烏賀陽弘道さん宛の訴状を見たのでコメントしてみる。あとヒットチャートに関するアンケート

これは以下の日記の続きです。
チェーンメールとかチェーンブログテキストを推奨されてもな、というのがぼくの感想だった
 
訴状は以下のところから見ることはできるんですが、
音楽配信メモ オリコンが自分たちに都合の悪い記事を書いたジャーナリストを潰すべく高額訴訟を起こす
こんな状態みたいなので、

※現在アクセスがこのエントリに集中しており、アクセス時認証ダイアログが出たり、アクセス不可になることがあります(ブログシステムが利用しているMySQLのデータベースの負荷によるものです)。アクセスできないときはしばらく時間をおいて、もう一度アクセスしてください。

訴状のzipファイルにもリンクを貼っておきます。
http://homepage1.nifty.com/kraftwerk/oricon-ugaya.zip
ええと、どうしようかな。とりあえず以下のところから、
http://xtc.bz/images/oricon-ugaya01.gif
「原告訴訟代理人弁護士」にリンクとか。
赤井文彌 - Google 検索
笹波恒弘 - Google 検索
船崎隆夫 - Google 検索
笹波雅義 - Google 検索
岡崎秀也 - Google 検索
竹内英一郎 - Google 検索
山本裕子 弁護士 - Google 検索
横田高人 - Google 検索
藤川和之 弁護士 - Google 検索
村山栄治 弁護士 - Google 検索
永井和之 弁護士 - Google 検索
あまりたいしたものが見つかるわけではありませんが、総勢11名の豪華陣です。
烏賀陽弘道さんの主張。
UGAYA Journal.:■「オリコン」が烏賀陽個人を被告に5000万円の損害賠償訴訟■
それに対しての「オリコン」側の主張はこちら。
事実誤認に基づく弊社への名誉毀損について CONFIDENCE ランキング&ニュース -ORICON STYLE-
訴状も含めて双方の主張がネットで見られるようになったわけで(昔だったら信じられないことです)、第三者的な立場であるぼくにも、意見が言いやすくなりました。
一応ちょっとネットで調べてみましたが、「名誉毀損」で5000万円、という例は見当たりませんでした。
名誉毀損 - Google 検索
名誉毀損の慰謝料請求 損害賠償 誹謗中傷

まずは、内容証明で請求する
いきなり、訴訟(裁判)という風にも考えがちですが、内容証明で請求して支払ってくれれば、問題ないので、まずは、内容証明で損害賠償請求、慰謝料請求になると思います。

○名誉毀損の裁判例:弁護士前田尚一法律事務所(札幌)

この点については,法務省民事局参事官,東京高裁裁判官を歴任した著明な実務家は,80以上に及ぶ裁判例を分析したうえ,「実務上は,新聞,週刊誌等のマスコミによる名誉毀損の場合,だいたい慰謝料として100万円が認められるのが相場といった感覚があるように思われる。」と指摘している(升田純「名誉と信用の値段に関する一考察」NBL627号42頁以下)。

(太字は原文のまま)
○名誉毀損事件と菅井盈元市議:弁護士前田尚一法律事務所(札幌)

高額な慰藉料が認められた象徴的な事件として,1100万円の賠償額が認められた横山ノック大阪府知事の事件があったが,当時は,特殊な事件とみるのが一般であったように思われる。
しかし,アメリカほどではないが,最近,比較的高額な慰謝料を認容するような判決が出てきつつあったところ,東京地裁の裁判官らの研究グループが,今年9月に,「マスメディアによる名誉毀損訴訟の研究と提言」を公表したほか,側聞するところによれば,裁判所内部では,500万円を基準としポイントを加算・減算することにより慰藉料額を算出する資料が配布されたとのことである。

(太字は原文のまま)
へぇ。ちなみに「マスメディアによる名誉毀損訴訟の研究と提言」は、ジュリスト2001年10月号に掲載されたようですが、ネットではそのテキストは見当たりませんでした。
ノック知事セクハラ訴訟判決 要旨

(前略)
3、記者会見等の慰謝料は300万円
(中略)
被告は自己の高い知名度を利用して、原告には反論の機会すらない記者会見などの場で、原告を侮辱し非難する発言を繰り返すことにより、著しい名誉棄損行為をし、発言内容が全国に報道された。

こんなのもあった。
アクセスジャーナル - News & Features:寺澤有氏、武富士と武井保雄の‘言論弾圧’訴訟に対し、2億円の損害賠償など求め提訴

ジャーナリスト仲間の寺澤有氏は5月25日、東京地裁内の司法記者クラブで記者会見し、東証1部の「武富士」と同社創業者の武井保雄氏(本紙・山岡に対する電気通信事業法違反と名誉毀損で懲役3年、執行猶予4年の有罪確定)に対し2億2000万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求め、本日、東京地裁に提訴したことを明らかにした。

「2億2000万円」はべらぼうですが、今回の烏賀陽さんの件は、いろいろ考えると、100万円以上1000万円未満、というぐらいの額になるのではないか、とぼくは判断しました。
ぼく自身が気になる烏賀陽弘道さんのこの記述ですが、
UGAYA Journal.:■「オリコン」が烏賀陽個人を被告に5000万円の損害賠償訴訟■

(2)この5000万円という金額は、応訴するために弁護士を雇うだけでも着手金が219万円かかるというおそるべき額です(そんな貯金あるわけないですがな=笑)。

(太字は引用者=ぼく)
こんな便利なのもありました。
日弁連 - 弁護士報酬(費用)
着手金・成功報酬

経済的利益
300万を越え
3000万以下
着手金 5%+9万
成功報酬 10%+18万

経済的利益
3000万を越え
3億以下
着手金 3%+69万
成功報酬 6%+138万

「応訴」ではなくて5000万円の「訴訟」で「着手金が219万円」というのは相場みたいですが(オリコンもそのくらいは払ったと思います)、「応訴」での着手金は、まぁ弁護士と相談して「名誉毀損でも最高1000万円ぐらいだから」ということで、100万円以下にしてもらえるかもしれません(そのかわり「成功報酬」として「1000万円より○万円安かった」場合は、多めにその分は払う、みたいな契約かな)。
まぁ、ただならぬ(余計な)金と時間が割かれることは確かです。
もう一つ気になったのは、以下の記述でした。
UGAYA Journal.:■「オリコン」が烏賀陽個人を被告に5000万円の損害賠償訴訟■

これは、サイゾー編集部からの電話取材に対して、烏賀陽が話した内容を同編集部がまとめて文字化したものです(よって、内容は烏賀陽の原義とはかなり隔たっていますが、そのへんはひとまず置きます)。よって、烏賀陽が能動的に寄稿したものでも、執筆したものでもありません。

これは「サイゾー」06年4月号の「コメント」に関する件ですが、オリコン側の主張と比べると、だいぶ違っているみたいです。
事実誤認に基づく弊社への名誉毀損について CONFIDENCE ランキング&ニュース -ORICON STYLE-

烏賀陽氏は、弊社からの平成18年6月23日付け内容証明郵便の中での「サイゾーの記事のとおり発言ないし指摘をされているのでしょうか」という問いに対し、平成18年6月30日付けのFAXにて「自分が電話でサイゾー編集者の質問に答え、編集者が発言を文章にまとめました。まとめたコメントはメールで自分に打ち返され、修正・編集を加え、若干の意見交換ののち掲載の形にまとめられました」(同氏からのFAX原文)と回答してきています。このように、烏賀陽氏は、発言は自分が責任をもって行ったものと明言されています。

つまり、「文責」についてうかつなことを言ったら烏賀陽さんはサイゾー」誌にも訴えられる可能性がある、とぼくは判断しました。
まぁ、ここらへんは津田大介さんが細かく分析しているので、ものすごくつながりにくいかもしれませんが、そちらをご覧ください。
音楽配信メモ オリコンのプレスリリースに対する疑問と今後の争点

このあたりは俺も複雑な思いがある。烏賀陽さんのやり方もわかるし、オリコンが(もし本当に事実無根なことが書かれているなら)怒る気持ちもわかるからだ。

一応、ぼくの考えをまとめます。
1・オリコンの「5000万円賠償請求」は、額としてはとんでもないし、烏賀陽さんの主張を聞いている限りではオリコン側に味方をする人間は、ネット内では絶対に見つからないだろう。
2・額的には「100万前後」になる可能性は高いし、オリコンもいきなり訴訟ではなく、その前に「内容証明郵便」という手順を取っているみたいなので(その中に何が書いてあったのかを見て、これについては後で言うかもしれません)、今までのネット及びマスコミを含む「名誉毀損」の類例とさほど逸脱したものではないかもしれない。
3・ただ、このようなやりかたは「言論弾圧」という批判がネット上で出てくるのも仕方ないことなので、オリコン烏賀陽氏双方に、もうちょっと妥当な「話の落としどころ」はなかったもんだろうか、と思う。
参考リンク。
http://q.hatena.ne.jp/1166451096

あのオリコンが、ジャーナリストに対して 5000万円の高額訴訟を起したようですが
皆さんはどう思われますか
↓↓

オリコンが自分たちに都合の悪い記事を書いたジャーナリストを潰すべく高額訴訟を起こす
http://xtc.bz/index.php?ID=396

↑↑

あと、もしよろしければ、オリコン もしくは訴えられた烏賀さんにむけて 一言お願いします

 
…と、ここまで書いていて別の疑問も起こったわけですが…みなさん、「オリコン」を含む音楽のヒットチャートについてはどう思っているんだろうか。
ということで、「人力検索はてな」でアンケートしてみました。
http://q.hatena.ne.jp/1166538201

ライター烏賀陽弘道氏が、「オリコン」に関する発言で訴えられましたが(http://www.oricon.co.jp/news/confidence/40446/)、あなたは最近、音楽のヒットチャートやランキングは信用できるものだと思いますか。また、それを参考に音楽を買っていますか。
・「昔」ではなく「最近」(ここ数年)です
・「ヒットチャートやランキング」には、オリコンの提供するもの以外も含まれるものとします
・「音楽を買う」とは、「配信サイトからダウンロードする」「レンタルショップから借りる」も含まれるものとします
※「その他」の意見のかたはコメント欄でご記入ください

ぼく個人は、オリコンを含むどのヒットチャート・ランキングも、それなりに信用できるものだと思っていますが、それを参考には音楽を買っていません。
 
(追記)
サイゾー」(株式会社インフォバーン)側の主張も、どうやら出たみたいです。
(株)オリコンによる、ジャーナリスト・烏賀陽弘道氏への「損害賠償請求事件」提訴について

弊誌は、記事へのコメント提供者のみを訴訟対象にした本訴訟には違和感を拭えず、言論機関と情報提供者との関係性、ひいては表現および報道の自由を保持・保障するうえで、本件は極めて重要な意味を持つものと考えます。
よって、弊誌は本訴訟において烏賀陽氏をできうる限りバックアップをしていきたいと考えています。
皆さまのご理解とご支援を賜れれば、幸いです。

烏賀陽さんは応訴費用を少し貸してもらえるのでしょうか。
 
以下のところにいろいろなリンクがあります。
ここはどこ? - オリコン訴訟関連の記事をまとめるページ
「連載」とかなっているので、まだまだ増えるのかな。
 
これは以下の日記に続きます。
オリコンvs烏賀陽弘道氏で、あえて烏賀陽弘道氏を批判してみる。あとヒットチャートについて