『夏期限定トロピカルパフェ事件』----これはもっと評価されるべき

 最近はあまり日本人のミステリーを読まないのですが(けっこう読んだり読まなかったりの波がある)、これはけっこう面白かったです。

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を!そんな高校二年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは“小佐内スイーツセレクション・夏”!?待望のシリーズ第二弾。

 ヤングアダルト本格ミステリ。心理トリックとか暗号とか、いろいろあっても1時間ぐらいで読める。小動物みたいなオンナノコの描写がいかにもやんぐあだると(そんなにエロくはない)。構造的には納得できない部分も感じますが(なんでこんなにガチガチのプロットにして、キャラを殺しているのか、とか)、また本格系ミステリーを読んでみたくなるぐらいの、ほどほどの苦さ(甘さ、ではありません)を感じさせる良作。
 まぁ、「もっと評価されるべき」とは言っても、このミスとかでは10位だったらしいので、ちゃんと評価されているのかもしれない。
 
(追記)
 こんなのも出る(出た)そうです。

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

タイトルの「上」というのが気になる。上下巻? 上中下巻? それとももっとすごいの?(翌月に「下巻」が出るそうです)