ネットの情報はリアルな情報に勝るのか、NHK「日本の、これから:ネット社会」で考える

これは以下の日記の続きです。
NHK「日本のこれから・ネット社会」出演の井草さんは井草幹さんだったみたいです
 
しばらく2006年12月9日に放映されたNHKのテレビ番組「日本の、これから:ネット社会」の話を続けます。
あんまりちゃんとしたリンク集は作る気はないんですが、こんなところを参考に。
日本の、これからとは - はてなダイアリー
以下のところがいろいろ情報があって便利でした。
読んだ本を記録するトコ+α - 昨日のNHK特番「日本のこれから ネット社会」の情報を整理するよ、情報追加版
出演者のリンクとかあるし。
で、こんなところを見て、
パソコンはおもちゃ箱 - リアルかネットか〜NHK番組「ネット社会【日本の、これから】」をみて

ここで引用して反論するのはフェアじゃないけど、私自身の記憶にも曖昧なところがあるので掲示板に登録して発言するのも気が引け、またこのエントリーの本題ではないということもあり許していただきたい。

そうですね。
番組の最後に、近所の人と会話してそれで得た情報のほうを信じます、とか出てきてびっくりしましたよ。
そりゃ、ネットでの情報を信用するより、隣の奥さんの情報を信じるほうが安全でしょうけど、
隣の奥さん=無条件に信用する、みたいな状態は危険ですよ。
こんな態度だと、昔の取り付け騒ぎみたいな、デマに流される人間です、と宣言しているようなもんでしょ。

私の記憶ではあの女性の発言は『ネットでの情報を信用するより、隣の奥さんの情報を信じる』という意味ではなかったように思う。ネットユーザーとしてはライトであると前置きした上で、ネットの交流も悪くはないけど現実社会での顔を見合わせての交流のほうが得がたい、より実があるものである…という意味合いの発言だったと思うのだ。

(太字は引用者=ぼく)
このあと、「パソコンはおもちゃ箱」の人は注として「一言一句記憶しているわけではないので、自信がありませんが。」と書いています。
この発言は「自営業・細田さん(45)」の言葉だと思いますが、この人はある種インターネットに否定的・懐疑的なポジションであるとはいえ、「○○さんは××と言ったがそんなことはありません」とテキスト批判をする際に、批判材料が正確でないことを懸念するので*1、番組中での発言をできる限り正確にテキスト化してみます。
こんな感じです。

はい。えーと、ネットの中で、あの、たくさんの情報が来ますけれども、それよりも一番大事なのは一対一で、あのー、顔を合わせて話して、あのー、得る情報のほうがすごく力強いものだって感じてるんですね。
私は皆さんの中で多分インターネットを使っている時間が一番少ない部類だと思います。またこの番組を見ている全国のかたでも、あの、たくさんインターネットを使っているかたっていうのは一握りのかただと思うんですね。
で、そういうかたたち、あの、一般の人たちの中で、インターネットのホームページで得る、お菓子屋さんやケーキ屋さんのおいしい情報よりも、隣のおばさんが「こないだ行ったケーキ屋さんのケーキおいしかったわよ」って言った言葉のほうが、すごく強いと思うんですよ。
そういうことを皆さんちょっと忘れてないか、インターネットのヴァーチャルな世界だけにはまり込んで、ここだけを大事に育てていっていいものかなって、私は今、すごく不安に感じています

(太字は引用者=ぼく)
要するに「信じます」とか「得がたい、より実があるもの」とかではなく「力強い」という感じでしょうか。信じる・信じないは別の問題で、「説得力がある」という意味だろうとぼくは解釈しました。
確かにネットでは「お菓子屋さんやケーキ屋さんのおいしい情報」ってあんまり得られないなぁ*2。ただ多分、探そうと思えばそういう情報は得られそうな気はします。
ネットの中で、信用できる情報を流している人を見つければいいだけのことです。
それが誰なのか、ぼくは「ケーキ屋さん」に関しては知りませんが、本と映画と音楽に関しては、信用できる情報を流している人をとてもたくさん知っています。
そしてそれは、「隣のおばさん」では多分得られない情報です。*3
だから「インターネットを使っている時間」を長くして、「力強い(説得力のある)」あるいは「信用できる」人を見つけたいと思わない(時間がない)人には、いつまでたってもインターネットは「不安」なものでしょう。
と、ここまで書いてGoogleで「おいしいケーキ屋さん」を検索してみたら、
おいしいケーキ屋さん - Google 検索
いくらでもあるじゃないですか、力強いサイトが。
おいしいケーキ屋さんデータベース - 表紙
Wikiだけど、これはダメかなぁ。
アフィリエイトに用心さえすれば(歪んだ情報提供に気をつけさえすれば)、ネットは情報収集には十分役に立つと思います。「隣のおばさん」もアフィリエイトやっている(というか、頼まれて宣伝している?)可能性はあるので、「力強いだけうっとうしい」とか「行ってみたけどまずかったとは言えない」とか、割と面倒くさいじゃないですか。
 

*1:ぼく自身もちょっと確認してみたかったのでした。

*2:単にぼく自身がそういうものを探していないせいでしょうか

*3:時をかける少女』や『トゥモロー・ワールド』を面白い、と言っている人を最初に見たのは、身の回りの人間ではなくネットの中の人でした。