『暗黒街の弾痕』----1時間半の映画の後半30分がすごくいい

解説・あらすじ 暗黒街の弾痕 - goo 映画
 『西部魂』があまりにも楽しい娯楽西部劇だったので、フリッツ・ラングというのはそういう監督だったのかと確認してみたくて別の映画を見てみました。これはジャンル的にはフィルム・ノワールなんですかね。そういう言葉がない時代のギャング映画とでもいう感じ、みたいな。更正を図ろうとした主人公が殺人の罪で死刑になろうとする直前、差し入れの拳銃を手にして脱獄しようとする、という話の盛り上がり具合がだいたい映画はじまって1時間ぐらいのピークで、ここらへんまではパターンながらもキャラと物語構成、映画としての演出もサスペンス風に作ってあってドキドキする。ところが脱獄して恋人と車で逃走してからの展開はなんか信じられないぐらい能天気。いくら昔のアメリカでも、指名手配されてそんなに逃げ回れるわけないでしょう(逃げてる間に子供まで産んでしまうんだなこれが)。でもって話は衝撃の一発死。すごくいい。ぼくの頭の中では、フリッツ・ラングジョン・フォードハワード・ホークスよりも全然上の監督として位置づけられてしまったよ。