ブックマーク・RSSから(2006/09/26)

あとでぼくのブックマークに入れたり入れなかったりするものの候補です。
ミラーサイトとのアクセスバランスがあまりよくないので、元ネタリンクしていただけるようなら以下のところにお願いします。
愛・蔵太の少し調べて書くblog(今のところ、あちらのほうをこちらより少し早く更新するようにしています)


アキバの王に俺はなる!:なぜマンガ雑誌は面白くなくなったか〜ジャンプ等を例として〜


オタクがコアな作品へと流れるのには、いつまでも大衆ウケをする作品を掲載し続けなければならない膨大なロットで生産されるコミック誌への飽きと諦めによるものだと考えます。ヤンマガやジャンプを読む読者はオタクではありません。市場調査を行ったわけではありませんが、片手間で読む一般人の方が人口比から見ても多いと考えるのが自然です。となると、単純な誰でも受け入れられるマンガでないといけません。
マンガ雑誌は別につまらなくはなっていないけど、みんなの「共通の話題」ではなくなっているのがつらい。

ラブラブドキュンパックリコ:香山リカ先生のひ・み・つ


しかし、最近になって、香山先生の弟こと中塚圭骸氏がにわかにクローズアップされた関係で、徐々に香山リカ先生の人となりも徐々にですが明らかにされてきました。イエス・キリストですら故郷で奇跡を起こす事はできなかったというくらい文化人にとって身内と古い友人は最大の敵(何故ならハッタリかませないから)。その最大の敵でありなおかつ最高の理解者である中塚“弟くん”圭骸氏の口から語られる香山リカ先生のエピソードは、常日頃見られる香山先生のアイドル(虚像)から遠くかけ離れたモノばかりだったのです!
↑弟の中塚圭骸氏が語る香山リカ先生について。お姉ちゃんったら本当にもう、みたいな感じ。

ぬるヲタが斬る:「時かけ」の真琴がボーダフォンの携帯を使っていた理由


時をかける少女」の公開直前、私はロフトプラスワンで行われたイベントに細田監督を見に行ってきたわけのなのですが、その場でチラっと「真琴がボーダフォンの携帯を使ってるのには実は理由があるんですけどね」というなにやら意味ありげなことを仰っていた監督。わたしゃねぇ何かこのコメントが妙に気になっていたんでございますよ。映画を見ればこの理由は分かるのであろうか、しかし映画を見ても分からなかった。
週刊アスキーの記事が切り抜きされて掲載されています。家族割引ですか。

kidpix:Кирилл Челушкин "Японские сказки"(ロシア人による日本の昔話)


Составление и иллюстрации Кирилла Челушкина. Перевод Веры Марковой.
↑何の昔話なのか、ロシア語も絵もさっぱりです。まさか最初の奴は桃太郎!? via Hugo Strikes Back!

blog武藤文雄のサッカー講釈:日本サッカー史の分岐点


サッカーマガジンと言う雑誌が、サッカー界におけるオピニオンリーダとして過去40年間君臨できた要因の1つには、牛木氏の連載があったと考えるのは私だけだろうか。と言うより、若い頃の私にとって、サッカーマガジンの牛木氏の連載は、サッカー界のあるべき姿、欧州、南米の先進地域の仕組み、先進地域の仕組みをいかに日本に導入するか、こう言った「日本サッカー界のあるべき姿」を、毎月講義してくれるものだった。私は、サッカーマガジンと言う媒体を通じて、賀川浩氏からピッチ上のサッカーの愉しみ方を学び、牛木氏からサッカー周辺文化の奥深さを学んだのだ。
サッカーマガジンを32年間読み続けてきた人が、牛木素吉郎氏の連載終了に驚く。

30代女性会社員の気になるニュース:男になりたいと思った時


このことに気づいてから、彼女との接触は必要最低限にして男の人ばっかりと話していた。私が既婚子持ち男性だったら、毎日自然に暮らせるのに。これまで女であることが嫌だと思ったことなんて1度もなかったけれど、このときばかりは本気で男になりたいと思った。
↑同僚の女性の不愉快な行動について。それは性別ではなく性格の問題と思ってしまうのはぼくが男だから?

AskJohnふぁんくらぶ:吹き替えANIMEを嫌うのは一体どうしてですか


訳注 13の小娘が一人で家を出るなど論外、という理由で、相棒の黒猫がおとな声にされたりする。
↑『魔女の宅急便』の吹き替えについて訳注部分で言及。おとな声の黒猫も悪くない気がしてきた。

黒澤公人のドキュメンテーションシステムの100年(1960年-2060年):図書の市場寿命が2,3週間しかないのに、デジタル化がどうして驚異なのか?


本来なら、自分の書いた本を、1年でも、2年でも書店においておいてほしいでしょう。みんなが、そうだから、2,3週間しか置けない。でも、新しい時代が出現している。デジタル化は、図書を売るためのよい手段であるし、再出版、オンデマンド出版を可能にできるのである。在庫を持たずに。
↑図書(書籍)のデジタル化に関して文句を言っている人はあまりいないと思うんですが、いるのかな。

words from Keibunsha:FRASCONI Against the Grain


イタリア生まれの木版画家、アントニオ・フラスコーニ。グラフィック・デザインの観点から古い絵本をコレクトされているような方なら彼の名はご存知でしょう。1919年にイタリアで生まれ、すぐにウルグアイに移住した彼は幼少の頃より風刺画や絵画でその才能を発揮し、ニューヨークに渡った後は数多くの素晴らしい絵本を発表、幾多もの賞を受賞しています。木版画という15〜16世紀に埋もれていた(日本では江戸時代にも広まりましたが)手法を現代に甦らせ、複数の言語をテキストに採用するという知育的な一面も持った彼の絵本は素晴らしい物が多く、僕は随分以前から彼を絵本作家としてだけ認識していました。ところが先日海外より届いたフラスコーニの作品集を手にしてその認識は刷新されてしまいました。
↑アントニオ・フラスコーニという、日本ではあまり知られていない木版画家の作品集の紹介。

nsw2072の直感:訃報 アイバ戸栗死す!


米国籍で国家反逆罪で刑に服した人間は彼女が最初ではなかったか。
↑「東京ローズ」の人。まだ90歳だったのか。伝記に少し興味を持った。

 

消えものニュース(2006年09月22日)

※ニュース入手元に言及していないニュース系サイトには、原則としてリンク・言及しません。
 
あの「電車男」のうさぎキャラがアニメに!フジ系で1月放送(via 萌え理論Portal - 美少女系マンガ・アニメ・ゲームの総合情報サイト)
ワンクールやるんですか。最近GONZOとフジは仲良し。
ひれで歩くサメ… インドネシア沖で新種50種発見(via クローン人間現るッッッ!!の巻き)
インドネシア・パプア地方沿岸のバーズヘッド海域というところだそうです。
asahi.com:元横綱大乃国の芝田山親方、スイーツ本を出版(via 雅楽多blog)
「現役時代からケーキ作りが趣味で、表紙にはプロ並みと評判の自作も掲載」とのこと。
親王誕生を祝して公立学校が国旗掲揚を強行(via はてなブックマーク - タグ「これはひどい」を含む注目エントリー)
反対する人・団体がどの程度いたのか気になります。
獣姦・排便発言でカナダ公共放送会長、辞任(via Excite世界びっくりニュース)
レバノンでは男性が雌の動物と獣姦することは許されているが、雄の動物とセックスすると死刑になる、と発言」排便関係は不明です。
埼玉の町議、女みこしに近づきたくて警官に頭突き(提督の野望 海軍広報)
48歳町議と52歳警部が女子高生でどつき合い。
朝日・東京・増田「東京地裁偉い」産経・読売「裁判官がおかしい」 (提督の野望 海軍広報)
いろいろな人がいろいろなことを言っていますが、もう少し接点はないものか(一応関連社説を全部掲載しているところにリンク)。
日本茶栽培大失敗で困り果てる農民たち:VIETJO(via 神コップBloG_ver.?)
「責任者がまだ決まっていないため、(決着がつくのは)いつになるか分からない」というひどい状態に。
チョイ悪編集長の次の仕事は…(via [N]ネタフル)
バックで金を出している人(会社)が気になります。
ZAKZAK - 2ちゃんねるの「ひろゆき」失踪…掲示板閉鎖も(via はてブニュース)
「も」って見出しの最後に書いてある記事は、とりあえず釣りの類とみなしてます。
 

「法律以前の問題」って、小泉首相の口癖みたいだったし、報道では「違法」「違憲」で釣りしてるし

こんなところから。
はてなブックマーク - Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <国旗国歌>小泉首相が違憲判決に疑問 
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <国旗国歌>小泉首相が違憲判決に疑問 

小泉首相は21日、入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代斉唱を強制したことを違憲とした判決について「法律以前の問題じゃないでしょうかね。人間として、国旗や国歌に敬意を表すというのは」と述べ、疑問を投げかけた。思想・良心の自由については「裁判でよく判断していただきたい」と述べるにとどめた。
毎日新聞) - 9月21日21時13分更新

これはどこで言ったのか、本当に言ったのか確認が難しいので、それの検証は置いておいて(あとで少しだけやります)。
で、それ以前に小泉首相は、どういうことに関して「法律以前の問題」と言っているか、言ったという報道がされているか、軽く調べてみました。一応日付順。
第156回国会 個人情報の保護に関する特別委員会 第11号(2003・平成15年4月25日(金曜日))

小泉内閣総理大臣 どの法律でもそうだと思いますが、厳密に、五千件以上、それ以上超えたらだめだとか、住所、氏名、生年月日、性別以外に情報を持っている業者はたくさんありますよ。しかし、それは目的外に使用しちゃいかぬと。これはもう法律以前の問題という部分も随分あると思います。

首相「根拠なく遺憾」 ライブドア集中審議 [CHUNICHI WEB PRESS](2006・平成18年2月17日)

小泉純一郎首相は17日午後、衆院予算委員会で行われたライブドア事件など金融問題に関する集中審議で、同社前社長の堀江貴文被告が武部勤自民党幹事長の二男への金銭振り込みをメールで指示したとの民主党の指摘について「根拠のない情報を基にして人を傷つける行為だ。極めて遺憾で、法律以前の問題だ」と述べ、民主党の対応を厳しく批判した。

第164回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第2号(2006年・平成18年5月17日(水曜日))※小沢一郎との党首討論

まさに人間社会というのは難しいなと。昔の先人の方々が、何とか平和な時代に持っていこう、食べ物に困るような時代をなくそうと言っていて、そこに到達して、今想像のできない憂うべき事態が山積している。まさに心の問題、法律以前の問題、人間として何のために生きているのかというのが問われている時代だと思います。

第164回国会 衆議院 教育基本法に関する特別委員会 会議録 第7号 -- obuchiyuko.com(平成18年6月1日)

教育というのは法律に書いてあることだけじゃありません。むしろ法律に書いていない部分での教育が多い。法律がすべてじゃないんです。法律以前の問題で、子供がしっかりしている、日常生活の中で子供が健やかに育っていけるような環境をつくっていくのが政治だと思います。法だけがすべてじゃないんです。それをよく大人がわきまえて、子供は社会の宝である、それにふさわしい環境を整備していくのが政治だと思っております。

もう面倒なので、あとはここを見ていただくとして、
法律以前の問題 小泉 - Google 検索
まとめると、
1・「法律以前の問題」というのは多分小泉氏の頭の中では「常識」という意味とほぼイコールなんじゃないかと思った。
2・「法律」の以前・以後とか言うからややこしくなるけど、うまい言いかえが思いつかない。
3・過去の小泉首相の「法律以前の問題」という発言について、あまり「あんまりだ」と言っている人は見当たらなかった。
4・「憲法」の問題ではなく「教育」の問題だと小泉首相は考えている(?)。
なんか、「4」の線を考えると、記者の質問は「入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代斉唱を強制したことを違憲とした判決」について、ではなく、「入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代斉唱を強制したことを違法とした判決」についてどう思うか、というものだったのでは、という気がムラムラとしてきました。
そこでさらに少し調べてみます。
 
一応、web魚拓に入れてみましたが、朝日の報道も最初はこうだったみたいで、
(cache) Google 検索: 君が代

式での起立・国歌斉唱定めた通達、「違法」 東京地裁
朝日新聞 - 2006年9月20日
判決はまず、日の丸・君が代の歴史的な位置づけについて「第二次大戦終了まで、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことは否定しがたい」と指摘。「国旗 ...

それが、今では同じところをクリックすると、こういう見出しになってます。
式での起立・斉唱定めた都教委通達は「違憲」 東京地裁(2006年09月21日21時30分)
共同通信が配信した記事だと、初期バージョンはこんな感じ?
国旗国歌強制は違法

愛媛新聞社ONLINE
主要 2006/09/21(木) 19:09
国旗国歌強制は違法
 
東京都立高校などの教職員が都と都教育委員会を相手に、入学式や卒業式で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務がないことの確認などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は21日、国旗国歌の強制は許されないとして請求を認め、斉唱しないことなどを理由とした処分を禁じた。
難波孝一裁判長は国旗国歌法の制度趣旨などから「教職員の意に反し、懲戒処分してまで起立、斉唱させることは憲法が定める思想良心の自由を侵害する行き過ぎた措置だ。斉唱などを強制する都教育長通達や各校長による教職員への職務命令も違法」と判断した。
職務命令による精神的苦痛の損害賠償として、原告全員に対する1人当たり3万円の支払いを都に命じ、原告のうち音楽科教諭には、国歌のピアノ伴奏義務がないことも確認した。
国旗国歌法の制定後、国歌斉唱などの強制を違法と認定した司法判断は初めてとみられる。原告と弁護団は「極めて画期的な判決。教育基本法改悪にも歯止めをかける」との声明を発表した。
原告は都立高校と盲・ろう・養護学校の現・元教職員計401人。
判決によると、都教育長は2003年10月「国旗への起立や国歌斉唱の実施に当たり、各校長の職務命令に従わない場合は服務上の責任を問われる」との通達を出し、各校長は通達に基づく職務命令で、教職員に国旗への起立や国歌斉唱を強制した。原告は04年1月以降、順次提訴した。
難波裁判長はまず「日の丸、君が代第2次大戦終了まで皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱で、現在も宗教的、政治的にその価値が中立的なものと認められるまでには至っていない。信仰に準じた世界観、主義、主張から国旗掲揚や国歌斉唱に反対する人は少なからずいる」と指摘。
また「国旗国歌は強制するのではなく、自然のうちに国民に定着させるというのが国旗国歌法の趣旨であり、学習指導要領の理念」との解釈を示し、国旗国歌を強制する通達や職務命令は「教育基本法が禁じた教育への不当な支配に該当する」と認定した。
その上で「式での国歌斉唱などを積極的に妨害したり、生徒に国旗国歌の拒否をあおったりしない限り、教職員には国歌斉唱などを拒む自由がある」と結論付けた。
原告のうち既に退職した32人については、損害賠償だけ認めた。

ぼくの判断では、新聞の報道や判決文を考えると「違憲」よりも「違法」情報が初期には一般的に流通していたのを、朝刊までに各報道機関で「違憲」に改めたところが多かったんじゃないかなと思います(そのほうが見出しとしては面白いし)。
って、今毎日新聞のほうのサイト見たら、「Yahoo!ニュース」の記事と違ってるし。
国旗国歌:小泉首相が違憲判決に疑問 −行政:MSN毎日インタラクティブ

国旗国歌:小泉首相違憲判決に疑問 
 
小泉純一郎首相は21日、入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代斉唱を強制したことを違憲・違法とした東京地裁判決について「法律以前の問題じゃないでしょうかね。人間として、国旗や国歌に敬意を表すというのは」と述べ、疑問を投げかけた。首相は憲法19条が保障する思想及び良心の自由との関連については「これ、裁判やってるんでしょ。裁判でよく判断していただきたい」と述べるにとどめた。【渡辺創】
毎日新聞 2006年9月21日 21時01分

もう一度引用。
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <国旗国歌>小泉首相が違憲判決に疑問 

小泉首相は21日、入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代斉唱を強制したことを違憲とした判決について「法律以前の問題じゃないでしょうかね。人間として、国旗や国歌に敬意を表すというのは」と述べ、疑問を投げかけた。思想・良心の自由については「裁判でよく判断していただきたい」と述べるにとどめた。
毎日新聞) - 9月21日21時13分更新

ちなみに、朝日新聞はこんな感じ。
国旗や国歌に敬意「法律以前の問題」 判決で小泉首相

国旗や国歌に敬意「法律以前の問題」 判決で小泉首相
2006年09月21日20時29分
 
小泉首相は21日夜、入学式や卒業式で国歌斉唱などを強要した東京都教委通達を違法とした東京地裁判決について「法律以前の問題じゃないですかね、人間として国旗や国歌に敬意を表するのは。人格、人柄、礼儀の問題とか(だと思う)」と語り、強要によらず、礼儀作法として国旗・国歌に敬意を表するべきだとの考えを示した。

産経新聞はこんな感じ。
「国歌斉唱の義務ない」教職員の訴え認める 東京地裁判決(09/21 19:48)

(前略)
 
小泉純一郎首相は21日、国旗国歌の強制は違法とした東京地裁の判決に関連し「人間として国旗国歌に敬意を表するというのは法律以前の問題だ」と述べた。
(09/21 19:48)

時系列的な順番は、産経>朝日>毎日その1>毎日その2(Yahoo!ニュース)ですが、いつのまにやら「違憲」について「法律以前の問題」と言ったことになっている様子。
違憲」については、ぼくは「これ、裁判やってるんでしょ。裁判でよく判断していただきたい」と言った、というほうに1000はてなポイント賭けてもいいです(id:rnaさんを除く。いや嘘ですが)。
まぁ「教育基本法」も「法律」であることは間違いないので、その意味で「法律以前の問題」と、ある種教育基本法をないがしろにした小泉首相の発言は、いくら「口ぐせ」とはいえ納得できないものはありますが(←ここ大事)、それを「憲法違憲)」について質問・回答したかのように誤読させる新聞記事(特に毎日新聞・渡辺創氏の記事)にはもっと納得できないものがあります。
ていうか、皆さん釣られすぎ。
こういう記事だったらどうだろう。

小泉純一郎首相は21日、国旗国歌の強制は違憲とした東京地裁の判決に関連し「これ、裁判やってるんでしょ。裁判でよく判断していただきたい」と述べた。

ものすごくつまらない。
一応、最初の朝日報道をとってあるサイトはないかな、と思って検索してみたら、ありました。
mobanama69号(最初のヴァージョン? 多分見出しは「式での起立・国歌斉唱定めた通達、「違法」 東京地裁」)

2006年09月21日15時34分
 
卒業式、入学式で教職員に国旗に向かって起立しなかったり国歌斉唱を拒否した東京都立校の教員が大量処分を受けたことをめぐる訴訟で、東京地裁は21日、違反した場合に処分することを定めた03年の都教委の通達は「少数者の思想良心を侵害し、違法」とする判決を出した。難波孝一裁判長は、(1)教員らには起立、斉唱の義務はないことの確認(2)不起立・不斉唱、ピアノ伴奏の拒否によって処分をしてはならない(2)原告401人に対する1人3万円の慰謝料支払い命令??を言い渡した。
判決はまず、日の丸・君が代の歴史的な位置づけについて「第二次大戦終了まで、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことは否定しがたい」と指摘。「国旗・国歌法で日の丸・君が代が国旗、国歌と規定された現在でも、なお国民の間で宗教的、政治的にみて価値中立的なものと認められるまでには至っていない」と述べた。
これを踏まえ、「教職員に一律に起立・斉唱とピアノ伴奏の義務を課すことは、思想・良心の自由に対する制約になる」として都教委の通達と校長の職務命令は違法だと結論づけた。

ぼくが拾ったもの。
式での起立・斉唱定めた都教委通達は「違憲」 東京地裁

2006年09月21日21時30分
 
入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代の斉唱を強要するのは不当だとして、東京都立の高校や養護学校などの教職員が都教委などを相手に、起立や斉唱義務がないことの確認などを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は、違反者を処分するとした都教委の通達や職務命令は「少数者の思想・良心の自由を侵害する」として違憲・違法と判断。起立、斉唱義務がないことを確認し、違反者の処分を禁止した。さらに、401人の原告全員に1人3万円の慰謝料を支払うよう都に命じた。都側は控訴する方針。
教育現場での国旗掲揚や国歌斉唱を巡り、憲法19条が保障する思想・良心の自由の侵害を明確に認めた判決は初めて。同種の訴訟では、処分を争う教諭側が敗訴する例が相次いでいた。
判決は、都教委の通達などは各校長の裁量を許さない強制的なもので、教育基本法が禁じた「不当な支配」にあたるとし、都教委の指導を全面否定する内容となった。
問題の通達は03年10月に各校長あてに出された。教職員が国旗に向かって起立し、国歌を斉唱するよう定め、違反すれば、停職を含む懲戒処分の対象とした。
今回の裁判の特徴は、職務命令や処分が出る前に、起立や斉唱などの義務自体がないことの確認を求めた点だ。都教委は「具体的な権利侵害がない」と門前払いを求めたが、判決は「回復しがたい重大な損害を被る恐れがある」として、訴えは適法と判断した。
難波裁判長は、日の丸や君が代が皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきた経緯に言及。式典での掲揚や斉唱に反対する主義・主張を持つ人の思想・良心の自由も憲法上保護に値する権利だと述べた。
通達について「教育の自主性を侵害し、一方的な理論や観念を生徒に教え込むことに等しい」と指摘。国旗掲揚の方法まで指示するなど「必要で合理的な大綱的な基準を逸脱した」として、校長への「不当な支配」にあたるとした。
その上で、起立や斉唱の強要は思想・良心の自由を保障する憲法19条に違反すると判断。国旗・国歌は自然に定着させるのが国旗・国歌法の趣旨であることにも照らし、教職員への職務命令は違法とした。

あと、「都側は控訴する方針」という部分が抜けている以外はほぼ同じの、「2006年09月21日20時09分」のものも確認できました。
鬱々日記
やはり「ここは「違法判決」より「違憲判決」のほうが新聞売れるぜぇ」みたいな判断は、「09/21 19:48(産経新聞)」以前であることは間違いない小泉首相に対するこの件への質問」の後の時間(早くても2006年9月21日20時前後)になされた、と思ってもいいんじゃないでしょうか。
参考。
山陰中央新報 - 東京地裁の判決要旨 国旗掲揚、国歌斉唱をめぐる訴訟
「判決要旨」以外の、「判決全文」がどこかに掲載されたら、また言及してみます。
このあたりに出るかなぁ。
判例検索システム>検索結果詳細画面
地裁あたりでは出ないかも知れない。とはいえ、「君が代」で「下級裁判所判例集」を検索してみたら、今の時点で2006年の7月まで出たので、今年中には出る可能性あるかも。
 
本日のテキストが「なげーよ」と思う人は、とりあえず「どうして朝日新聞の見出しが「違法」から「違憲」に変わったのはなぜ?」ということだけ覚えておいてください。
(2006年9月22日記述)
 
(追記)
2006年9月22日の「首相動静」から。
NIKKEI NET:首相動静

国旗・国家、礼節の問題にはっきり態度示さぬ教師が問題
 
小泉純一郎首相は22日夕、入学式、卒業式で国旗に向かっての起立や国歌斉唱などを教職員に義務付けた東京都教育委員会の通達などが憲法違反と認定した21日の東京地裁判決に関して、「こういう法律以前の礼節の問題に対して教師がはっきりとした態度を示さない。これの方が問題だ」と述べ、改めて判決に疑問を呈した。国旗・国家に敬意を表することが教育の再生につながるとする石原慎太郎都知事の主張についても「当然だ」と同調した。
都立校などが国旗掲揚、国歌斉唱を受け入れるべき理由としては「特に学生、中学生にしても高校生にしても社会人になって国歌も歌えない、国旗が掲揚された時に敬意も表せない。これがもし外国に行ったら『この人、社会人としてどうなのか』変に思われちゃう」と指摘。「やはり社会に出て、個人の考えも大事だけれども社会性、協調性というのがいかに大事か。教育の現場において基本的な、法律以前の礼節とか、どういうことに対して敬意を持って接するかという教育は私は大事だと思う」と力説した。

小泉首相は「教育」に関してはこだわりを持っている人なのです。
(2006年9月23日追記)
 

「土俵をまちがえた人」(太田良博・沖縄タイムス)を電子テキスト化する(4)

これは以下の日記の続きです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060925/oota203
 
これは、沖縄タイムス5月1日〜6日(5日は休載)に掲載されました「「沖縄戦」から未来へ向って」(曽野綾子)という、渡嘉敷島・赤松隊をめぐるテキストに、太田良博氏が応えたものです。
愛・蔵太の少し調べて書く日記:「沖縄戦に“神話”はない」
愛・蔵太の少し調べて書く日記:「「沖縄戦」から未来へ向って」
オリジナルは1985年5月11〜17日(12日は休載)、沖縄タイムスに掲載されました。
連載第4回です。

侮辱した言葉
 
曽野綾子さんは、さる五月三日の本紙面で、「太田氏という人は分裂症なのだろうか」と書いてある。しかも、そう思わせる文脈の中で、そう書いてあるのである。これは、たんに言論の自由のワクをふみはずしたという程度では、すまされない言葉である。論争の相手に、そういう言葉を投げるのは、品がよくないだけでなく、読者公衆の面前で、相手を侮辱し、相手の名誉を毀損したことになる。しかも、新聞に書かれたものは、いつまでも残るのである。私の近親者に「綾子」という名の娘がいる。その母親の話によると、「曽野綾子さんにあやかってつけた名前」らしい。その娘は、いま、東京の両国高校(旧府立三中)の三年生である。私の身近にも、曽野さんのファンがいたわけだ。言葉はつつしむべきである。
知念少尉について、「鉄の暴風」では、同情的なことを書いた私が、こんどの反論では、おなじ知念少尉を「赤松の共犯者」と、きめつけている。これは矛盾ではないかというのが、曽野さんの攻撃点である。あの侮辱的な言葉もそこから出ている。一見、矛盾に見える私の記述も、以下の理由で、なにも矛盾ではないことがわかる。
「鉄の暴風」の中で、私が知念少尉について同情的なことを書いたのは、つぎのような事情からである。渡嘉敷島の直接体験者たち(古波蔵元村長一人だけではない。たしか十数名)の話を聞きながら、沖縄出身の知念少尉は、軍と住民の間にはさまれて、苦しかったのではないか、とふと思った。そこで、そのことを質問してみた。すると「そう言えば、知念さんが、そういうことで悩んでいたような話を聞いたことがある」といった意味のことを、証言者の一人が言ったので、「鉄の暴風」のなかの、あの表現となったのである。あとで、二十数年もたってから、「ある神話の背景」のなかで、知念少尉が、伊江島の女性を斬ったという動かしがたい事実を知った。そこで、昭和四十八年七月十一日から同七月二十五日まで、琉球新報朝刊に連載した「渡嘉敷島の惨劇は果して神話か」と題する、曽野さんへの反論の中で、つぎのように注記しておいた。
 
すべて過去的か
 
〈「鉄の暴風」で私として訂正しておきたい点がある。沖縄出身の知念少尉が上官と住民の板ばさみで悩んだように書いたが、事実に反する。知念少尉は伊江島の女性を殺害している。彼をして同郷人を斬らしめるほどの異常な空気が赤松隊にあったのがわかる。〉
琉球新報にのせた私のその反論は、歯科医の平良進氏(故人)から手渡されて、曽野さんは読んでいるはずだ。私の言動のどこに「分裂症」うんぬんといわれるほどの矛盾があるだろうか。また、「鉄の暴風」のなかの渡嘉敷島の戦記は改訂の必要がないと、私が言ったのは、「住民玉砕」や「住民処刑」など重要事項に関してのことで、あの戦記が、細部まで完ぺきだと思っているわけではない。
 --曽野さんにつぎのことを聞きたい。
▼曽野さんが言うように、「エチオピアでトラコーマや結膜炎の患者に目薬をさしてやる」ことは、「死にかけている人々に命を与えるために働いている人々のことを、世間に知らせる」ことが、尊いことであることは、私も知っている。だからと言って、渡嘉敷島で、沖縄の住民たちが同じ国の軍隊によって、死に追いやられ、屠殺されたことについて、論議することが、どうして「とるに足りない小さなこと」なのか。
▼四十年前の第二次大戦を、いつまでも語り継ぐだけでもあるまい、と曽野さんは言う。また、そうすることを「回顧」と見ているようだ。広島や長崎の原爆被害を語るのも、そうなのか。すべて、それらのことは“過去的”であって、現在的、未来的ではないというのか。
 
反戦平和とは
 
▼曽野さんは言う。「反戦が、抗議と反対運動に集約されていた時代はもう古い」「反戦や平和というものは口で言うものではなく…」うんぬん。
ヨーロッパやアメリカその他の反核反戦運動の抗議や叫びについても、そう言えるのか。
▼赤松だけが悪いとは言わない。沖縄戦では、各地で日本兵による住民虐殺、その他の犯罪行為があった。住民の食糧をうばったあと、百人近い、それら住民を殺害した例、ある若い女性を兵隊や住民の見ている前で、じつにむごたらしい方法で殺した例など、おびただしい数の事件がある。これらを集めると、「沖縄戦における日本兵犯罪行為の記録集」という一冊の分厚い本ができ上がるだろう。
それらの諸事実をふまえて、沖縄の住民は、渡嘉敷島の事件も見ている。曽野さんが赤松隊のやったことを弁護することは、赤松隊に殺された人たちを、こんどは、曽野さんのペンで、二重に殺すことになる。
▼「私が赤松氏をかばう理由は何もない」と曽野さんは言う。では、「ある神話の背景」では、なにをかばっているのか。なんのために、その本は書かれたのか。

近親者の個人情報をここまで書いてしまったら、今だとたちどころに「○○綾子」さんのさらにくわしい個人情報がネットで得られたかも知れません。当時はいい時代だったな、と思いました。ていうか「言葉はつつしむべきである」のために何でわざわざ親戚の娘さんのお名前を出したのか、現在の価値判断では意味不明ですが。
「そう言えば、知念さんが、そういうことで悩んでいたような話を聞いたことがある」と、伝聞証言を素朴に採用してしまっていいんでしょうか。知念元少尉はまだ生きていて、直接証言を聞くことも可能だったと思うのですが、「鉄の暴風」執筆時には難しかったのかな。まぁ、関係者の直接証言とは言っても、自分自身のことについては嘘をつくこともあるので、知念元少尉に聞いたことが正しいとは限りませんが。しかし「地下壕」とか「将校会議」に関しては、知念元少尉が明確に否定しているのは(『「集団自決」の真実』p133 ぼくの日記ではhttp://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060914/oota07)、ぼくの判断を混乱させる要因になります。どこのだれとも分からない人間が言ったと太田良博氏が言う「地下壕での将校会議はあった」という記録と、知念元少尉がはっきり否定している(ただし、利害関係が生じる証言でもある)「地下壕」「将校会議」の、どちらが本当なのか。
「また、「鉄の暴風」のなかの渡嘉敷島の戦記は改訂の必要がないと、私が言ったのは、「住民玉砕」や「住民処刑」など重要事項に関してのことで、あの戦記が、細部まで完ぺきだと思っているわけではない。」に相当する部分は、以下のところです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060911/oota04

私は赤松の言葉を信用しない。したがって、赤松証言に重きをおいて書かれた『ある神話の背景』を信ずるわけにはいかない。渡嘉敷島の住民の証言に重きをおいた『鉄の暴風』の記述は改訂する必要はないと考えている。

「地下壕」「将校会議」は、「赤松証言」ではないわけですが…。
 
「土俵をまちがえた人」(太田良博・沖縄タイムス)リンク
1:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060923/oota201
2:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060924/oota202
3:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060925/oota203
4:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060926/oota204
 
なお、曽野綾子『ある神話の背景』は現在、『「集団自決」の真実』という題名で復刊され、新刊書店・ネット書店で手に入れることができます。
『「集団自決」の真実』曽野綾子・ワック)(アマゾンのアフィリエイトつき)
『「集団自決」の真実』曽野綾子・ワック)(アマゾンのアフィリエイトなし)
 
これは以下の日記に続きます。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060927/oota205