『赤い文化住宅の初子』----貧乏映画の佳作

 広島県の一地方都市(福山市が舞台っぽい)。赤い文化住宅というか、赤錆びたボロアパートに兄と住む女子中学生の話。父親は蒸発、母親は借金返すのに過労で死亡、兄は高校中退でロクに仕事にもつけないダメ兄貴。学校にナイショで主人公はラーメン屋のバイトをやるが、給料はピンハネされても文句も言えない。高校はそれなりのところに行けるだけの学力はあるのだが、そんな事情でビスケット工場に就職。見知らぬオバさん(実は宗教の人)にもらった金で買った「公立高校受験問題集」を川に捨てるシーンが切ない。好感度の高い男子の同級生とは結婚の約束をするんだけど、親父が帰ってきて事件を起こして、さてどうなるのかねぇ、という初夏のシーンでおしまい。ヒロインの東亜優(ヒガシ アユ)の不器用なキラキラぶりがまぶしい。メジャーではない映画ってたいてい人の評判(というか、ネットやブログの評判ですね)を見たりしてから見ることが多くて、これもそんな形で拾ったんですが、ものすごく面白い! 感動とか泣かせのパターンを、演技過剰ではなく淡々と物語っているのが何ともすばらしい。街や風景が不自然に美しすぎないところもいい感じ。全体に過剰を感じさせない(抑制を感じさせる)シミジミ映画になっているのが、これまたオススメの要因になってしまう。中・高校生を主人公にした映画で、ちょっと面白そうなのを探している人はぜひ見てください。
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「白いトレーラーハウスのリア」ネタ最高!
。o・0o。水泡日記 . 。°oOo。。 : 白いトレーラーハウスのリア