ネット内で右寄り・左寄りについて考えるためのサイトのメモ

↓面白いです
むなぐるま: 論壇系ブログの方法分析:「カルト形成型」か「リンク・ハブ型」か

U.S. NewsのMichael Barone氏(記事)によると、リベラルブロガーがブッシュ大統領への憎悪を煽ったのに対し、保守系ブロガーは「大手メディア」を攻撃し、結果、民主党はさらに左寄りになり、大手メディアの信頼性が失われた。両方ともブッシュ大統領を助ける結果になっているというのは興味深い。

ただ、この、アメリカにおけるリベラルと保守のブロガー対決は、具体的な「大物ブログ(影響力のあるブログ)をいくつか、過去ログを大量に読んで考えないと、本当のところは見えてこないような気もします。

振り返って日本の状況を考えるに、ざっくり一般化して言うならば、日本のネット言論が、右派の場合は朝日新聞や「ニュースステーション」「News 23」などの大手メディアへの対抗言論として育ってきたのに対し、左派の場合は既存の団体を補完するメディアとして起こったということはいえるかもしれない。その結果、右派のほうは、ネットを個人をつなぐハブとして使う技術やレトリックを発展してきているし、また、「また朝日新聞か」というようなある種のコンセンサスを形成している。しかし、左派でも組織化した「左翼」ではなく、大学人や在野の左派言論に共鳴する人達などのネットワークというのは、まだ「自己組織化」の初期段階なのではないだろうか。

日本の右派っぽいところのリンク系サイトは、オタクなネタ(アニメやゲーム、漫画などの最近の話題)とリンクしていたりするので、左寄りあるいはメディアの人の絡んでいる事件・情報は「滑稽な出来事」みたいな姿勢で、要するにネタの一つとして紹介されるため、左寄りを支持するのがギャグにしかならなくなっているような。ていうか、左寄りの人(マスコミ内にいる左寄りの人も含めて)がネタ提供しすぎです。
逆に左寄りの人は、何かに対する情報提供が多くの場合「怒り」や「憎悪」をあおる傾向での姿勢だったりするため、ネットにそういうものを求めない人(多くの人)がその情報提供を利用しない、みたいな流れも感じます。俺も「こんなことがあったんだぜ」というネタを紹介する場合は、「それは愉快だ(面白い)ね」みたいな反応があるものを選びがちだし。
↓で、ここで話題になっていたテキスト
Battle for the Blogosphere
↓その全訳。必読です
「ハチの巣ブログ」と「群れブログ」――ブロゴスフィアにおける戦い【全訳】 [絵文録ことのは]05-02/19
日本でも右寄り・左寄りの人の、心の寄りどころとか、情報収集元を語れる人がいるといい感じですね。ただ、日本ではブログというか、ネットを思想的にではなくオタク的に使う(アニメの感想とか、情報交換とか)人が圧倒的に多いので、知的レベルの高い人間が平気でそのような世界に言及する日本的カルチャーとアメリカとの微妙な違いになっているイメージがあります。
↓こちらのブログ・テキストも面白いです
[R30]: ネット右翼だって現実社会に戻ればリベラルでしょうが

 ネット右翼と呼ばれるムーブメントは、だから僕はある意味「マスコミが自らの価値基準の決定プロセスにネットの効率性を積極的に利用しようとしない」ということへの、社会からの異議申し立てなのだと感じている。

ところで漫画『寄生獣』は、英訳されてアメリカで出版されてるんですが、日本では右とじの本が、アメリカでは左とじになっている都合から、中身の絵を全部逆版(左右を逆にしたもの)にして、なんと「ミギー」を「lefty」と翻訳してあるそうです。(←少しだけオタクネタ)