中国語の「花銭」の意味なんてこんなことがなければ知らなかったよ

これは以下の日記の続きです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20061020/nankin
 
こんなリアクションがありましたが、
Apes! Not Monkeys! はてな別館 - こりゃ便利な方法だ

私はロシア語が読めないので(いや昔ちょっと勉強しようと思って辞書だけはいいのを買ったんだけど(w )シベリア抑留について語るのは難しいだろうし、アラビア語スーダン公用語)が読めないのでダルフール危機について語るのも難しいだろうし、ドイツ語はちょっとしか読めないからホロコーストについて語るのもなかなか難しいし、日本語でも古文書なんかは読めないだろうから江戸幕府があったかどうかを語るのも難しいんでしょう。核物理学がわからないから広島・長崎への原爆投下について語るのも難しいかな。

ちょっとぼくの説明がヘタですみません。
シェイクスピア研究者や江戸時代の研究者は英語や草書が読めないとダメだし、文意としては「ネットでぬるい議論をする程度なら、日本語テキストだけで十分なんですけど」と言っている通りです。翻訳だってシェイクスピアすごい、とかかっこいい、とか思えますからね。ぼくもたいていのテキストは翻訳で読んでいるし、それらについてぬるい感想を書いたりしています。
で、ぼくの場合は、たとえば中国語で書かれた「日本軍の戦闘詳報」などというものは見たことも聞いたこともありませんが(ぼくには理解できない何かのギャグですか)、「お前はそれを読まずに何を言っているんだ」とか「ちゃんと中国語で読んだのか」と聞かれたら、「読んでないのですみません。どこに行って、どの資料に当たったら、読めないにしても見ることはできますか」とお伺いするような謙虚さは、(たとえ中国語が読めないとしても)常に持っていたいと思います。
とりあえず、ぼくはあまり議論は好きでないので、「国民党中央宣伝部国際宣伝処工作概況 一九三八年〜一九四一年四月」『曽虚白自伝』と「中央宣伝部国際宣伝処民国二十七年工作報告」の当該箇所が、中国語でなんと書いてあるか示したり引用したりしていただけると、いろいろな人がありがたがると思います。ちょっと難しすぎるお願いでしたら申し訳ないことであります。
もう少し簡単なお願いとしては「書いてもらう」「買い取り」を、中国語ではなんと表記するか(書くか)だけでもいいです。それが普通の日本人にわかる字なのか、とてもものすごく興味を持ちました。
たとえば、以下のところなどで「買取」などを検索すると、
中日辞書 北辞郎
とても難しい、ぼくにはとても読めない字が出てくるし、「書いてもらう」については検索の方法すら分からないわけです。
『曽虚白自伝』当該テキストはここにあるのかなぁ。ぼくにはうまく読めませんし、これが「本物のコピーだ」という証拠もないんですが、とりあえず。
http://hist1937.hp.infoseek.co.jp/Ceng/Ceng1.gif
まぁ漢字文化圏なので、「左ページの4行目の下あたり以降かな」という見当ぐらいはつくんですが、ええと、「我們花錢請田伯烈本人及由其代約史邁士写両本…」? 旧字が多すぎで面倒くさいので以下略なのです。「田伯烈」というのが「ティンパリー」ですか。「史邁士」はスミスかな。
多分以下のところを使いまくればちゃんと電子テキスト化できるかもしれませんが。
国語 英和 和英 カタカナ 漢字 - Infoseek マルチ辞書
で、こんなところがありました。
大連雑学事典 【花】

「今日は、あなたに花銭させちゃいましたね」
って、どういう意味だろう?
「花銭」ってお祝い金じゃないよ 。
 
「花銭」とか「花時間」って、なんか良いイメージだよね、ところが全然違う。
 
中国語で「花」を動詞に使うと「消費する」と言う意味になる。
だから「花銭」は「お金を使う」と言う意味だし、
「花時間」は時間を費やすことになる。
決して、古典的な使い方ではなく、日常的に使っている動詞だ。

「花子」は、なんとなんと「乞食」のことだ。全国の花子さん気にしないでね、所詮外国のことだから。

このブログ主の書いていることが本当かどうかは不明ですが(よく嘘つきブログとかありますからね)、なんか無駄に勉強になります。
自力で「国民党中央宣伝部国際宣伝処工作概況 一九三八年〜一九四一年四月」「中央宣伝部国際宣伝処民国二十七年工作報告」も見つけてみたくなりました。どうせ意味はわからないだろうけど。
そんなわけで、「○○」には興味ないけど、「○○に興味を持つ人」は、どの程度のレベルで興味を持ち、言及をしているか、には、他の「△△に興味を持つ人」と同じような感じで興味を持ってしまったのでした。
で、最後に正直なところを言ってしまうと、「我們花錢請田伯烈本人及由其代約史邁士写両本…」を、中国語を知らない日本人的感覚として解釈してみると、「お金を使って頼んで、本を書いてもらい、それを印刷して出版した」の「本を書いてもらい」に相当する部分を見つけるのが難しいんですね。そんなところがぼくの限界レベルなわけです。
やはり中国語がわからないでも「南京大虐殺」について語るのは難しくないだろうと思っている人は、いろいろな意味ですごいと、改めて思いました。
お金を使って 曽虚白 - Google 検索
ぼくとしては、日本語と英語がわかればとりあえず何とかなりそうな「沖縄戦」とか「劣化ウラン弾」というような話だけをしていることにします。そういったものだけでも手にあまるのです。
ところで、あまり関係ないですが、みなさんは『罪と罰』とか『変身』とか、これらの本のタイトルの原題はどういう意味があるか知ってますか。これらについてはまた別の機会に。