全部「倍」と「半分」にすることで、出版業界のリストラ(再構築)を夢想してみるよ
こんなのを考えてみた。
1・出版社の社員を半分にする(あるいは、出版社の社員の給料を半分にする)
2・出版点数を半分にする(注:書店で売られる本、の意味)
3・取次を通して流通させる本を、今の半分にする(残りは直販)
4・書店の数を半分にする
5・書店員の給料を倍にする
6・本の値段(単価)を倍にする
まず、こんなに本いらないじゃん、というところから。印刷されて取次・書店を通して読者に届く本がこんなになくても、ウェブマガジンあるいは直販のオンデマンドで、本当に読みたい人とか、あるいは図書館など学術目的で利用が望まれる本は流れる、ということになりますね。
次に、こんなに書店いらないよね。欲しい本はネット書店で買えるし、雑誌はコンビニで買える。ネットを通して注文した本の受け渡しもコンビニでできる。都市型の、品揃えがものすごい大型書店は必要だとは思いますが。地方の人は、年に何回かそういったところへ行って大量に買い込むか(年に数回も行けば、まぁめぼしい本の拾い残しはないんじゃないでしょうか)、ネット書店を利用する。あるいは図書館を利用するとか。
さらに、書店の人の給料が安すぎて、人材育成とか、「本を売ることに熱心で、勉強にも熱心な人」とかが来てくれない、という問題がある。一気に給料倍、ってことでどうですか。出版社の社員が書店員になるのもいいかも。今は書店って「本が好きな人のボランティア的な職場」になっちゃってる。ファスト・フードで働くバイトの人より賃金が安いところもあるのは問題。ただし「本に関する知識」はものすごくつけてもらわないと困る。現在、書店員で本の知識に関して「おお、これはできるな」と思えるような人がいるのはコミックス売り場だけ(○○の××の何巻でしたら、△日に発売予定ですが、と即座に答えられる店員、しかもパート店員に畏怖するのはぼくだけじゃないと思う)。
で、そういう環境をちゃんと作るためには、今の本の値段は安すぎ。これも一気に倍なのだ(値上げした分のほとんどは書店に還元、なんですけれども)。売れる本の冊数が半減するかもしれませんが、総売り上げは変わらないから大丈夫。
これで多分、本当に本が好きな読者&書店&出版社の社員が残ります。
(2006年8月31日記述)