今週の時代歴史小説(2006.7.18-22)

今回は7冊でした。今週の1冊は、これ。
 
★『佐渡漁り火哀歌 御庭番平九郎』(北川 哲史 著/廣済堂出版/630円円)【→bk1】【→amazon
佐渡で起きた一揆の首謀者として遍照坊という僧侶が捕らえられた。幕府には一揆の首謀者は遍照坊一人と報告されたが、十代将軍・家治は事件に不審を抱き、御庭番の梶野平九郎に真相をつかめと命じた。そして、平九郎が探索をはじめた矢先、佐渡から江戸に来た男が殺されて、勘定奉行の屋敷の前の日本橋川に浮いた…。密命を受け、佐渡へ向かった平九郎の前に立ちはだかる黒い影の正体は!?好評書下ろしシリーズ第四弾。
 
少し珍しい時代と場所かな、という感じです。



★『孤高の剣風 神保鏡四郎事件控』(城 駿一郎 著/廣済堂出版/630円円)【→bk1】【→amazon
江戸市中を騒がす盗賊の“不知火”一味を追っていた、岡っ引の清次が殺された。小野派一刀流の遣い手で、大身旗本の部屋住みの神保鏡四郎と辰巳芸者の京香は、昼行灯と渾名される南町奉行所同士の磯貝新十郎とともに、清次が残した手掛かりを辿って一味を追い詰めるが、その裏にはさらなる黒幕の影が…。己の私利私欲のために極悪非道の限りを尽くす悪を、天衣無縫の活殺剣が、一刀のもとに切り捨てる!書下ろし好評シリーズ第六弾。
 
★『雁渡り 照降町自身番書役日誌』(今井 絵美子 著/廣済堂出版/630円円)【→bk1】【→amazon
日本橋北内神田堀江町、小舟町、小網町の三町は、雪駄屋、下駄屋、傘屋の問屋が軒を連ね、一方は晴天を、一方は雨天を望むので、通称照降町と呼ばれている。理由あって武家を捨て町人として小舟町の自身番書役を務める喜三次。自身番に持ち込まれる事件に怒り、悲しみ、涙し、癒され、町の人に助けられ三年が過ぎた。仕舞た屋の住人、裏店に住む町人たちの人間模様をほのぼのと描く書下ろし時代小説シリーズ第一弾。
 
★『身代わり同心 隠密廻り無明情話』(稲葉 稔 著/廣済堂出版/630円円)【→bk1】【→amazon
石川島の人足寄場近くの海辺に、死体を乗せた小舟が打ち上げられた。小舟は盗まれたもので、南町奉行所隠密廻り同心・神谷善之助の手下・銀次の仲間の物だった。殺されていたのは、千住にある大店の番頭だった富蔵で、一年前に不祥事を起こして店を叩き出されていた。富蔵は博打で身を持ち崩し、博徒から十八両の借金があった。返済金絡みの出来事とみて、下手人捕縛に動き出した途端、富蔵と同じ手口で若い男が殺された。探索を撹乱させるのが目的か?それとも、続けて起きた殺しには繋がりがあるのか―。銀次を奔らせ、事件を追う善之助の周りで、ある男の輪郭が見えてくるが…。
 
★『我餓狼と化す』(東郷 隆 著/実業之日本社/1,785円円)【→bk1】【→amazon
幕末、男の死に様。天狗党から戊辰戦役まで。我に利あらずと知りつつも、最後まで屈服しなかった侍たちの物語。 ◆雪中の死◆勇の首◆屏風の陰◆血痕◆百戦に弛まず◆我餓狼と化す◆下総市川宿の戦い◆坐視に堪えず
 
★『天保妖盗伝 怪談岩淵屋敷』(鳥羽 亮 著/双葉社/1,680円円)【→bk1】【→amazon
天保2年、両国橋袂。大小の見せ物小屋が櫛比する中、「お岩屋敷」と演し物名を幟に染め上げた「百鬼座」の姿があった。呼び込みの声は恐ろしげだが、なに、それほどのものではない。実はこの一座、盗人集団の世を忍ぶ仮の姿なのだ…。書き下ろし長編時代小説。
 
★『燃えよ駿府城 書下ろし長篇時代小説』(喜安幸夫/著/ミリオン出版/720円円)【→bk1】【→amazon
東三河・作手の猟師の息子・吾兵衛は徳川の兵に両親を殺され、逃げ出した山中で武田方の若い侍大将・横田尹松と出会い、仕えることとなる。尹松とともに高天神城に篭城した吾兵衛は城方が悉く討ち死にするなか、奇跡的に逃げ落ちた。時は移り、駿府城下で伝馬屋として成功した吾兵衛は、家康に復讐することで自らの生き方にけじめをつけようと策を練った…。戦国の世に翻弄される男の生涯を描いた書下ろし長編時代小説。