかかげたのなら、それは「虚偽の報道」ということになる。だが、知らないで、それをガス弾の写真と信じてのせたのであれば、それは「誤報」である。
たとえ、客観的事実とはちがっていても、報道の真実からはずれているとは思えない。

「世の主婦をバカにしたような文言」というのは「もしこの文章が、家庭の主婦の書いたものであったら、私は許すであろう」(という部分だと思いますが(http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060920/sono03)、一応その前後も含めて読めるようにしてありますので、バカにしているかしていないか、は各人が判断してみてください。
「朝日の毒ガス写真」は、結果的に「誤報」ということがすでにわかっている状態なので(なのかな? 違っていたら教えてください)(http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060920/sono03)「「おおかたの戦争体験者」の証言そのものが、怪しい」と言い切っている太田良博さんの、その部分の曽野綾子さんに対する批判テキストは、ぼくには力が弱いように思え、結果的に「鉄の暴風」の記述の「直接体験者の証言」の「怪しさ」を招いているようにも、ぼくには思えました。
「彼らが、すぐ、毒ガスかどうかが分かるということは、日本軍がたえず毒ガスを使用していたということを意味する」
ええーっ!?
ちょっと長くなりますが、その件に関して言及しているテキストをもう少し拾ってきますね。
煙幕が毒ガスに化けた化学戦の怪

朝日新聞』八四年某月某日(後述の訂正記事にこの日付なし!) の奇妙な 「毒ガス」現場写真を見た数日後、 情報通のある友人が、 1.毒ガスの比重は重いこと、 2.毒ガスは山地で閑いられるのが多いこと、3.毒ガスを用いる際は味方の兵士が被害を受けぬよう十分注意すること、などは最小限の基礎知識、 と教えてくれた(私は昔友人たちと共訳した 『中国軍事教本---人民戦争の軍事学」龍渓書舎、 一九七六年、 を思い出し、第七章第三節「化学兵器の防護」をめくってみた。この箇所の訳者は畏友鈴木博で、現在は北京放送の「外国人専家」である。以上余談)。

「日本軍がたえず毒ガスを使用していた」ではなく、「毒ガスの知識」「煙幕の実践における使用」の二つがあれば、「毒ガスの実践における使用」がなくても、煙幕と毒ガスの区別はつくと思うのですが(「毒ガスの知識」は、自分たちが使う場合に限らず、敵に使われた場合のためにも必要です)。もちろん「日本軍がたえず毒ガスを使用していた」という可能性は否定できるようなことではありませんが。
あと、ぼくには「証言者の個別化」、つまり、名前を出さない場合があるにしろ、誰の発言なのかたどることが比較的簡単なケースの多い『ある神話の背景』のほうが、「誰が見たのか不明な情景の記述」の多い『鉄の暴風』よりも、「証言としての確かさ」を感じてしまったのですが、これは「新聞社だから信じる・信じない」「一個人の調査だから信じる・信じない」とは別の次元の問題です。
 
「土俵をまちがえた人」(太田良博・沖縄タイムス)リンク
1:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060923/oota201
2:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060924/oota202
3:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060925/oota203
 
なお、曽野綾子『ある神話の背景』は現在、『「集団自決」の真実』という題名で復刊され、新刊書店・ネット書店で手に入れることができます。
『「集団自決」の真実』曽野綾子・ワック)(アマゾンのアフィリエイトつき)
『「集団自決」の真実』曽野綾子・ワック)(アマゾンのアフィリエイトなし)
 
これは以下の日記に続きます。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060926/oota204