『歴史から読み解く英語の謎』
『歴史から読み解く英語の謎』(岸田隆之、教育出版)(→bk1)(→amazon)(→書籍データ)
英語の文法や発音で、中学生レベルでは無理矢理暗記させられるようなことを、その起源からていねいに理由を説明してある、ある種学習本というか知的興味を満たしてくれる本。ただし中高生が読んで面白いかは微妙で、よほど英語というか語学に興味のある人間でないとあまり理解はできない部分が多いかも知れないです。学校の英語の先生が、生徒に何か聞かれたときの参考本レベルでしょうか。質問する中学生に対して、わかりやすく説明できるかどうかも不明ですが。まぁ、言葉やつづりが歴史的にどのように変化しているか、というのは、英語に限らず言語学や言語の歴史についての、あまり実用性のない知識なので、今の学校が(多分)実用英語を重視している部分では抜け落ちてしまうですな。受験勉強が終わった大学の教養課程の人間が読むと一番楽しめるかも。なんでknifeはこういうつづりなのか、とか、なんで発音しないeがあるのか、とか、なんでmayには許諾と推測の両方の意味があるのか、とか、とりあえず英語に関する疑問は一通り解決します。