『武士道シックスティーン』----とりあえず伊藤静と川澄綾子の声で読む

 見出しは『スカイガールズ』です。
スカイガールズ(オススメアニメ)
 この本はとても面白かった。というか、読んでいて楽しかった。

武士道シックスティーン

武士道シックスティーン

★『武士道シックスティーン』(誉田 哲也/著/研成社/1,550円)【→amazon

日本舞踊から剣道に転向し独特の足捌きをする早苗と、パワー、スピード、勝負勘の全てに秀でる剣道エリートの香織。二人は中学最後の区民大会で戦うが、香織はなぜか早苗に負けてしまう。敗れた悔しさを片時も忘れない武蔵オタクの香織に、一切そんなことは忘れているお気楽不動心の早苗。そんな因縁の二人が一緒の高校になった! 竹刀を構える二人の女子が非常にかっこよく美しく、挫折や苦悩を知って成長する姿がなんとも愛おしい、一気読みの傑作青春エンターテインメント誕生。

(以下少しネタバレありの感想)
 剣道エリートというよりは剣道オタクの磯山香織と、なんか川原泉の漫画の登場人物みたいにテンネンな西荻(甲本)早苗の、剣道を通しての友情の物語(愛というか百合味はありません)。武道には縁のなかったぼくですが、ディティールで少し高校時代を思い出してしまったよ。しかし、話の冒頭で出た清水、何もしないのな。あ、これはネタバレか。何かさせろよ。それだけが話の構成上不満なのだった。何のために戦うのか、迷っているときの磯山のサポートをさせねば。しかし、剣道部員、それぞれの家族など、たくさんの登場人物が出てきているのにその描写は過不足ない。人物の出し具合のキレがよすぎて、スピンオフのネタをいくらでも考えられそうですな。早苗の姉でモデルやってる緑子を主人公にした話とか。主人公たちの一年先輩の「魔性の女」河合さん(新部長)は、取りあえず能登麻美子の声だ。そうすると苺ましまろつながりで、緑子は生天目仁美か。何の話をしているのかよくわからなくなりましたが、読書をしながら鉄アレイを動かす香織がいとおしい。
 しかし、映画化がいつ決定してもおかしくない話ではあります。アニメ化はどうかよくわからない。