アニメ『パパママバイバイ』を教材に使っちゃまずいだろ、という話

で、この早乙女勝元さんの『パパママバイバイ』はアニメにも当時なったみたいですが、
岸和田市だと貸し出ししてくれるみたいです
http://www.city.kishiwada.osaka.jp/hp/m/m252/jiti-sinkou/heiwashiryo/video.html
それを国立第二小学校が教材として見せたことで、石原慎太郎都知事(というか、お殿?)がお怒りの発言をしていたみたいです。
↓都議会議事録・平成12年第3回定例会  9月27日 一般質問 〔古賀 俊昭 議員〕
http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/honkaigi/2000-3/d5230320.htm

〇六十八番(古賀俊昭君) 知事及び教育委員会に質問をいたします。
(中略)
 次に、国立市立第二小学校で行われている異常な偏向教育についてであります。
 国立市立第二小学校は、今春、ある意味で全国的な、有名な学校となりました。卒業式が行われた三月二十四日、屋上に国旗を掲揚した校長に対して、児童が、謝れ、土下座しろと迫りました。まるで、あの紅衛兵の再来を想起させる事件であります。しかし、これは、子どもの心をここまでむしばんだ、反日教師たちの悲しむべき犯罪的偏向教育の結果にほかならないのです。
 去る八月、東京都教育委員会は、これらの一連の問題について厳正な態度で臨み、服務規律違反のあった教員に処分を断行したことは、至極当然のことであります。該当教員はもちろんのこと、教育に携わる関係者は、厳粛にこれを受けとめて、公教育の信頼回復に努めなければなりません。
 しかるに、この偏向教育に国民の強い批判が集中している際の六月、同じ国立第二小学校の三年生の学級で、「パパママ、バイバイ」というビデオを用いた授業が行われました。私も見ました。米軍の飛行機が住宅地に墜落した事故を題材にしたアニメ映画です。事故自体は、幸福な家庭や人命を一瞬にして奪った、まことにむごく痛ましい、本来あってはならない事故であることは当然です。
 しかし、だからといって、この事件を題材にして、小学校の子どもに、日米安保条約自衛隊をなくさなければ平和が来ない、自衛隊は、日本人を見捨ててアメリカ兵を助けるためのもので、国民の敵だと教えていいとは思えません。
 私は、日米安保体制は克服されなければならないと信じていますが、我が国の防衛についての政策判断によって、その必要性が民主的手続を踏んで選択されている以上、幸せな家庭を悲劇と苦痛の奈落に突き落としたアメリカと自衛隊が憎いと、怒りをアメリカと自衛隊に向けさせるよう、子どもの心にそうした心理を誘導するのは、子どもにとって決して好ましいことではないばかりか、公教育としての責任を放棄するものといわざるを得ません。
 このビデオは、実に巧妙につくられており、数多くの指摘されるべき問題がありますが、そのうちの一つは、自衛隊のヘリコプターが二人の米兵を救出する場面です。男の子が、助けにきたぞと叫ぶのですが、ヘリコプターは反転して、米兵のみを乗せて飛び去る。ちくしょうと、子どもがこのヘリに石を投げつける。つまり、被害者を見殺しにする自衛隊として描いているのです。自衛隊感情を植えつけようとする意図は明白ですが、もしかすると、このビデオ授業を受けさせられている児童の両親等の家族の中に、自衛隊の人がいるかもしれないということです。この偏向教育をした教師には、そうした感覚や、教師としての配慮はみじんもないのです。公正中立であるべき公立の小学校で、まだ八歳のいたいけな子どもたちに、平和教育の名をかりて、自衛隊への否定意識をすり込もうとしたもので、到底許すことはできません。
 この問題は、都議会文教委員会や新聞でも取り上げられましたが、それでも、この授業が行われた日時等が明確になっていないのです。そこで、この偏向授業の事実経過とその内容及び東京都教育委員会国立市教育委員会の対応についてお答えください。
 国立二小では、ほかにも、毎年五月一日のメーデーに、全校児童生徒を対象に、反戦映画が上映されています。これは第二小学校だけの問題ではなく、国立市の小中学校で類似の課題があると思います。こうした異常な事態に一日も早く終止符を打たなければ、公立学校に対する都民の信頼は、根底から崩れてしまいます。東京都教育委員会は、教育荒廃の末期的症状を示す国立市の公教育をどのように改善するつもりか、伺いたい。
 石原知事は、この国立市で行われている、自分たちの政治的主張を押しつけようとする一部教員による学校の私物化と学校支配について、どうお考えになりますか。都民である東京の子どもたちが、こうした異常な授業にさらされているのです。見解をお聞きしたい。
(中略)
〇知事(石原慎太郎君) 古賀俊昭議員の一般質問にお答えいたします。
(中略)
 次いで、国立市立第二小学校の授業についてでありますが、公教育というものは、法に基づいて公正中立に行われるべきものであります。教育公務員は、国民全体に奉仕する立場にあることを自覚すべきであります。教員の資質向上も含めて、そろそろ大胆な教育改革が必要と思います。
 亡くなった司馬遼太郎さんが、あるとき私に、日本人というのは不思議な人種で、どうもある種の日本人にとっては、いたずらな観念の方が、はるかに現実よりも現実的らしいと、笑いながら話しておられましたが、この種の教育者と自称する、しかも、自分が一人前以上のインテリと任じているんでしょうけれども、実は非常にこっけいな存在でありまして、私は、こういう人たちの迷妄を何とか晴らす必要があると思います。
 これはもうまさに、国立で起こっております出来事というものは、教育を手だてにした、子どもたちに対するテロ、国民に対するテロである、としかいいようがない。(発言する者あり)
(後略)

えー、まぁその、国立市立第二小学校の子供による「校長に土下座要求」というのは都市伝説ということになってるんですが。(これはgoogleで検索するとすぐにわかります)
あと、石原都知事の「亡くなった司馬遼太郎さんが、あるとき私に」というというのは、俺的には、待ってました(また人が言ってもいないようなことの引用か?)なんですけど。(これも俺の日記を「石原慎太郎」で検索するとわかります。今日の日記はただでさえ引用が多いので、それの説明までしているととんでもないことに)
「ちくしょうと、子どもがこのヘリに石を投げつける」という描写は、現場から3キロ離れたアメリカ兵を救出に来たという状況を考えると(現場の状況を知らない子供を考えると)フィクションが過ぎるな、と俺は思いました。
だいたい、「公教育というものは、法に基づいて公正中立に行われるべきものであります」というのは、どう考えても正論で、自衛隊に反対するビデオがオーケーなら、自衛隊が救難活動や国際平和のために貢献しているビデオ(政府が作った奴)を教材として流すことに、リベラル・左寄りの人が反対する根拠がなくなっちゃうと思うんですが。
とりあえずこの事件についてもう少しくわしく知りたくなると同時に、ビデオ 『パパママバイバイ』を猛烈に見てみたいです。
↓東京都の図書館・横断検索をしてみる
http://metro.tokyo.opac.jp/
アニメ絵本というものもあることが分かったけど、アニメそのものはどうも見当たらないなぁ。