『名作写真と歩く、昭和の東京』

名作写真と歩く、昭和の東京

名作写真と歩く、昭和の東京

★『名作写真と歩く、昭和の東京』(川本三郎/[編]著/平凡社/1,680円)【→bk1】【→amazon
「昭和」という激動の時代の中で、めまぐるしく変貌を遂げた東京の街。木村伊兵衛カルティエ=ブレッソン荒木経惟森山大道らの東京写真の名作と共に、今は亡き東京の街角を歩く。「読売ウイークリー」 (2003年4月20日号-2005年10月23日号) 連載『東京時空散歩』をもとに加筆・再構成したもの。
【感想】昭和の初期から末期までの、東京をテーマにした写真家たちの代表作を、地区と年代別に並べた、というか網羅した写真集。新聞なんかの「昭和特集」でも同じような企画で写真集はできそうですが、事件というよりアートな時代の断面を描いている点において、こちらのほうが時代を超えている部分があって楽しめます。どこか懐かしいような、あるいはまるで知らない国(東南アジアの発展途上国)のような、不思議な風景が多いです。白黒でとにかく空の部分は広い風景。ぼくが知っていた写真は木村伊兵衛「本郷森川町」だけなんですが、写真にくわしい人が見たら有名な写真はけっこう多いと思うのでした。